高卒認定試験(高認)を使えば日本の大学でも飛び級が可能?

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海外のドラマやドキュメンタリーには、「飛び級(飛び入学)」という言葉がたびたび登場します。身近では、なかなか耳にすることのない言葉ですが、日本においても「飛び級」はできるのでしょうか。

ここでは、日本における「飛び級」の意味合いと、高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)を受ける意味合い、「飛び級」が可能な日本の大学について解説します。

そもそも高認は何歳から受けられる?

日本で高等学校を卒業できるのは、満18歳以上です。大学に入るには、「高校卒業と同程度の能力がある」ということを認めてもらう必要があります。高校卒業前に大学入試の資格を得る手段が、高認に合格すること。

高認とは、高校への進学をあきらめたり高校を中退したりした人などを対象に、高校卒業と同程度の能力があると認めるためのもので、文部科学省が実施している国家試験です。以前は、「大学入学資格検定(以下、大検)と呼ばれていましたが、2005年以降、高認という名称に変更されました。

それに伴い、全日制高校に在学中でも受験できるようになっています。高認を受験する資格は、受験しようとする試験の年度終わり(3月31日)までに満16歳以上であるということ。つまり、高校在学中に高認を受験し、合格できるわけです。

しかし、満18歳未満の場合、満18歳の誕生日の翌日から合格の効力が生じることになっており、通常ならば満18歳未満での大学受験はできません。

飛び級(飛び入学)ってどういうこと?

実は、日本にも「飛び級」制度が存在します。これは、一人ひとりの能力や特性に応じた教育を進めることを目的として、特定の分野で優れた能力を持つ者を対象に、大学入学の機会を早期に与えようというもの。

しかし、その対象となるには、各大学の定める分野で特に優れた能力を持ち、高校に2年以上在籍することが必要です。「飛び級」制度を利用して、18歳未満で大学に入学するためには、自分の特に優れた能力を大学側に認めてもらう必要があります。

その方法は、大学によってさまざまです。例えば、面接や小論文の結果・学校以外の場での指導者による推薦などを組み合わせています。スポーツや芸術分野における、国際的なコンテストでの優秀な成績などが判断材料の一つとなることもあるでしょう。

飛び級ができる日本の大学

日本のすべての大学が、「飛び級」制度を実施しているわけではありません。受け入れる大学側にも要件が設けられています。一つは、飛び級の対象分野における教育研究を行う大学院があり、教育研究上の実績と指導体制があること。

さらに、学生の能力が特に優れたものであるかを認定するにあたり、制度を適切に運用していること。また、評価の結果を公表することとなっています。2020年度の入試において、「飛び級」制度を実施したのは以下の大学です。

・国立 千葉大学(文学部・理学部・工学部・園芸学部)
    東京藝術大学(音楽学部)
    京都大学(医学部)
・公立 会津大学(コンピュータ理工学部)
・私立 名城大学(理工学部)
    エリザベト音楽大学(音楽学部)
    日本体育大学(体育学部)
    桐朋学園大学(音楽学部)

飛び級において、「どのような試験が行われるか」は、各大学の裁量に任されています。詳細については、各大学にお問い合わせください。



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