高卒認定試験(高認)合格後、大学や専門学校に行く場合に奨学金は受けられる?

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世帯収入が低く経済的に学ぶことが困難であり、学校に「行きたくても行けない」という優秀な学生のためにあるのが奨学金です。
しかし、高卒認定試験を合格後に大学や専門学校に進学したい場合、一般の高校生と同じように奨学金をもらうことはできるのでしょうか?

この記事では、高認における奨学金の有無について解説しますが、高卒認定試験に合格するには受験料や勉強する環境を整えるためにかかる費用もあります。

それらに関しては以下で詳しく解説しています。

【高卒認定試験】受験料や勉強にかかる費用をまとめて解説!

奨学金の種類とは?

多くの学生が利用している奨学金は「日本学生支援機構(JASSO)」で、支給する形式が「給付型」と「貸与型」の2種類があります。

・給付型奨学金とは?

「返済義務がない」奨学金で、世帯の所得が低く困窮している、または児童養護施設などに入所している、という条件のどれか1つに該当する人が申し込みできます。
また、返済義務がない代わりに、学業が不振で留年または停学といった行為をすると、給付の一時停止や廃止といった処分があることを覚えておきましょう。

・貸与型奨学金とは?

「返済義務がある」奨学金で、利息がない第一種、利息が付く第二種、入学前に一時金として借りる3種類があります。
そして、高校を卒業せずに高卒認定試験を経て進学する場合は、次の項目に該当すれば「給付型」と「貸与型」のどちらも申請が可能です。

1.高等学校卒業程度認定試験合格者又は大学入学資格検定合格者
2.高等学校卒業程度認定試験で、科目合格者
3.高等学校卒業程度認定試験の受験手続を終えた者

また、高校在学者は学校を通じて申し込みするのですが、学校に属していない高卒認定試験合格者は、自分で直接、日本学生支援機構に申し込みする必要があります。

奨学金の審査に高卒認定試験の成績は影響する?

利息がある貸与型第二種奨学金は「成績基準が実質上ない」ので、経済的事情だけが条件であるのが特徴です。
しかし、給付型と第一種奨学金を申し込みする際は、経済的事情に加え次の成績基準が設定されています。

・給付型奨学金の成績基準

高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格した人、又は科目合格者で機構の定める基準に該当する人が対象になります。

・第一種奨学金の成績基準

以下のいずれかに該当するとして学校長から推薦を受けられる人が対象です。

① 特定の分野において、特に優れた資質能力を有し、大学等への進学後、特に優れた学習成績を修める見込みがあること
② 大学等における学修に意欲があり、大学等への進学後、特に優れた学習成績を修める見込みがあること

高卒認定試験合格者は自分で奨学金を申し込むため、「学校の後ろ盾」がなく、選考は機構側に一任されることになります。
また、成績基準の記述の中に、高卒認定試験の成績に関する「具体的な数字」は明記されていません。

つまり、大学や専門学校の進学を見据えているのなら、高卒認定試験でも「各科目で高得点を取っておく」ことが奨学金の審査を通過する条件といえるのです。

高卒認定試験を合格後して「2年」は奨学金支給の対象になるので、進学を考えていなくても高得点を取っておけば後々に有利に働くことがあります。
「40点を取って合格さえすればいい」というスタンスではなく、最大限の努力をしておくことが大切です。

高認後に大学へ進学することを検討している人は以下の記事も参考にしてください。

高認で大学進学するときにぜひ知っておきたいポイントまとめ

学校独自、都道府県、民間企業などが支給する奨学金も

国公立大では「減免」という形で授業料を割引する制度や、学校独自の奨学金を設定している私立大も存在します。
また、Uターン、またはIターンで就職することが条件で、奨学金を支給する都道府県や地方自治体、アルバイトを条件に奨学金を支給する民間企業など多岐に渡っているのです。

公的機関以外の選択肢も増えているので、公的機関の審査に落ちた場合は、他の手段もあることを知っておくと良いでしょう。



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