高卒認定試験が「簡単すぎる」?なぜ簡単だといわれるのか理由と背景を解説

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高卒認定試験とは、正式名称を「高等学校卒業程度認定試験」といい、かつて「大学入試資格検定」と呼ばれていた試験と同じものを指します。

色々な理由で高等学校を卒業できなかった人を対象に実施されており、合格すると高校を卒業した人と同等の学力があると認定されます。それにより、大学や短大などへの進学が可能になるほか、資格試験や就活時に生かすこともできます。

このような高卒認定試験ですが、巷では「簡単すぎる」との声が聞かれるとか。この記事では、高卒認定試験がなぜ「簡単すぎる」といわれてしまうのか、その背景について解説します。



高卒認定試験の現状

初めに、高卒認定試験の現状について、試験の概要と合格率についてみてみましょう。

高卒認定試験の概要

冒頭でも述べたように、高卒認定試験とは、合格すると高校卒業と同等の学力があると証明してくれる試験です。16歳になる年度から受験可能で、全日制高等学校の在籍者も対象となっています。ただし、すでに大学受験資格を有している場合は受験不可です。

試験は年に2回、8月と11月に実施され、都道府県に各1カ所、全国の少年院・刑務所等の矯正施設に試験会場が設けられます。

合格率の推移

高卒認定試験の合格率の推移は、以下のようになっています。

年度

受験者数

合格者数

合格率

令和2年①

8098

3737

46%

令和2年②

8556

3944

46%

令和3年①

8854

3894

44%

令和3年②

8850

4203

47%

令和4年①

8444

3796

45%

令和4年②

8710

4165

48%

参照:文部科学省

この数値をみると、おおむね45%前後の合格率と考えられます。

高卒認定試験の受験科目

高卒認定試験は令和6年度から受験科目が変更になっており、以下の内容となります。

教科

科目

科目数

要件

国語

国語

1

必修

数学

数学

1

必修

英語

英語

1

必修

地理・歴史

地理

1

必修

歴史

1

必修

公民

公民

1

必修

理科

科学と人間生活

2 または3

以下のいずれかが必修

①「科学と人間生活」の1科⽬、及び「基礎」を付した科目のうち1科目(合計2科目)

②「基礎」を付した科目のうち3科目(合計3科目)

物理基礎

化学基礎

生物基礎

地学基礎

このように、6教科・8科目または6教科・9科目が課せられており、対策範囲としては、量的にかなり多くなっています。ただし合格点としては各100点満点中40点~50点といわれたおり、しっかり準備すれば不可能な数字ではありません。

「簡単すぎる」と感じる理由

45%程度の合格率・8科目または9科目の試験では「簡単すぎる」とまでは言えない感じがしますが、そう感じてしまう要因には試験内容が関係していると考えられます。

というのも、高卒認定試験の試験内容は、中1~高1までの内容が中心となっており、しっかりと受験準備すれば、難易度としてはさほど高くありません。例えば普通の高校のカリキュラムを履修し、大学入学共通テストを受験する場合と比較すると、試験範囲も難易度も

大きく異なっています。

ただし、高卒認定試験といえども誰でも合格できるわけではなく、受験科目が多いため、しっかりとした対策が必要です。近年は試験対策用の教材が充実しており、対応している予備校も増加していることから、合格テクニックを主体とした対策が可能になっていることも、「簡単すぎる」といわれる一因になっているようです。

まとめ

高卒認定試験は中卒の人や高校進学したけれど不登校などで通学できなくなった人などさまざまな人に大学進学などの足がかりになる試験です。「簡単すぎる」などといわれていますが、8科目・9科目の試験で合格を勝ち取るには、しっかりとした準備が必要です。対策予備校などを活用し、合格を目指しましょう。



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