高校を留年しそうな人に救済措置はある?追試・補習で進級を目指す

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高校で留年しそうになると、不安や焦りを感じるでしょう。しかし、救済措置があれば留年を避けられ、進級・卒業を目指せます。

この記事では、高校を留年しそうな人に対する救済措置について解説します。また、留年が決まってしまった場合のさまざまな選択肢も紹介するので、今後の進路について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

高校を留年しそうなときの救済措置

留年

学校によって救済措置の有無や内容が異なります。以下では、一般的とされる救済措置である「追試」と「補習」について解説します。

追試

学期末試験や定期試験で赤点を取った場合は、追試験(追試)を受ける機会が与えられるケースがあります。ただし、追試による救済をするかは、学校の裁量に任せられているため、すべての高校が追試制度を設けているわけではありません。

追試による救済措置のある高校では、追試の内容は通常の定期試験よりも簡単であるケースが一般的です。

追試を受けて基準点を超えると、単位を修得できる可能性があります。所定の単位を修得できれば留年を避けられ、進級や卒業が可能です。

一方で、追試を受けても基準点に達しない場合は単位を修得できず、留年のリスクがさらに高まります。

補習

補習による救済措置を設けている高校もあります。成績が基準点に達していなくても、補習を受けることで単位の修得が認められれば、留年を避けられるでしょう。

単位認定の履修要件として出席日数があり、年間授業数の3分の1以上を欠席すると単位を修得できないと学則で定めている学校が多数です。この場合の救済措置として、補習を受けると出席日数としてカウントされ、留年を避けられるケースがあります。

補習は通常の授業が終わった放課後や、夏休み・冬休みなどの長期休暇を利用して行われるのが一般的です。留年を避けたいのであれば、補習には必ず参加する必要があります。

高校を留年する基準

留年する基準

高校を進級・卒業するには、一定の単位数を修得する必要があります。出席日数も、進級・卒業するための要件です。ここでは、高校を留年する基準となる「履修」と「修得」について解説します。

履修

履修とは、授業に出席してその科目を学習することを指します。高校を進級・卒業するには、授業への一定以上の出席率が求められ、全授業時間数の3分の2以上としている学校が多数です。

遅刻や早退の扱いは学校によって異なりますが、大半の学校では3回の遅刻で欠席1回分としています。普段から遅刻や早退が多い方は、注意しましょう。

出席日数が不足していると、たとえ学期末試験の結果が優秀でも履修を認められません。履修が認められないと進級・卒業できず、留年する可能性が高いです。

履修が難しい場合の救済措置として補習があり、補習に参加することで出席と認められ、所定の出席日数に達すると留年を避けられます。

修得

修得とは、その科目の学習内容を理解した証として、試験や課題で一定の評価を得ることを指します。修得が認められると、その科目の単位が与えられ、所定の単位を修得すると進級・卒業できます。

留年を避けるには、所定の単位の修得が必要です。文部科学省の高等学校学習指導要領によると、高校に3年以上在籍し、74単位以上を修得すると卒業認定できると定められています。言い換えれば、74単位以上を修得できなければ卒業が認められません。
引用:文部科学省|高等学校学習指導要領について

単位を修得するには、学期末試験や定期試験で基準を超える点数を取ることが必要です。試験で赤点を取ると成績不振とみなされ、留年の可能性が高まります。

高校留年はいつわかる?

留年が分かる時期

高校留年がわかるタイミングは学校ごとに異なるため、直接確認するようにしてください。必ずしも詳しく教えてもらえるとは限りませんが、気になる方は問い合わせてみるようにしましょう。

成績不振で所定の単位を修得できないと、進級・卒業が認められなくなるため、一般的には学期末試験後に留年が決定することが多いです。追試による救済措置がある場合だと、追試の結果が出た時点で留年するかがわかるでしょう。

出席日数不足で留年になるケースでは、規定の出席日数を満たせなかった時点で留年が決定することが多いです。補習による救済措置がある場合だと、補習の参加日数が不足した時点で留年が決まるでしょう。

いずれにせよ留年が確定すれば学校から連絡があるため、結果が出るまで待つことになります。

高校で留年すると何回で退学になる?

何回で退学

留年の回数による退学勧告について、高校によって基準が異なります。多くの学校では1回までの留年が認められており、2回以上の留年で退学となるケースが一般的です。一部の高校では2回まで留年が認められていたり、留年の回数に制限がなかったりする場合もあります。気になる方は、在籍している高校の学則を確認してみましょう。

全日制高校の多くは「学年制」を採用しており、留年回数に制限があります。一方で、通信制高校は「単位制」を採用しているため学年の概念がなく、同じ学年を留年するという仕組み自体がありません。

このように、高校の単位の修得方法には「学年制」と「単位制」があり、留年の可能性があるのは学年制の高校のみです。しかし、近年では、全日制高校でも単位制を採用する学校が増えてきており、自分のペースで学びやすいといった理由から注目が集まっています。

高校で留年が決まったらどうしたらいい?

留年が決まった

高校で留年が決まってしまい、どうすればよいかと悩んでいる方もいるでしょう。ここでは、留年が決まった場合の主な選択肢について解説します。

同じ学年をやり直す

留年を受け入れ、同じ学年をやり直すのが一般的な方法です。同じ授業を再履修し、所定の単位を修得すれば、翌年に進級・卒業できます。

現在の高校に通い続けるため、環境を変えずに学習でき、友人関係を維持しやすい点がメリットです。ただし、同級生が進級・卒業するなかで、自分だけ取り残されると焦りを感じることもあるでしょう。

また、大きな課題となるのが、これまで後輩だった年下の生徒と同じ学年になることです。年下の同級生もまた年長のクラスメートとの接し方に戸惑い、円滑なコミュニケーションが難しくなる可能性があります。

通信制高校に転校する

留年した場合、現在の高校を中退し、自分のペースで学べる通信制高校へ転校するという方法もあります。通信制高校は単位制のため、時間がかかっても必要な単位を修得すれば卒業可能です。

通信制高校は自宅学習が中心で、毎日通う必要がありません。不登校で授業を受けられず留年した方には、特におすすめの方法です。多様な人が通う通信制高校では、自分と同じ境遇の仲間がいる可能性が高いため、無理なく勉強を続けやすいでしょう。

定時制高校に転校する

夜間に授業が行われる定時制高校へ転校するという選択肢もあります。定時制高校は、働きながら学べる点が魅力です。たとえば、昼間はアルバイトをして、仕事が終わってから通学することもできます。

働きながら学びたい方にとって、定時制高校はよい選択肢となるでしょう。通常は4年間で卒業でき、高卒資格を取得できます。

定時制高校には単位制と学年制があるため、どちらの制度に対応しているか事前に確認しておきましょう。卒業まで無理なく通うためにも、自分に合った学校を選ぶことが大切です。

全日制高校に転校する

留年後、ほかの全日制高校へ転校するという選択肢もあります。全日制高校だと、これまでと同じスタイルで学び続けられるのが、大きなメリットです。今の高校ではなく、新しい環境で学びたい方にとっては、よい選択肢といえるでしょう。

ただし、ほかの全日制高校への転校は可能ですが、ハードルは高めです。現実的には、通信制高校や定時制高校への転校、高卒認定試験への合格を目指すことも視野に入れましょう。

専修学校に転学する

留年後、専門分野を学べる専修学校へ転学するという選択肢もあります。専修学校では美容・調理・ITなどの専門分野を学べるため、これらの分野に興味がある方には適した進路です。

高校を中退すると中卒扱いとなりますが、高等専修学校を卒業すると「高卒程度資格」が得られ、大学進学も可能です。

ただし、高等専修学校では、正式な高卒資格は得られません。もしも大学進学を目指す場合は、高卒認定試験への合格も視野に入れましょう。

就職する

留年が決まった場合、通っていた高校を中退して就職するという選択肢もあります。早く働きたい方にとっては、就職を選ぶのも進路の1つになるでしょう。

ただし、高校中退の最終学歴は中卒となり、応募できる求人数は限られるでしょう。多くの求人は高卒以上を条件としており、選択肢が狭まります。

飲食業や建設業など、人手不足の業界では中卒でも採用される可能性があるため、進学せずにどうしても働きたい場合は、こうした業界も視野に入れるとよいでしょう。

高卒認定試験を受験する

高校を留年した場合、「高卒認定試験」を受験するという選択肢があります。高卒認定試験に合格すると、高卒と同等の資格を得られます。

大学受験も可能となり、早めに合格すれば、同世代と同じ時期に大学へ進学できるのが大きなメリットです。 大学進学だけでなく、高卒程度の公務員試験も受験できるようになり、進路の選択肢が広がります。大学進学を含め、幅広い進路を考えている方におすすめの進路です。

高卒認定試験に合格すれば大学進学への道が拓ける

道が拓ける

高卒認定試験に合格しても最終学歴は中卒のままですが、大学に進学して卒業すれば、大卒の学歴を得られます。

大学を卒業すれば最終学歴は大卒となり、高校を留年して中退しても、その後の進路次第で高学歴を得ることが可能です。早い段階で高卒認定試験に合格すると大学受験に専念できるため、有名大学への進学も目指せます。

高卒認定試験は、高校卒業程度の学力を問う試験で出題範囲が広いのが特徴です。短期間で合格するには効率的な学習が不可欠であり、独学で勉強をするのは難しい傾向があります。

高卒認定試験対策を行う予備校・塾もあるので、効率的に学習したい方は通うことを検討してみてください。予備校・塾では、プロの講師から指導を受けられ、短期間での合格を目指せます。

まとめ

高校を留年しそうになったときは、「追試」や「補習」などの救済措置があります。追試や補習で所定の単位を修得すると、留年を避けられます。まずは、追試や補習に熱心に取り組み、留年を避けることに全力を注ぎましょう。

もし留年が決まってしまった場合でも、さまざまな選択肢があるため、悲観する必要はありません。

高卒認定試験に合格して大学進学を目指すという道も拓けています。高卒認定試験の受験も選択肢に含め、今後の進路を検討しましょう。

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