高校中退(中卒)でも高卒認定試験(高認)を取れば栄養士になれる?
栄養士は、病院や給食施設の栄養指導や栄養計算、献立作成など、栄養の知識を健康に活かす仕事をする資格です。
生きるために必須である「食」に直結する資格であることから、安定した仕事に就けることは間違いないでしょう。
しかし、中卒でも高卒認定試験を合格すれば、栄養士になれるのでしょうか?
中卒から栄養士になるには高卒認定は必須
栄養士という資格は、大学や短大、専門学校等で栄養士養成課程を修了しなければ得られません。
また、栄養士は基本的に高卒以上、または同等の学力を持つ人のみに受験資格が与えられます。
つまり、中卒から栄養士になるためには、進学する学校の種類に関係なく、高卒認定試験を合格することが必須条件となります。
四年制大学と短大、専門学校のどれを選べばいい?
栄養士には、民間資格である一般的な「栄養士」と、国家資格である「管理栄養士」の2種類があります。
栄養士の資格は、短大や専門学校で2~4年の栄養士養成課程を修了すると、栄養士の資格を自動的に取得できます。
一方、四年制大学では「管理栄養士養成課程」であり、卒業と同時に「管理栄養士国家試験の受験資格が得られる」という違いがあります。
短大や専門学校から管理栄養士を目指す場合、2年の課程を修了した後、3年以上の実務経験が必要です(3年課程では2年、4年課程では1年)。
つまり、管理栄養士を目指す場合、四年制大学に入学するのが最短ルートといえます。
管理栄養士国家試験の合格率は、近年40~50%で推移しています。
しかし、働きながら国家試験の勉強を両立するのは難しいため、既卒者の合格率は10%に満たない現状があります。
その点、四年制大学では国家試験対策を行っているため、新卒者の合格率は80%以上と高いのが特徴です。
栄養士と管理栄養士、どちらを目指すべきか?
栄養士は卒業と同時に取得できることから、飽和状態にあるというのが現状です。
そのため、栄養士の就職先の多くは病院や民間の給食委託会社であることが多い上に、栄養士でも調理師と一緒に調理業務をすることが一般的です。
栄養計算や献立作成などのデスクワークを希望する方にとって、現実とのギャップがあることを心得ておく必要があります。
栄養士に対するイメージ通りの仕事をしたいのであれば、管理栄養士を目指すことが最善といえるでしょう。
病院で病気の人に必要な栄養を計算したり、栄養指導をしたりするのは、高度な知識を持つ管理栄養士にしかできない仕事です。
また、学校、児童福祉施設、老人ホームなどで1回300食以上を提供する給食施設では、管理栄養士を配置することが義務付けられています。
文字通り現場を「管理」するのが管理栄養士の仕事の1つであるため、栄養士よりも待遇が良いという特徴もあります。
どのような仕事やりたいのか、待遇面などを含めて見極め、栄養士と管理栄養士のどちらの資格を取得するかを決めることが大切といえるでしょう。