大学入学共通テストが受けられない?高認の試験日に関する疑問にお答えします
高校に進学しなかったり高校を中退したりした人に、高卒者と同程度の学力があることを認定するための国家試験が「高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)」です。高認に合格すると、大学や短大、専門学校の受験資格が得られるだけではなく、さまざまな資格試験に挑戦できるようになります。
しかし、その試験の概要がよくわからず、「なかなか最初の一歩が踏み出せない」という人もいるのではないでしょうか。ここでは、「高認は年に何回受けられるのか」「高認に合格するタイミングによっては大学入学共通テストを受けられないのでは?」といった、高認の試験日にまつわる疑問を集め、わかりやすく答えていきます。
高認試験を受けられるチャンスは年に何回?
高認は、1つの試験に合格すれば終了するわけではありません。人によって科目数は異なりますが、8~10科目すべてで合格して初めて高認に合格となります。高認には、「一部合格」という制度があり、一度合格した科目は再度受ける必要がありません。そのため、何度も高認を受けて、すべての科目の合格を目指すことが可能です。
高認に挑戦するチャンスは、年に2回。8月と11月に、それぞれ2日にわたって実施されています。願書の配布と受付は、それぞれ4月初旬~5月中旬、7月下旬~9月中旬ごろとなっており、その年によって異なります。結果通知は、9月上旬と12月上旬ですが、詳しくは文部科学省のホームページでご確認ください。
11月に高認を受ける場合は大学入学共通テストが受けられない?
大学入学共通テストの出願締切は、10月初旬に設定されています。11月に行われる高認の第2回試験を受験する場合、その合否はもちろん、大学入学共通テストの出願締切に間に合いません。
そうなると、11月のテストを受けて合格しても大学入学共通テストに挑戦できるのはその翌年にせざるをえないと思うかもしれません。しかし、実はそうではないのです。大学入学共通テストでは、高認の合格者や合格見込者(合格見込成績証明書もしくは科目合格通知書のコピーと高等学校等の単位修得見込証明書が提出できる人)に加えて、その年度の第2回高認試験を受ける予定の人も受験資格があります。
そのためには、第2回試験の受験案内に掲載されている「大学入学者選抜大学入学共通テスト出願資格申告書」を提出することが必要になるので、注意しましょう。
試験を受ける科目がなくても試験日には行かなければならない?
先述したように、第1回・第2回の高認試験ともに試験日は2日用意されています。それぞれに受験科目が定められていますが、人によっては、先の試験で一部科目合格していたり、高校ですでに単位を取得していたりして、受けずにすむ科目もあるかもしれません。それらの科目を見てみると、「受験しなくてすむ日が出てきた」という人もいるでしょう。
こういう場合、たとえ試験日であっても、試験会場にいる必要はありません。受験が必要でない科目の試験が行われている場合は、外出しても大丈夫です。ただし、「試験開始の30分前までに試験会場にいる」「試験開始の10分前までに試験の行われる部屋に入っている」必要があります。