中卒から教員を目指すなら│大学進学か教員資格認定試験で資格取得
高校を中退したり、進学をあきらめたりした場合、最終学歴は「中卒」になります。高校を卒業することはできなかったものの、教員になる夢を持っている場合は、夢の実現に向けてどのような方法をとればよいのでしょうか。本記事では、中卒から教員を目指すいくつかの方法をわかりやすく解説し、夢をかなえるお手伝いをします。
教員になるためには教員免許状取得が必須
日本の学校で教員として授業を行うためには、教員免許状が最低限必要な条件です。まず、教員免許状を取得し、その後教員の採用試験に合格して初めて教員になることができます。そのため、教員を目指す方は、取得したい免許状に対応した教職課程を持つ大学・短期大学などの高等教育機関に入学し、教職課程として法令で定められた科目及び単位を修得しなければなりません。
これらの科目および単位を修得し、卒業したのち、各都道府県教育委員会から教員免許状を授与されることで教員として認められます。
免許状を取得するためのもう一つの方法
教員免許状を取得する方法は、大学や短大で所定の単位を修得し、卒業する以外にも存在します。これが、「教員資格認定試験」に合格する方法です。「教員資格認定試験」に合格し、各都道府県教育委員会に免許状の授与申請をすれば、免許状を手にできます。ただし、「教員資格認定試験」で取得できる免許状は、以下の免許限定です。
・幼稚園教諭二種免許状
・小学校教諭二種免許状
・特別支援学校自立活動教諭一種免許状
特別免許状は授与された都道府県において10年に限って有効ですので、その点でも注意が必要です。 とはいえ、大学や短大などを卒業しなくても、教員になりたい意欲や能力がある人が教育現場で働く機会を提供する試験であり、年1度実施されています。
中卒の場合は高認の合格をまずは目指す
教員免許状を手にする方法は、上記の2通りです。しかし、大学・短大といった高等教育機関、「教員資格認定試験」のどちらにしても、受験資格は「高等学校を卒業したもの」もしくは「大学に入学する資格を有するもの」となっています。そのため、中卒の場合は受験できません。
どちらの場合も、最終学歴を「高卒」とするか、「高卒と同程度の学力を有する」と公的に認めてもらえる「高卒認定試験(以下、高認)」に合格する必要があります。高認は、文部科学省が年2回実施しており、受験の機会が多く、1度合格した科目は再度受験する必要がありません。
さらに、試験内容は中学校から高校基礎レベルで、受験生の未来を切り開くための試験ですので、合格するのはさほど難しくないのが特徴です。高認に合格しても最終学歴が「高卒」にはなりませんが、「高校卒業者と同程度の学力がある」と公に認定されます。
やる気と時間がある場合は、1年程度で合格することも可能です。改めて最終学歴を「高卒」にするよりスピーディに高等教育機関や教員資格認定試験の受験資格を手にできるでしょう。