中卒の末路とは?仕事やプライベートへの影響や悲惨な末路の回避方法

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高校の卒業が叶わず最終学歴が中卒となった場合、どのような末路を辿ることになるのでしょうか。「仕事は見つかるのか」、「結婚はできるのか」など、今後の人生に与える影響を気にする方も多いでしょう。

この記事では、中卒者の末路を仕事面とプライベート面に分けて解説したうえで、悲惨な末路を回避する3つの方法を紹介します。

何らかの事情で高校の中退を検討している方、あるいは既に高校を中退しており今後の進路を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

中卒の末路は悲惨?

中卒の末路は悲惨?

最終学歴が中卒だからといって、必ずしも悲惨な末路を辿る訳ではありません。そう言える理由は、学歴のハンデをカバーする方法がいくつも存在するからです。

例えば仕事面で考えても、中卒者を歓迎する求人は毎年一定数存在します。数自体は少ないですが、その中から自分に合った仕事を選ぶことで、高卒者と遜色なく活躍が期待できるでしょう。熱意や頑張りが認められれば、正社員での就業やキャリアアップも可能です。

また、正社員となり仕事や収入が安定することで、結婚できる可能性も高まります。結婚相手に高卒以上の学歴を求める方も多いですが、「正社員として働いていれば学歴は気にしない」と考える方も少なくありません。

このように、中卒でも努力することで仕事やプライベートを充実させている方は大勢います。高校を中退した方は将来に絶望するのではなく、中卒という学歴と向き合いながら幸せになれる道を模索しましょう。

仕事面で見た中卒の悲惨な末路

仕事面で見た中卒の悲惨な末路

中卒だからといって、今後の将来を諦める必要はありません。しかし高卒以上の学歴の方と比べると、就職や結婚が不利になることは事実であり、なにも対策しなければ悲惨な末路を辿ってしまう恐れがあります。

仕事面で見た中卒の悲惨な末路として、以下3つのパターンを紹介します。

  • ・仕事が見つからない
  • ・出世ができない
  • ・ブラック企業に入社してしまう

それぞれ詳しく見ていきましょう。

仕事が見つからない

仕事面で見たひとつ目の悲惨な末路は、仕事が見つからず職に就けない状態です。

厚生労働省の発表によると、令和5年度に掲載された学歴別のハローワーク求人は以下のとおりでした。

最終学歴

求人数

中卒

1,102件

高卒

38万8,588件

参考:厚生労働省 令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)

高卒以上の方を対象とした求人数が38万8,588件であるのに対して、中卒者を対象とした求人数はわずか1,102件です。最終学歴が高卒と中卒では、応募できる求人数に大きな差があることが分かります。

このような背景から自分に合う仕事を見つけられず、ニートや引きこもりの状態に陥ってしまう中卒者も少なくありません。

出世ができない

中卒の方はたとえ就職できたとしても、学歴のハンデにより出世ができず、低い給料に悩まされる可能性があります。

少し古いデータですが、2002年に大阪大学が実施した「昇進競争における学歴と性別~百貨店業の事例~」を見ていきましょう。本調査では、学歴や性別の観点から見た昇進スピードの違いを以下のように結論付けています。

  • ・係長への昇進スピード:大卒男性=大卒女性=高・短卒男性>高・短卒女性
  • ・課長への昇進スピード:大卒男性>高・短卒男性>高・短卒女性
  • ・部長への昇進スピード:大卒男性>高・短卒男性

参考:大阪大学大学院国際公共政策研究科:昇進競争における学歴と性別~百貨店業の事例~

係長や課長、部長のすべての役職において、学歴がそのまま昇進スピードに影響することがわかりました。中卒は調査対象に含まれていませんでしたが、傾向から察するに高卒よりも昇進スピードは遅くなるでしょう。

ブラック企業に入社してしまう

学歴不問の求人には「ブラック企業」の求人が多いことも特徴です。ブラック企業とは過酷な労働環境を強いて労働者を働かせる、コンプライアンス意識が欠如した企業の総称を指します。

入社後にブラック企業と分かっても「他に仕事が見つからないのでは」という不安から、なかなか退職を決断できない中卒者は数多くいます。その心理を逆手に取り、中卒の若者を使い捨てるように使役するブラック企業も存在するので、仕事選びの際には特に注意が必要です

プライベート面で見た中卒の悲惨な末路

プライベート面で見た中卒の悲惨な末路

プライベート面で見た中卒の悲惨な末路として、ここでは以下3つの事例を紹介します。

  • ・ニートやフリーター、引きこもりになる
  • ・恋愛や結婚が難しくなる
  • ・不良になり非行の道へ進む

それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。

ニートやフリーター、引きこもりになる

高校中退後に職に就けず、ニートやフリーターとして毎日を過ごす中卒者もいます。また、学歴に強いコンプレックスを持つ方や、人間関係が原因で高校を中退した方の中には、人との関わりを避け「引きこもり」状態へと移行してしまうケースも少なくありません。

ニートやフリーター、引きこもりの方は、年齢を重ねるほど就職が難しくなっていきます。親が現役の間は面倒を見てもらえるかもしれませんが、退職後の年金だけでは子どもを養っていくのが困難となるでしょう。徐々に生活が困窮していき、経済的・精神的に追い詰められる「8050問題」へと発展するケースは、近年非常に増えてきています

最終的には生活保護の受給しか選択肢がなくなり、生活面で大きな制限を受ける可能性もあります。このような末路を避けるためには、若いうちに職を見つけておくことが重要です。

恋愛や結婚が難しくなる

将来的に結婚したいと考えている方は、中卒の学歴が不利に働く可能性も理解しておきましょう。

2020年に「PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)」で掲載された記事の中には、結婚相手に求める学歴についての調査結果が以下のように示されていました。

結婚相手に求める学歴
(妥協ライン)

男性(%)

女性(%)

中学校

15.7

5.5

高校

39

26.4

専門学校、短大

11.8

12.7

大卒であれば、学校名にはこだわらない

20.6

30.8

大東亜帝国クラス

3.7

3

日東駒専クラス

5

7.2

成城・成蹊・明治学院クラス

2.6

9.5

MARCHクラス

1.1

3.8

国立・早慶クラス

0.6

1.3

参考:PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)最新アンケート「この学歴で結婚なら一生独身のほうがマシ」 結婚したい大学したくない大学2020

上記のとおり、高卒以上を「妥協ライン」として設定する方の割合は、男女ともに全体の8割以上を占めています。女性に関しては9割以上にものぼり、中卒男性が結婚相手を見つけることは決して簡単でないことが理解できるでしょう。

また、最近の婚活サイトやマッチングアプリなどでは、異性を探す際の条件として学歴を指定できる機能も搭載されています。そのため中卒の方は「そもそも検索結果や候補に表示されにくい」というハンデを背負うことになり、高卒以上の方と比較してチャンスが少ない点は理解が必要です。

不良になり非行の道へ進む

中卒の悲惨な末路のひとつとして、非行の道へ進んでしまうケースが挙げられます。

令和4年度に実施された文部科学省の調査によると「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が原因で不登校になった高校生の数は、不登校生徒全体の約1割以上を占めていることがわかりました。

親や学校への反発からくる一時的な行動であれば、そこまで心配する必要はないでしょう。一方で、あそびや非行がどんどんエスカレートしていき、最終的には暴力団などの反社会的勢力と繋がりを持ってしまう事例も少なからず存在します。

一度でも反社会的な繋がりを持ってしまうと、抜け出すのは困難です。一時の感情で人生を棒に振ってしまわないよう、高校を中退することになっても気持ちを強く持ちましょう。

参考:文部科学省 令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

中卒が悲惨な末路を回避する方法3選

中卒が悲惨な末路を回避する方法3選

中卒の方が悲惨な末路を回避するためには、どのような方法が考えられるのでしょうか。

ここでは学歴のハンデをリカバリーする具体的な方法として、以下の3つを紹介します。

  • ・正社員としての就職を目指す
  • ・定時制高校や通信制高校へ入学する
  • ・高卒認定の資格を取得する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

正社員としての就職を目指す

中卒者が悲惨な末路を回避するためには、正社員としての就職を目指すことがおすすめです。

正社員として就業できれば、収入が安定するほか、ある程度の社会的信用が得られます。車や住宅のローンが組みやすくなったり、恋愛や結婚において見られ方が変わってきたりするメリットがあるので、就業形態にこだわることは中卒者にとって特に重要です。

しかし、中卒者が正社員として就業するのは決して簡単ではありません。厚生労働省が平成30年に発表した調査結果によると、中卒者の正社員率は35.4%であることが分かりました。つまり中卒者の半数以上が、非正規の雇用形態で就業していることになります。

したがって、中卒者が正社員になるためには高卒以上の学歴を持つ方よりも努力や対策が必要です。転職サイトの活用や資格取得は、正社員のポジションを掴み取るための有効な方法であるため、積極的にチャレンジしてみてください。

参考:厚生労働省 平成30年若年者雇用実態調査の概況

定時制高校や通信制高校へ入学する

全日制高校への通学が難しくなった場合は、定時制高校や通信制高校への編入も一手です。

定時制高校は、夕方から夜間にかけて授業時間が設定されている学校です。1日の授業時間も4時間程度と比較的短く、全日制高校と比べて自分のペースでゆっくり通学したい方に向いています。

通信制高校は、自宅学習がメインでカリキュラムが構築される学校です。ほとんどの通信制高校では年に数回しか登校の必要がないので、人間関係のトラブルで悩みやすい方にはおすすめの学校と言えるでしょう。

定時制高校や通信制高校では、必要な単位を取得することで全日制高校と同様に高校卒業資格が取得できます。つまり最終学歴が高卒以上になるので、進学や就職時に学歴によるハンデを背負う必要がなくなるということです。

これから高校の中退を検討している方、あるいは高校を中退したばかりの方は、就職以外の選択肢としてぜひ検討してみてください。

高卒認定の資格を取得する

最後におすすめするのが、高卒認定の取得を目指す方法です。

高卒認定の資格試験を実施する文部科学省の公式サイトでは、高卒認定の資格を以下のように説明しています。

高等学校卒業程度認定試験は高等学校を卒業していない方が、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。
試験の合格者は、国、公、私立のどの大学、短大、専門学校でも受験でき、就職や各種の資格試験等においても活用することができます。

引用:文部科学省 高等学校卒業程度認定試験とは

最終学歴が中卒であることには変わりませんが、高卒認定の取得により大学や短大、専門学校の受験資格を得られます。「高校を中退してしまったけれど、大学に行くのを諦めたくない」と考える方には、非常におすすめの方法です。

また、高卒認定は就職や転職時にも役立つ資格です。企業が出す求人には「高校卒業以上、あるいは同程度の学力」を学歴条件として掲げるものも多いので、高卒認定を取得することで応募の幅を格段に広げられます。

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まとめ

今回は、最終学歴が中卒となった場合の仕事やプライベートへの影響や、悲惨な末路を避けるための方法について解説しました

高卒以上の学歴を持つ方と比べて、中卒者は進学や正社員での就職が困難となります。しかし、学歴のハンデをカバーする方法は複数存在し、本人の努力次第で悲惨な末路を避けることは十分可能です。

高卒認定の資格取得は、中卒者が将来を切り開くための有効な手段となります。以下のページでは、高卒認定の取得に最適な予備校をチャート形式で分かりやすく紹介しているので、これから高卒認定の取得を目指す方はぜひ参考にしてください。

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