【高認】中学時代に地理が超苦手だった人へ
高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)に挑戦している人のなかで、地理を苦手にしている人は、難しく考えすぎてしまう傾向があります。しかし、地理は旅行感覚で楽しく学習すれば、得意科目にすることができます。
例えば、ハワイ旅行には「アメリカの地理を学ぶ」「島の特徴を学ぶ」「文化の違いを学ぶ」「火山を学ぶ」「気候の違いを学ぶ」といった要素が含まれ、これらはすべて地理に通じます。中学時代に地理を苦手にしていた人に、高認の地理を克服するコツを伝授します。
地理の基礎はこう身につけよう
地理の学習のコツは、文部科学省がつくっている高等学校学習指導要領に載っています。学習指導要領は、文部科学省が全国の高校教師に「このように教えなさい」と指示する内容になっているからです。
その学習指導要領によると、地理で学ぶことは次の2つだけです。
・世界の生活文化の多様性、地域や地球的課題、防災への取組などを理解する
・地図や地理情報システムなどを用いて、調査や諸資料から地理に関する様々な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能を身に付ける
このように並べると難しく感じるかもしれませんが、「世界の生活文化の多様性」を知ることは、ハワイに行ってアメリカの文化に触れることや沖縄に行って琉球文化を知ること、北海道に行ってアイヌ文化を学ぶことと同じです。
また、防災や地球的課題とは、東日本大震災や地球温暖化について知ることです。これらのことについて高い関心を持っている人は少なくないはずです。
旅行に行く前に、ガイドブックを買ったり、インターネットのグーグル・マップで現地の様子を調べたりするでしょう。それこそが「地図や地理情報システムなどを用いて、調査や諸資料から地理に関する様々な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能」です。
地理の学習は、実生活や趣味と結び付けて学ぶことができます。重要なのは世の中と世界に興味を持つことです。
世の中と世界のことを「知りたい」と思ったら、その答えの多くは地理の教科書に載っています。
高認の地理で合格点を取るには
高認の地理で合格点を取るには「戦略的に」勉強していく必要があります。2018年度の高認(第1回)の地理Bの問題は、次のような構成になっていました。
1)配点20点
地図の活用、正距方位図法で描かれた世界地図、東京と南極点の間の距離、兵庫県神戸市の市街地の地理、岐阜県関市の洪水ハザードマップ、長瀞(ながとろ)川下り体験に使う地図
2)配点20点
関東地方の貝塚、世界の森林破壊、ブラジルの熱帯雨林、東南アジアのマングローブ林、オーストラリアとカナダの小麦栽培、日本の再生可能エネルギー、都道府県県庁所在地の年間日照時間
3)配点20点
イスラエルのエルサレムの3つの宗教、アジア諸国の人口移動、ブラジル・クリチバ市の都市計画、アメリカの国境管理
4)配点20点
インド洋周辺諸国の「組織」「日本企業の進出」「人口の変化」「経済」「海面水温と異常気象」、バングラデシュの農業
5)配点20点
世界と日本の「人口」「出生率」、東京都と福岡県と長崎県の人口流動、保育所と待機児童と核家族化
かなり広範囲に満遍なく出題されていることがわかります。これだけをみて「勉強が大変そう」と感じる必要はありません。どう勉強するか考えてみましょう。
どう勉強するか
試験の出題範囲が広いと、問題が簡単になります。したがって、高認で地理を選択する人は「広く浅く」勉強するようにしましょう。
高認の地理では「教科書に書かれてあることしか出ない」と思ってもらって大丈夫です。仮に教科書に書かれていないことが出題されても、それ以外を取りこぼさなければ十分合格点に達します。
高認の地理の勉強では、教科書をひととおり読み終えたら、すぐに過去問に取り掛かりましょう。そして過去問で間違った場所を、教科書や参考書で再確認していってください。
「過去問や問題集を解く→間違っている箇所と覚えていない分野をチェック→教科書と参考書で再学習」を繰り返してください。
まとめ
地理を「暗記するだけの科目」と思っていると、苦手意識は消えません。旅行気分で地理を学びましょう。
そして、社会問題に関心を持ってください。大きな事故や災害や事件が起きたら、どこで起きたのか、なぜ起きたのか、どうすれば再発を防げるのか、を考えてみてください。すると、地理の知識が必要になります。そして、地理の知識が自然と頭に入ってきます。地理の勉強をすると、世の中を知ることができますよ。