「生物基礎はここまで出る」高卒認定試験の試験範囲
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)の生物基礎は、地球上のさまざまな生物を扱いますが、試験で問われる内容はそれほど難しくはありません。ここで紹介する項目の基礎知識だけを身につけておけば、十分合格点に届くはずです。
生物基礎の試験範囲と、過去に実際に高卒認定試験で出題された問題を紹介します。
化学基礎の試験範囲とは
生物基礎は「生物と遺伝子」「生物の体内環境の維持」「生物の多様性と生態系」の3分野にわかれていて、それぞれの分野がさらに細かい項目にわかれています。
生物と遺伝子
生物と遺伝子はさらに次の項目にわかれています。
・生物の共通性と多様性・細胞とエネルギー・遺伝情報とDNA・遺伝情報の分配・遺伝情報とタンパク質の合成・物と遺伝子に関する探究活動
生物の体内環境の維持
生物の体内環境の維持はさらに次の項目にわかれています。
・体内環境・体内環境の維持の仕組み・免疫・生物の体内環境の維持に関する探究活動
生物の多様性と生態系
生物の多様性と生態系はさらに次の項目にわかれています。
・植生と遷移・気候とバイオーム・生態系と物質循環・生態系のバランスと保全・物の多様性と生態系に関する探究活動
このように項目の名称だけながめると「難しそう」と感じるかもしれませんが、生物基礎で習うことは自分の体やよく知っている植物の「内側のこと」を扱っているので、学べば学ほど理解する喜びが増えていきます。そういった意味では「とっつきやすい」教科といえます。
過去問から推測する難易度
過去に実際に高卒認定試験に出題された生物基礎の問題をみていきましょう。
問い
表1は,原核細胞,動物細胞,植物細胞に見られる構造の有無をまとめたものである。表中の空欄ア~エに入る記号の正しい組合せを,下の1~6のうちから一つ選べ。
細胞の構造 | 原核細胞 | 動物細胞 | 植物細胞 |
細胞膜 | あり | あり | あり |
核 膜 | ア | あり | あり |
ミトコンドリア | なし | あり | エ |
葉緑体 | イ | なし | あり |
細胞壁 | あり | ウ | あり |
選択肢
ア | イ | ウ | エ | |
1 | なし | なし | なし | あり |
2 | なし | なし | なし | なし |
3 | なし | あり | あり | あり |
4 | なし | あり | あり | なし |
5 | あり | なし | なし | なし |
6 | あり | あり | あり | あり |
解説
答えは1です。教科書に書かれてあることがそのまま問題になっています。
細胞の問題は何回も出ていますので、ここでしっかり覚えてしまいましょう。
原核細胞は細菌などの細胞です。それぞれ次のような特徴があります。
原核細胞は、細胞膜あり、核膜なし、ミトコンドリアなし、葉緑体なし、細胞壁あり
動物細胞は、細胞膜あり、核膜あり、ミトコンドリアあり、葉緑体なし、細胞壁なし
植物細胞は、細胞膜あり、核膜あり、ミトコンドリアあり、葉緑体あり、細胞壁あり
これを丸暗記するのは大変なので、覚え方のコツを紹介します。原核細胞を持つ生き物は単純なので「ほとんどない」と覚えてください。そのうえで、「細胞壁だけがある」と覚えます。動物細胞と植物細胞を持つ生物は高度なので「多く持っている」と覚えてください。そのうえで、葉緑体と細胞壁のある・なしを次のように覚えてください。
「植物→緑のイメージ→葉緑体ある」
「動物の体→触るとやわらかい→細胞壁がないから」
「植物の体→パキパキしていて堅い→細胞壁があるから」
まとめ
生物基礎は暗記科目と考えると覚える苦痛がつきまといますが、身近な生き物が「なぜそのような生き方をしているのか」を説明している学問と考えると興味がわいてくると思います。生命の不思議を学ぶことができる、面白い勉強でしょう。