高卒認定試験を独学で乗り切る場合の参考書選び
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)に挑戦する方には、予備校や塾に通うことをおすすめします。予備校などに通えば、講師から知識が得られるだけでなく、高卒認定試験の「問題の解き方のコツ」を教わることができるからです。
しかし、高卒認定試験に挑戦しようとしている方の中には、経済的な理由や仕事の関係などで、予備校などに通うことができないという方もいるでしょう。
それでも、あきらめる必要はありません。
高卒認定試験には、それほど難解な問題は出ません。高校1年生用の教科書をしっかり押さえておけば、合格をたぐり寄せることができるのです。
ただ、教科書を理解するには、参考書や問題集が必要になります。そこで今回は、「教科書、参考書、問題集」をどのようにそろえ、どのように使ったらいいのか解説していきます。
まずは中学の教科書を開いてみよう
高卒認定試験の出題範囲は、次のようになっています。
・現在の高校のカリキュラムを編成する基準
・高校入学者が使用している教科書
高校入学者とは、高校1年生のことです。したがって高卒認定試験には、入学したての高校1年生が1年間かけて学ぶことしか出題されません。
つまり、中学の3年間を修了した人であれば理解できることしか試験に出ないということです。
高卒認定試験の独学の「鉄則その1」は以下のようになります。
鉄則その1:中学の勉強を徹底的に見直す
この鉄則その1を実行するには、まず中学時代の教科書を見直さなくてはなりません。中1用の教科書を読み直すと、「ものすごく簡単に感じる部分」と「意外に忘れていた箇所」が見つかるでしょう。
「ものすごく簡単に感じる部分」には「×」印をつけてください。教科書に「×」を書き込んで構いません。再度その部分を見返す必要はないからです。
そして「意外に忘れていた箇所」は、その場で覚えてしまいましょう。「後で読み返して覚えよう」と考えて暗記を後回しにしてしまうと、後から教科書のその部分を探すのに時間がかかってしまいます。
これを中2の教科書、中3の教科書でもやってみてください。国語、英語、数学、理科、社会のすべてをやる必要があるので大変ですが、これが「基礎学力」になります。
基礎学力がないと、高1の教科書はまったく歯が立ちません。
参考書は中3向けを買おう
中1~3の教科書の見直しが終わったら、参考書と問題集を購入しましょう。
しかし、ここで高1用の参考書と問題集を購入してしまうと、自信を失ってしまうかもしれません。
鉄則その2:自信を失うようなことはなしない
勉強は「自分には無理かもしれない」「難しすぎる」「理解できそうにない」と感じると、途端にモチベーションが下がってしまいます。そのため、自信を失うようなことはしないようにしましょう。
最初に買う参考書と問題集は、中3用のもので構いません。
中1~3の教科書が頭に入っていても、中3の参考書や問題集をやると「深く理解していなかったこと」や「サラッと流していたこと」がわかります。
自信がついたら高1用の参考書にトライしよう
ここまで準備ができたら、高1用の教科書と参考書と問題集を用意しましょう。
おすすめの勉強法は、「参考書→問題集→教科書→問題集」の順に取り組んでいくというものです。
教科書は「すべてを完璧に載せている」のですが、説明文が短いという欠点があります。その点、参考書には「詳しい説明文」が書かれてあり、しっかりと理解することができます。
教科書は教師に教わりながら使うと効果的なのですが、独学している人が新しい知識を教科書から得ようとすると「よくわからない」状態になってしまうのです。
そして、参考書をある程度読み込んだら問題集に取り組みましょう。また、教科書もある程度読み込んだら問題集に挑戦しましょう。
理解したことと覚えることは別物だからです。参考書や教科書を読んで「わかった」と思っても、記憶に定着していない可能性があります。記憶に定着していなければ、本番の試験で知識を活かすこともできません。
しかし、問題集をやることで、「理解したものの覚えていない項目」をハッキリさせることができるのです。したがって、鉄則その3は以下のようになります。
鉄則その3:「理解しているだけ」では合格しない。「記憶」が重要
まとめ
予備校や塾を使わずに高卒認定試験に独学で挑戦する方は、まずは「教科書、参考書、問題集」を買い集めましょう。
必要なのは以下のものです。
・中1~3の教科書(国語、英語、数学、理科、社会)
・中3の参考書と問題集(国語、英語、数学、理科、社会)
・高1の教科書(国語、英語、数学、理科、社会)
・高1の参考書と問題集(国語、英語、数学、理科、社会)
中学の教科書は自分が使っていたもので問題ありません。教科書は年々変わりますが、「基本情報の大半」は変わりません。高卒認定試験は「基本情報」が重要です。
ご覧のとおり、教科書と参考書と問題集だけで相当な量になります。しかし、あせらずに一歩ずつ地道に勉強していけば、克服することができるでしょう。これだけの量の本から知識を吸収できれば「栄冠」をつかむことも可能になりますので、ぜひ「教科書、参考書、問題集」を有効活用してみてください。