「世界史はここまで出る」高卒認定試験の試験範囲

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高卒認定試験の科目数は8~10と多いので、1科目ずつ確実に攻略していく必要があります。いつまでに、どの科目をどこまで勉強するのか決めて、そのとおりに進めていきましょう。学習計画をつくるには高卒認定試験の試験範囲を知っておく必要があります。今回は「世界史」の試験範囲を紹介します。

好きになるか嫌いになるかがはっきりわかれる科目

世界史は、好きになる人と嫌いになる人がはっきりわかれる科目ですが、世界史を好きになることはとても簡単です。なぜなら世界史の教科書は「とてもドラマティック」だからです。
その証拠に、世界史の教科書に書かれてあることの多くが映画や小説の題材になっています。

また、世界史を学ぶと世界中を旅した気持ちになれます。世界史の知識を頭のなかに入れるには、世界の地名を知っておかなければならないからです。世界史の教科書の目次には、エジプト、ローマ、ヨーロッパ、インド、中国と、まるで旅行会社のパンフレットのように、素敵な国々の名前が並びます。

世界史の学習を「勉強」と思わず「ドラマをみる」つもりで取り組んでみてください。もしくは「世界旅行の予備知識を身につける」と考えれば、楽しくなるはずです。

大きな流れをつかむ

ではなぜ世界史を嫌いになる人がいるのでしょうか。それは、世界史を暗記科目と思うからでしょう。覚えなければならない人物名や事件名、地名がたくさんあるため、「暗記地獄」にはまってしまう人も多いかもしれません。

世界史に暗記が欠かせないのは事実ですが、最初からただ闇雲(やみくも)に覚えようとしないでください。世界史の勉強を始めるときは、時代と場所と流れを「大づかみ」しましょう。
世界史の試験範囲には次のような領域があります。

古代オリエント

この領域は後で詳しく紹介します。

ローマ世界とキリスト教

この領域も後で詳しく紹介します。

中国史

中国史では、古代殷(いん)王朝から近代清(しん)王朝までが高卒認定試験に出題されやすい範囲といえます。殷王朝は紀元前2000年ごろから都市国家をつくるほどの「先進国」でした。
その後、マンガやドラマの題材になる春秋・戦国時代が始まります。時代は紀元前770~紀元前221年までです。その間、農業や経済、学問が発達し、歴史がダイナミックに動きだしました。

イスラーム世界と王朝

イスラーム世界と王朝では、イスラーム教が成立したムハンマド時代、大規模な征服が行われる正統カリフ時代、アラブ人によるウマイヤ朝、平等な世界が訪れるアッバース朝までを押さえておくとよいでしょう。

日本人にとっての「中東」や「イスラーム教」「アラブ」は、アメリカやヨーロッパ、中国に比べるとなじみがない文明・文化・歴史です。この領域を苦手にする人は多いかもしれません。しかし、一度勉強を始めると「はまる」人が多いのもイスラーム世界と王朝なのです。
それはイスラーム世界が魅惑的でミステリアスだからにほかなりません。

中世ヨーロッパ

中世ヨーロッパの流れは、「ゲルマン人の移動」→「フランク王国」→「封建社会」となります。時代的にはローマ帝国が東西に分裂した後になります。歴史上の登場人物が目まぐるしく変わるので覚えるのは簡単なことではありませんが、いろいろなドラマが生まれているので、歴史の流れを追うこと自体は楽しく感じられるでしょう。

短い文章でまとめてみよう

このほかにも世界史の学習領域はありますが、それぞれの時代と場所の特徴について、ここで紹介したように短い文章で説明できるようにしておきましょう。

古代オリエント

それでは先ほど保留した古代オリエントについてみていきましょう。大きなポイントは、メソポタミアとエジプトです。メソポタミアの歴史は民族と国家がたくさん出てくるので「勉強が大変」、エジプトの歴史はそれに比べると「シンプルで覚えやすい」ととらえておいてください。

メソポタミアは、ティグリス川とユーフラテス川の2つの川の流域に発生した文明です。
最初の登場人物は、民族系統不明のシュメール人です。メソポタミアの学習は民族系統の「〇〇語系」がポイントとなってきます。
シュメール人の次にこの地域を征服するのは、セム語系民族のアッカド人とアムル人です。
アムル人はバビロン第1王朝を建設し、ハンムラビ法典を制定しました。いずれも試験に出やすいので注意してください。

セム語系民族の次に登場するのが、インド=ヨーロッパ語系民族のヒッタイト人で、彼らはバビロン第1王朝を滅ぼします。インド=ヨーロッパ語系民族は文字通り、インドとヨーロッパにまたがる「〇〇語系」民族です。インド=ヨーロッパ語系民族たちは、ヨーロッパから西アジア、東地中海へと広がり、ついにインドに文明をもたらします。したがって、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、インドのサンスクリット語などは起源が同じです。

話をメソポタミアに戻します。
その後、バビロン第3王朝を建てたのはカッシート人で、北部にはミタンニ王国がつくられました。

古代オリエントのもうひとつの目玉であるエジプト史のスタートは、ファラオです。歴史の当初からエジプト語系民族による立派な国家が登場します。その後、約30の王朝が誕生、繁栄、滅亡を繰り返し、その期間は古王国、中王国、新王国の3つの時代にわけられています。

その3時代のなかでも、「クフ王の巨大ピラミッド」で知られている古王国はテストに出題されるのでしっかり押さえておきましょう。

ローマ世界とキリスト教

現代のローマは日本人に人気の海外旅行先なので、「ローマ世界は親しみやすそう」と感じる人は少なくないのですが、キリスト教の理解を苦手とする人が多くいます。ところがローマ世界はキリスト教の歴史を追わないとみえてきません。

日本人が「宗教」と聞くと、お葬式のときにお経を読むお坊さんや、静かな気持ちになって願いごとをする神社の初もうでをイメージするかもしれません。しかし、世界史のキリスト教はとても激しく政治や戦争に深く関わります。ローマ世界とキリスト教の領域を学ぶには、ローマの建国や共和制の確立などを追いながら、キリスト教の成り立ちを同時に追っていく必要があります。

まとめ

世界史に対して「ごちゃごちゃしている」という先入観を持つと、苦手意識が強まってしまいます。世界史の勉強を始める前にイメージしていただきたいのが、ニューヨークにある国連です。国連には世界中の国の代表者が集まり、紛争などの問題について話し合っています。
また、国連には、世界の健康を考える機関や、世界の恵まれない子供たちを守る機関、世界の遺産を守る組織などがあります。

つまり、国連もかなり「ごちゃごちゃしている」といえますが、同時に世界の課題をひとつひとつ丁寧に解決しようとしています。世界史の勉強も、教科書に書いてある「ある時代のある国のある出来事」を、ひとつひとつ丁寧に追ってみてください。すると、そのひとつひとつに興奮する出来事や哀しい結末があり、歴史への興味が湧いてくるでしょう。

世界で起きたことの重大事件だけを集めたのが世界史の教科書です。つまらないわけがありません。ワクワクしながら勉強することこそ成績アップへの近道かもしれません。

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