【2024年度最新版】高卒認定試験の受験科目を解説!変更となる科目や選択科目も
高卒認定の資格は、高校卒業者と同程度の学力があると認められる公的な資格です。何らかの事情で高校の卒業が叶わなかった方にとって、高卒認定は進路やキャリアを切り開くための心強い味方となります。
今回は、2024年度から変更される高卒認定試験の概要について、試験科目の変更点や選択科目の選び方を中心に詳しく解説します。
2024年度の高卒認定試験を受験予定の方は、ぜひ参考にしてください。
2024年度から科目が変更に!高卒認定試験の最新の科目を解説
高卒認定試験は、2024年度から試験科目が変更されます。最新の高卒認定試験の試験科目表を活用し、具体的にどの科目がどのように変更されたのかを解説していきます。
高卒認定試験(2024年度)の試験科目
2024年度最新版の高卒認定試験の試験科目を、以下の表にまとめました。
教科 | 科目 | 必要な科目数 |
国語 | 国語 | 1 |
地理・歴史 | 地理 | 1 |
歴史 | 1 | |
公民 | 公共 | 1 |
数学 | 数学 | 1 |
理科 | 科学と人間生活 | 2または3 |
物理基礎 | ||
化学基礎 | ||
生物基礎 | ||
地学基礎 | ||
外国語 | 英語 | 1 |
高卒認定試験には、必修科目と選択科目が存在します。どの選択科目を選ぶかによって必要な科目数が異なり、資格取得のためには全体で8または9科目に合格する必要があります。
選択科目は理科教科の5科目のみで、そのほかの科目はすべて必修科目です。理科の科目をどのように選択するかが、高卒認定試験の合否を左右する重要なポイントといえるでしょう。
変更となる科目は?2023度年との違いを解説
高卒認定試験は、2024年度から試験科目の構成が変更となりました。変更された科目の詳細は以下の表のとおりです。
2023年度第2回試験まで | 2024年度第1回試験から |
地理A | 地理 |
地理B | |
世界史A | 歴史 |
世界史B | |
日本史A | |
日本史B | |
現代社会 | 公共 |
倫理 | |
政治・経済 |
上の表に記載した通り、2024年度から変更された科目は社会科の科目のみです。それぞれ「地理A」・「地理B」は「地理」に、「世界史A」・「世界史B」・「日本史A」・「日本史B」は「歴史」に、「現代社会」・「倫理」・「政治・経済」は「公共」に統合されています。
また、各科目の統合に併せて出題範囲にも変更が生じています。詳しくは文部科学省の公式サイトで解説されています。
理科科目は選択制!おすすめの科目や選び方
高卒認定試験の合格に必要な科目のうち、選択制が採用されているのは理科科目のみです。
【パターン①】 | 「科学と人間生活」に加えて |
【パターン②】 | ・物理基礎 |
「科学と人間生活」の科目を選択するパターン①の場合は、残り1科目を物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎の4科目のなかから選択します。
一方で「科学と人間生活」を選択しない場合は、物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎のなかから合計3科目を選択する必要があります。
上記パターン①とパターン②を比較した場合、科目数を減らせる選択肢はパターン①です。範囲を絞って試験対策をおこないたい方は、パターン①の受験方法がおすすめといえるでしょう。
また、4つの基礎科目のうち「生物基礎」および「地学基礎」は、比較的暗記で乗り切れる科目です。暗記科目を得意とする方にはおすすめの選択科目であるため、選択の際には参考にしてください。
高卒認定試験の試験概要
高卒認定試験の試験概要は以下の通りです。
受験資格 | 16歳になる年度から受験可能 |
合格に必要な科目数 | 8~9科目 |
実施回数および実施時期 | 毎年2回(8月・11月に実施) |
実施場所 | 都道府県ごとに1会場を設定(全47会場) |
受験料 | 4,500円~8,500円 |
参考:文部科学省 高等学校卒業程度認定試験 概要・パンフレット等
高卒認定試験の受験は年に2回のチャンスが存在します。毎年8月および11月に実施しており、実施時期に偏りがあるため注意が必要です。
高卒認定試験で利用できる「受験科目の免除」とは?
高卒認定試験には、受験科目の免除制度が存在します。要件を満たした状態で免除申請をおこなえば、合格に必要な受験科目数を減らすことができ、試験対策を効率的に進められます。
高卒認定試験において定められる受験科目の免除要件は、主に以下の4つです。
- ・高等学校および高等専門学校で既に単位を修得している場合
- ・技能検定に合格している場合
- ・過去に大学入学資格検定や高卒認定試験で一部の科目に合格している場合
- ・そのほか専修学校高等課程や文部科学大臣認定の在外教育施設で単位を修得した方・旧中等学校第5学年等の卒業者など
上記のうち、該当する方が多いのは1・2・3のいずれかの要件です。とくに3の要件に記載するとおり、過去に高卒認定試験を受験し合格できなかった方でも、合格した科目が存在すれば次回の受験時にその科目は免除扱いとなります。
合格の可能性を少しでも高めたいと考える方は、自身が免除条件を満たしていないか、試験対策を始める前に必ず確認しておきましょう。
参考:文部科学省 免除要件
高卒認定試験の合格率・難易度はどれくらい?
高卒認定試験の合格率を以下の表にまとめました。高卒認定試験の難易度を把握したい方は、ぜひ参考にしてください。
年度 | 合格率 |
2023年度 | 47.6% |
2022年度 | 46.4% |
2021年度 | 45.7% |
2020年度 | 46.1% |
参考:令和5年度第1回高等学校卒業程度認定試験実施結果について
直近4年間における高卒認定試験の合格率は、およそ45%~48%の範囲で推移しています。
毎年約半分の方が合格している事実を踏まえると、高卒認定試験はしっかり対策することで十分合格を目指せる難易度といえるでしょう。
一方で、上記合格率の推移は「毎年半分しか受からない」という見方もできます。勉強時間が足りていなければ合格できない難易度なので、合格率を見て油断しないよう注意してください。
高卒認定試験対策におすすめの予備校4選を徹底比較!
高卒認定試験対策におすすめの予備校を厳選し、学費や選択可能なコース内容を徹底比較しました。
学校名 | 年間の学費 | 選択できるコース | 対応エリア |
【通学コース】 | ・高認通学コース | 全国対応 | |
約650,000円~1,200,000円 | ・高卒認定コース | 全国対応 | |
入塾金: 100,000円 | 一人ひとりに合ったカリキュラムを構築(高卒認定試験対策にも対応可能) | 全国対応 | |
約130,000円~350,000円 | ・完全合格コース | 全国対応 |
通学して高卒認定の試験対策がしたいのか、それともインターネットを活用して自宅で学習を進めたいのかなど、自身の学習ニーズによっておすすめの予備校は異なります。
また、予備校によって必要な学費にも大きく差があるため、予算に合わせて複数の選択肢から比較することが重要です。
上記で挙げた予備校のうち「四谷学院」は唯一、通学・通信の両方で高卒認定専門のコースがあります。高卒認定取得後の大学受験まで、包括的なサポートを受けることも可能です。
また、高卒認定試験の対策に特化した予備校を詳しくチェックしたい方は、「おすすめ予備校一覧ページ」も参考にしてみてください。サポート体制や学習環境・大学受験対策などを点数化し、複数の予備校をわかりやすく比較しています。
高卒認定試験に関するよくある質問
最後に、高卒認定試験に関してよくある以下の質問に回答します。
- ・高卒認定試験の難易度は?「簡単すぎ」と聞くけど本当?
- ・高卒認定試験の受験に費用はかかる?
- ・高卒認定試験は何歳から申し込める?
- ・高卒認定試験はどこで受ける?
ぜひ解決の参考にしてください。
高卒認定試験は「簡単すぎ」と聞くけど本当?
高卒認定試験の難易度についてインターネット上でリサーチすると、「簡単すぎ」という意見が散見されます。試験問題自体の難易度が比較的低いことや、一度合格した科目は免除される免除制度の存在などを理由に、「簡単すぎ」と表現されるケースが多いようです。
しかし直近の高卒認定試験の合格率は約45%〜47%で推移しており、それほど高い数字ではありません。
合格者の半分が不合格となる事実を考慮すると、十分な試験対策が必要な難易度です。
高卒認定試験の受験に費用はかかる?
高卒認定試験を受験する際に必要な受験料を、以下の表にまとめました。
受験科目数 | 受験料 |
7科目~9科目の場合 | 8,500円 |
4科目~6科目の場合 | 6,500円 |
1科目~3科目の場合 | 4,500円 |
参考:文部科学省 高等学校卒業程度認定試験 概要・パンフレット等
合格に必要なすべての科目を受験する場合、必要な受験料は8,500円です。
免除となる科目が存在する場合は、科目数により受験料が割引されます。割引後の受験料については、上記の表を参考にしてください。
高卒認定試験は何歳から申し込める?
高卒認定試験における受験資格は、16歳になる年度から付与されます。
ただし18歳未満で合格した場合、高卒認定試験の合格者として扱われるのは満18歳の誕生日からです。18歳未満で受験する方は、合格してすぐに資格が取得できる訳ではないため注意しましょう。
高卒認定試験はどこで受けられる?
高卒認定試験の会場は、各都道府県ごとに1箇所ずつ指定されています。
受験者の現住所や本籍地に関わらず、任意の会場を指定して受験が可能です。過去には高等学校や専門学校・大学のキャンパス・商工会議所などが高卒認定試験の受験会場として指定されてきました。
2024年度に開催される第1回高等学校卒業程度認定試験の会場案内図は、2024年7月下旬頃に公表予定です。文部科学省の公式サイトで詳細を確認しましょう。
まとめ
今回は、2024年度最新版の高卒認定試験について、試験科目や免除制度・合格率などの概要を中心に解説しました。
高卒認定試験は、2024年度から試験科目や出題範囲が変更されます。従来と異なる受験対策が必要となるため、本記事を参考に変更されるポイントをしっかりチェックしておきましょう。
また、高卒認定試験は毎年半分の受験者が不合格となる試験です。独学での対策が不安な方は、高卒認定試験に対応したカリキュラムを提供する予備校の活用をおすすめします。
高卒認定試験対策におすすめの予備校をチェックしたい方は、以下のページをぜひ参考にしてください。