大学進学・就職に高認資格取得の影響は?メリット・デメリットを徹底解説
高校への進学をあきらめたり、高校を中退してしまったりした人は、周囲の人から高認資格の取得をすすめられることがあるかもしれません。しかし、「せっかく高認資格を取得しても大学への進学や就職にどんなメリットがあるのかがわからない」「苦労して高認資格を取得する意味があるのか」と考えている人もいるのではないでしょうか。
そんな不安や疑問を抱えている人に向けて、ここでは大学進学や就職に高認資格取得がどんな影響があるのかをそれぞれのケースで解説します。この記事で解説するメリット・デメリットをよく理解し、自分にとって最善の方法なのかどうかをよく検討するようにしましょう。
高認資格取得後そのまま就職した場合は│決して高卒と同等ではない
高認資格を取得したからといって、就職が非常に有利になるわけではありません。注意しておきたいのは、「高認資格取得=高卒ではない」ということ。高卒認定は、「高卒者と同程度の学力がある」ということを証明するためのものです。高卒認定に合格しても履歴書の最終学歴は「中卒」のため、高卒資格が必要な求人に応募はできません。
もちろん、高認資格を取得したことへの努力を認めてくれる企業もあるでしょう。中卒者でも応募できる求人の中では、高認資格取得がよい影響を与える可能性があります。現代は、高認についての企業側の認識も高まりつつあるため、高卒とは決して同等ではないものの、高認資格取得がデメリットとなることはありません。ただし、高認資格を取得すれば何もかもうまくいく……という過信はしないように注意しておきましょう。
高認資格を取得することで、一部の国家試験や公務員採用試験の受験資格を得られるのは、就職する人にとって大きなメリットです。試験用の勉強はもちろん必要にはなりますが、それらの試験に合格すれば、就職先での待遇アップが狙えます。
高認資格取得後、大学進学を目指す場合は│高校中退者は高認合格が必須
大学や専門学校に進学するためには、受験勉強をしなければなりません。しかし、その前段階として受験資格を得ることが必要です。この受験資格というのが、高校を卒業するということ。高校に進学しなかったり高校を中退したりした人は、この受験資格を得るところから大学受験がスタートします。
そのため、高認資格取得は大学・専門学校を受けるためには必須事項です。しかし、「実際に大学・専門学校に合格するか否か」については各学校の試験の点数がすべてのため、高認資格取得はメリットにもデメリットにもなりません。高認資格の取得は、大学受験の資格を得るためのスタートラインといえるでしょう。
高認資格を取得したことに満足せず、受験時に1点でも点数を上げ合格に近づけるように努力することが大切です。
高認資格取得後、大学進学をへて就職する場合は│企業サイドに伝える準備を
大学卒業後に就職する際、高認資格の取得が就職に大きな影響を及ぼすことはないでしょう。2013年に文部科学省が公表した「高等学校卒業程度認定試験合格者の企業等における扱いに関する調査の結果について」によると2010年における企業が採用試験において高卒認定資格について「学歴で差をつけない」「高卒と同等」と回答した割合は、43.6%。自治体では69.5%にのぼります。
大学卒業後に就職する際は、高認資格の取得が大きな影響を及ぼすことはないでしょう。しかし、高校を卒業したのではなく、高認資格を取得したことは履歴書で明らかです。志望者の人となりを知るため、その経緯や理由について企業サイドが尋ねてくることもあるかもしれません。
このとき、「高認資格を取得しよう」と考えた経緯や理由を自分なりの言葉で企業サイドに伝える準備をしておくようにしましょう。さまざまな背景がありつつも、自分なりに道を切り開いてきたことが理解してもらえれば、就職活動上のメリットになる可能性もあります。