高校中退からの高卒認定試験、不登校の場合を考えてみた

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文部科学省は高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)について「さまざまな理由で、高校を卒業できなかった人」のための制度であると説明しています。この言葉を広く理解すると、「高認は不登校になった子供の受け皿になりえる」と考えることができそうです。しかし、安直に「高認があるから高校に行かなくてよい」と考えることは、よいこととは言えないようです。「高認と不登校」について考えていきます。

高認は不登校になってしまった子供の受け皿になります

高認は、そもそも高校に進学しなかった中卒の人や、高校に進んだものの中退してしまった人を想定してつくられた制度です。高認の8~10科目の試験にすべて合格すると、文部科学省から「高校を卒業した人と同等以上の学力がある」と認定され、大学入試を受ける権利を獲得することができます。

学校でいじめられている子供は、「地獄の苦しみ」を味わっています。そのようなストレスを受けるくらいなら、学校を辞めて自宅学習したり予備校に通ったりして高認に挑戦したほうがよいかもしれません。学校に通うことだけが人生ではないですし、学校以外でも学び続けることはできます。文部科学省もそう考えて、高認を用意しているわけです。

「高認の落とし穴」を指摘する声も

高認は不登校の子供の受け皿になりますが、教育の専門家のなかには「高認の落とし穴」に注意を呼び掛ける人もいます。例えば、「からかい」程度の、極々軽度のいじめであれば、それに立ち向かって解決したほうが、子供のためになるかもしれません。

それは、学校では、自宅学習や予備校では学べないことを教わることができるからです。自宅学習では集団生活や友達との協調を学ぶことができません。予備校は勉強がメインになるので、部活をすることも、道徳的な指導や生活指導を受けることもできません。

そのため、「高認があるから、学校が嫌になったら辞めればいいや」と安直に考えることはおすすめできません。あくまで、学校に行くことを優先して、どうしても学校に行けない場合に高認を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

残念ながら、学校にはさまざまな問題や不条理なことが存在します。正視に耐えない悲惨なことも起きています。自分の身を守るために、そして自分の子供の心と体を守るために、学校に通うことを中断して高認に挑戦することは「よいこと」といえます。

しかし、学校で学べることはたくさんあり、学校でしか学べないことも少なくありません。「学校か高認か」の選択は、子供ひとりでは決められないでしょう。保護者も一緒になって、ときに周りの頼れる人に相談しながら「最善の答え」を出すようにしてください。

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