高校中退(中卒)でも高卒認定資格(高認)を取れば行政書士になれる?
行政書士とは、官公署などに提出する書類を他人から依頼を受けて代理で作成、申請することで報酬を得る仕事です。
手に職をつけられることで人気のある仕事ですが、中卒でも行政書士になることは可能なのでしょうか?
行政書士の試験は中卒でも受験可能
行政書士は行政書士法に基づく国家資格であり、都道府県で年に1回行う行政書士試験に合格する必要があります。
行政書士試験は年齢、学歴、国籍に制限がないため、中卒でも受験することができる、数少ない国家資格の1つです。
法律を勉強するのはかなりの努力が必要になりますが、将来に独立できる可能性を考えると、チャレンジする価値はあるといえるでしょう。
行政書士試験の難易度とは?
試験内容は「行政書士の業務に必要な法令等」と、「行政書士の業務に関する一般知識等」を問います。
出題形式は、法令科目全46問のうち3問が記述式で、それ以外は5つの選択肢から選ぶ択一式です。
記述式の配点が60点と高いため、ここをきっちりと正解できるかが合否の分かれ道といえます。
また、合格率は平成20~25年度で6~10%を推移していましたが、近年の5年間から徐々に上がり、29年度では15%に達しています。
10%前後の合格率は資格試験の中でも難関といえますが、受験者に制限を設けていないため、「とりあえず」受験する人も多く、合格率を下げてしまうのが現状です。
行政書士試験は幅広い知識が必要になるので決して簡単とはいえませんが、真面目に試験勉強に取り組めば合格できる試験といえます。
高卒認定試験を受験することのメリット
行政書士試験は学歴不問ではありますが、中卒のまま受験するよりも、高卒認定試験(以下高認)を取得することをおすすめします。
一般知識問題の対策になる
法令科目は大学で法律を学んでいない限り、はじめて勉強するのが一般的であり、誰しも同じ条件といえます。
一般知識に関しては、日本史、世界史、現代社会などの暗記系から、現代文の読解スキルが必要になる、長文の穴埋めといった問題が出題されます。
つまり、高校で学ぶ勉強の知識が一般知識の試験で必要になるため、高認の勉強をすることで自然と対策につながるのです。
大卒、高卒との学力差を埋めるためにも、高認を受験しておくことは大きなメリットといえるでしょう。
就職に有利になる
司法書士の試験に無事合格したあとは、行政書士法人の事務所に就職して実務経験を積むのが一般的です。
行政書士の資格が学歴不問であることから、学歴不問で求人を出している事務所も多くあります。
しかし、「高卒、もしくは同等の学力を持つ者」という学歴を応募条件に設定している事務所があるのも事実です。
就職先の選択肢を広げるという意味でも、高認は受けておいて損はないといえるでしょう。