中卒から薬剤師を目指すにはどうすればいい?必要な資格や学歴を解説
薬剤師とは、病気になったときなど、医師の処方箋を元に、お薬の調剤や管理、患者への服薬指導などを行なう国家資格です。いわばお薬に関するプロで、医療機関や調剤薬局だけでなく、最近ではドラッグストアや製薬会社・一般企業などで働くケースもあります。
薬剤師の国家資格を取得するには、高校卒業後に6年間の薬学教育が義務づけられており、中卒者にとって簡単な道のりではありません。しかし、一度資格取得すると一生第一線で働くことが可能になり、社会的地位も高く、大いに目指す価値のある資格といえるでしょう。
この記事では中卒者が薬剤師になるための方法を解説します。
中卒者が直面する最初のステップ:高卒資格の取得
中卒者が薬剤師を目指す場合、最初の壁になるのは学歴です。国家資格取得のための専門教育を受けるには、まず高等学校卒業資格を取らなければなりません。
そのためには、高校に進学する方法もありますが、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)を受験し、高卒の資格を取る方法があります。
高卒認定試験とは、高校を卒業した人と同等の学力があると認めてもらう試験です。満16歳以上の人ならだれでもチャレンジできる試験で、年に2回実施。中卒者や高校中退した人など、幅広い人を対象としています。
中卒者が高卒認定試験に挑戦するメリットは、高校を卒業した人と同様に、大学・専門学校などへの進学が可能になるほか、高卒以上が対象の各種資格試験や就職時の入社試験も受験できるようになることです。
薬学部入試の概要
高卒の資格が取得できたら、6年間の専門教育を受けなくてはいけません。
具体的には、6年制の薬学部に進学するか、4年制の薬学課程を卒業後に大学院に進学して、国家試験の受験資格を取得します。
薬学部は国公立大学・私立大学とも多くの大学に設置されています。国公立であれば大学入学共通テストを受験後、大学の個別学力検査を受験する流れになりますが、国公立・私立とも、一般入試やAO入試、推薦入試など、多彩な受験機会を設けているので、自分に合った入試方法を選ぶとよいでしょう。
国公立の個別学力検査や私立大学入試の場合は、3教科型(英語・数学・化学)の受験方式が主流となっています。
入試対策と学習計画の立て方
薬学部は人気もあり、倍率も難易度も高くなっているため、十分な入試対策が必要です。
まずは志望校の受験に必要な科目・範囲を確認し、志望校に合った参考書を選定して取り組みましょう。いきなり受験レベルの内容に着手するのではなく、高1の内容から順に苦手を作らないよう進めていきます。
まずは抜け・漏れを作らないように学習を進めること、志望校の受験内容に合った学習をすること、効率よく進めることを心がけ、各教科を時間配分して入試対策を行なってください。
自分ひとりでは入試対策が難しいと感じる場合は、予備校や塾を活用しましょう。
薬剤師国家試験への挑戦
6年間の専門教育を修了後は、いよいよ国家試験への挑戦が待っています。薬剤師の国家試験は約70%程度の合格率があり、決して低くはありません。
試験内容は物理・化学・生物のほか、衛生・薬理・薬剤などの専門的な理論問題・実践問題を問われるものとなっています。
合格にはもちろん十分な準備が必要ですが、専門課程の中で国家試験対策も行われます。大学等で学びながら、しっかりと受験対策をしておきましょう。
まとめ
中卒者が薬剤師になることは、非常に厳しい道のりになります。目標を達成するには、まず高等学校の卒業資格を取得し、6年間の専門教育を学べる大学に進学後、国家試験に合格しなくてはなりません。
しかし、薬剤師を目指せる方法はあり、不可能な道ではありません。実現には持続的な努力と情熱が成功の鍵となります。強い意志を持って、ぜひチャレンジしてください。