中卒の人が高認に合格して専門学校に行く価値とは
高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)と聞くと、中卒の人が大学に行くために受ける試験、とイメージするのではないでしょうか。しかし、専門学校に入るのにも、高卒の資格が必要です。中卒の人はそのままでは専門学校に行けませんが、高認に合格すれば入学の道が拓かれます。
中卒の人は、仕事の選択肢が限られたり、給料が少なくなったりします。専門学校でスキルと学歴を身につければ、別の仕事を探しやすくなり、給料アップも期待できます。中卒の人にとって、高認合格は「明るい未来」になるかもしれません。
専門学校に行くには「高卒」でなければならない
専門学校に入るには原則、高校を卒業する必要があります。しかし例外的に、中卒の人でも高認という試験に合格すれば、専門学校に入る資格を得ることができます。高認は文部科学省が行っていて、国語、数学、理科、社会、英語から8~10科目(選択の仕方によって科目数が変動)の試験を受けることになります。8~10科目すべてに合格すると「高認合格」になります。
専門学校とは
専門学校では、特定の職業に就くことを目的とした教育を受けることができます。「特定の職業」には、建築、土木、自動車、機械、IT、コンピュータ、プログラム、ゲーム、美容、販売、ファッション、医療系、デザイン、観光など、さまざまな種類があります。
専門学校では実習が重視されます。学生たちは実際に体を動かして仕事を学びます。そのため企業は、専門学校を卒業した人を「即戦力」として期待します。専門学校を卒業すると、自分が望む職種に、よい条件で就職できる確率が高くなります。
専門学校に通う期間は2年間が多いのですが、1年、3年、4年の専門学校もあります。専門学校の学費は、学校によってまちまちですが、2年間で大体200万~300万円ほどになります。
収入を上げるには「回り道」も重要
日本経済新聞によると、「35~39歳」の男性の学歴別平均年収は次のようになっています。
・中卒:350万円
・高卒:500万円
・高専・短大卒:500万円
・大卒:650万円
専門学校は「高卒」や「高専・短大卒」とほぼ同格なので、35~39歳年収は500万円程度と理解してよいでしょう。中卒の人が専門学校を卒業すると、年収が150万円(=500万円-350万円)増えるイメージです。専門学校の学費は2年間で200万~300万円ほどですが、数年で元が取れる計算になります。
大卒の年収はさらに高額になるので、さらに高額年収を求める人は、大学を視野に入れるとよいでしょう。中卒の人が公認に合格すれば、大学入試を受けることができます。ただ、大学入試は高認より難しいので、受験勉強は最低でも1年は必要です。3年かかることも珍しくありません。専門学校にも選考試験はありますが、大学入試よりは簡単です。
「高認合格」は「高卒」ではない
中卒の人が高認から専門学校を目指すとき、「高認合格は高卒ではない」点に注意してください。高認に合格しても、専門学校や大学の入学選考を受ける資格を得るだけで、高校を卒業したことにはなりません。中卒の人が高認から専門学校に入って卒業すると、学歴は「中卒、高認合格、専門学校卒」となります。
まとめ
日本は学歴社会なので、中卒の人が社会に出ると、いろいろな苦労に直面します。専門学校は有力な学歴となるだけでなく、文字通り専門的な内容を「みっちり」教わることができます。「中卒、高認合格、専門学校卒」は学歴アップとスキルアップ、そして給料アップの3つの向上を期待することができます。