高校生の引きこもりはいつ終わる?原因と回復への道筋

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高校生の引きこもりは、本人だけでなく家族にとっても大きな悩みです。いつ終わるのか、どのように対応すべきかを知りたい方も多いでしょう。引きこもりは決して「人生の終わり」ではなく、適切な理解とサポートがあれば、必ず次のステップへ進むことが可能です。

本記事では、高校生の引きこもりの実態や原因、親としての適切な対応などについて詳しく解説します。家族に引きこもりの高校生がいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。

高校生の引きこもりはいつ終わる?実態と統計データ

女性

自分の子どもが自室に閉じこもっていると、親としては不安になるでしょう。統計データを見ると、多くの高校生が同じような壁に直面していることがわかります。

まずは、文部科学省や内閣府の調査をもとに、高校生の引きこもり・不登校の実態について解説します。

引きこもり高校生の割合

文部科学省が令和5年度(2023年度)に実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、国公私立高校における不登校生徒数は約6万9,000人に達しています。これは在籍生徒全体の約2.3%にあたり、過去最多を更新し続けている状況です。

引用:文部科学省|令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

また、内閣府が令和4年度に実施した「こども・若者の意識と生活に関する調査」では、15歳~19歳の層において、広義の引きこもり状態にあると回答した割合は21.5%にのぼりました。

引用:内閣府|令和4年 こども・若者の意識と生活に関する調査

これらの数字からいえるのは、高校生の引きこもりは決して珍しいことではなく、誰にでも起こりうる、そして社会全体で支えるべき課題であるということです。

高校生の引きこもりはいつ終わる?

高校生の引きこもりがいつ終わるかは、「心理的・環境的・家庭的な要因」によって大きく異なります。短期間で回復する場合もあれば、数年にわたり続く場合もあります。引きこもり状態から脱出するには、本人のペースを尊重しつつ、回復のきっかけを待つことが大切です。

また、無理に学校へ戻そうとせず、家族や支援者が寄り添いながら安心できる環境を整えることが、回復をあと押しする大切なポイントです。

高校生の引きこもりが長期化してしまう主な原因

引きこもり

先述したとおり、引きこもりが長期化する背景には、心理的・環境的・社会的な要因が複雑に絡み合っています。本人が「甘えている」のではなく、心の不安や体調の不調で動けない状態であると理解することが、解決への第一歩です。

ここからは、長期化を招く主な3つの要因について解説します。

心理的要因

高校生は、自分の将来やアイデンティティに敏感になる時期です。そのため、「良い大学に行かなければ」「失敗してはいけない」といったプレッシャーが、本人のやる気を下げてしまうことがあります。

また、SNSなどを通じた友人関係の希薄化や、周囲と自分を比べて落ち込むことも、自己肯定感の低下につながります。一度学校を休むと「クラスメイトにどう思われているか」「周りに遅れてしまった」という不安が強まり、外に出ることに対する不安が少しずつ大きくなってしまうのです。

環境的・身体的要因

学校生活におけるいじめや部活動での人間関係、学業の行き詰まりなどは、引きこもりのきっかけになりやすい要因です。

また、特に注意したいのが「起立性調節障害(OD)」などの身体的な不調です。自律神経の乱れで朝起きにくくなったり、立ちくらみが起きたりすることがあります。

しかし、こうした症状が周囲から理解されず、「怠けている」と誤解されると、本人は深く傷つき、学校や社会との距離を広げてしまう可能性があります。

社会・家庭的要因

家庭のなかでの人間関係や親子のかかわり方も、引きこもりに影響することがあります。例えば、家族への不満やストレスが積み重なることで、徐々に自室にこもるようになる場合があります。また、特定のきっかけがなくても、少しずつ外の世界との距離を置くようになるケースも少なくありません。

このように、引きこもりが長期化する背景には、複数の要因が絡み合っています。そのため、本人を責めるのではなく、理解し寄り添うことが大切です。

高校生の引きこもりが回復するきっかけとサイン

回復の一歩を表すイメージ

引きこもりの状態から少しずつ回復するには、本人の気持ちが変わるタイミングや環境の変化、小さな行動の積み重ねが大切です。

ここからは、回復に向かうきっかけと、その変化に気付くサインについて見ていきましょう。

立ち直る主なきっかけ

引きこもりからの回復は、急に大きな変化が起こることは稀であり、小さな成功体験の積み重ねが重要です。例えば、起床時間が改善して朝日を浴びられるようになったり、家の外に出て散歩ができるようになったりするだけでも、心身のリズムを整えるきっかけになります。

また、家族関係が少しずつ改善したり、本人が安心して相談できる第三者(支援者やカウンセラーなど)に出会えたりすると、心理的な負担が軽減されることもあります。さらに、無理なく通える居場所を見つけることも大切な要素です。

フリースクールや塾、通信制高校など、自分のペースでかかわれる場所との出会いが、外の世界との距離を縮めるきっかけになる場合があります。こうした一つひとつの前向きな変化が積み重なることで、回復への道が開かれていきます。

回復のサイン

回復のサインは、行動や言葉の些細な変化として現れることが多いです。例えば、以前よりも外出の回数が増えたり、家族や友人との交流を試みるようになったりする様子が挙げられます。

また、「暇だな」「何かしたい」といった言葉が自然に出てくるようになるのも、前向きな気持ちが芽生えはじめているサインの1つです。日常のなかで自分を肯定する言葉が増えたり、勉強や進路について関心を示したりするようになるのも、回復に向かっている兆しといえるでしょう。

こうした小さなサインを見逃さず、本人の変化を丁寧に受け止めることが、次の一歩を支えるヒントになります。

親としてどう対応すべき?見守りと支援の方法

親子で向き合うイメージ

高校生の子どもが引きこもってしまった場合、焦って行動すると親子関係が悪くなってしまうことがあります。親として、子どもの感情を汲み取り、冷静に行動を起こすことが大切です。

次に、引きこもりの高校生に対して、親が取るべき適切な行動を紹介します。

まずは「見守る」姿勢が大切

引きこもりから回復する第一歩として、まずは冷静に見守りましょう。子どもには自分のペースがあり、無理に外に出そうとするとストレスになってしまいます。生活リズムの乱れを指摘しすぎず、少しずつ改善できるようにサポートする姿勢が大切です。

例えば、起床時間や食事のタイミングを整える程度からはじめるなど、小さな変化を見守ることが、本人の安心感につながります。また、趣味や興味を持っていることを一緒に話題にするなど、日常の些細なかかわりを大切にすることも、回復の支えになります。

やってはいけないNG対応

親として、ついやってしまいがちな行動には注意が必要です。強制的に学校へ連れて行こうとしたり、「甘え」「努力不足」といった言葉で責めたり、「いつまで引きこもりを続けるのか」と直接問い詰めたりすることは、逆効果になる可能性があります。

このようなかかわり方は、子どもの不安や自己否定感を強め、回復のハードルを高くしてしまうことがあります。また、本人が心を閉ざしてしまい、親に対して悩みを打ち明けにくくなる原因にもなるでしょう。そのため、焦らずに「穏やかに見守る姿勢」を意識することが大切です。

効果的な支援のタイミングと方法

回復の兆しが見えてきたら、小さな提案からはじめましょう。例えば、外出の誘いや勉強への参加を軽く提案するなど、プレッシャーをかけずにかかわることがポイントです。また、信頼できる第三者(カウンセラーや支援機関)を紹介して、本人が相談できる環境を整えることも有効です。

進路に関しては、通信制高校やフリースクール、高卒認定試験など、子どもに合った選択肢をさりげなく伝えると安心感が生まれます。大切なのは、子どもが自分で選び、少しずつ行動できるように支える姿勢です。こうして寄り添いながら支援することで、回復への道が少しずつ開かれていきます。

高卒認定試験の概要とメリット

学び直しを表すイメージ

高校に通えない、あるいは中退してしまった場合でも、将来の進路をあきらめる必要はありません。高卒認定試験は、高校卒業と同等の学力を証明できる国家試験であり、進学や資格取得の道を広げる手段の1つになります。

最後に、高卒認定試験の概要や効率的な取得方法について解説します。

高卒認定試験とは?

高卒認定試験は、文部科学省が実施する国家試験で、合格すると高校卒業と同等の学力があることを証明できます。試験は年2回(8月・11月)に実施されており、科目合格制が採用されているため、一度合格した科目は次回以降免除されます。

試験科目は8~10科目程度で、国語・数学・英語・理科・社会など、高校で学ぶ基本的な内容が中心です。独学での合格も可能ですが、科目数が多いため、計画的に学習を進めなければ途中で負担が大きくなりやすい傾向があります。

そのため、自分に合った学習方法を選び、無理のないペースで取り組むことが大切です。

不登校・高校中退者にとってのメリット

高卒認定試験の最大のメリットは、高校に通わなくても「高卒と同等の学力」を証明できることです。資格を得ることで、大学や短期大学、専門学校などへの進学が可能となります。

さらに、高卒認定試験の合格者は、大学受験資格だけでなく、多くの国家資格(看護師や栄養士、保育士など)や公務員試験の受験も可能です。高校に通えなかった場合でも、将来の選択肢を広げる機会を得られる点は、親としても安心できるポイントといえるでしょう。

また、社会人になってから挑戦する場合でも、高卒認定の資格を持っていることで、就職や資格取得の幅が広がります。学び直しの成果が形として残ることで、本人の自信につながりやすい点も大きな魅力といえるでしょう。

高卒認定を取得する効率的な方法

高卒認定試験は、独学でも合格を目指せます。しかし、科目数が多いため、学習計画を立てることに難しさを感じる場合があるでしょう。特に、勉強の習慣が途切れがちな場合や、苦手科目がある場合は、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。

そのような場合には、予備校や塾を活用するという選択肢があります。専門の講師による個別指導や、過去問を中心とした効率的なカリキュラムで学べるため、短期間で合格を目指すことが可能です。

また、学習ペースの管理や定期的なサポートがあることで、本人の負担を軽減し、学習へのモチベーションを維持しやすくなります。

まとめ

高校生の引きこもりは決して珍しいことではなく、心理的・環境的・家庭的要因が複雑に絡み合っています。親が取るべき行動として大切なのは、焦らずに見守り、回復のサインを見つけながら支えることです。

また、高卒認定試験などの学び直しの道があることを知るだけでも、本人や家族に安心感と希望を得られるでしょう。高卒認定試験への合格を目指すのであれば、塾や予備校に通うのがおすすめです。

こうした環境では、学習面だけでなく、精神面でのサポートも行うため、社会復帰の一環にもなります。高校生の引きこもりに悩んでいる方は、サポートの1つとして検討してみてください。

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