中卒の就職率の実態は?採用を勝ちとる方法って何?
高校を中退したり、高校への進学をあきらめたりした人の最終学歴は「中卒」です。中卒で就職しようとする場合、「実際にどのくらいの就職率なのだろう」「中卒で採用されるためのポイントは?」といったことが気になっている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、中卒の就職率の実態や採用を勝ちとる方法について、わかりやすくお伝えしています。あなたの将来を確かなものにするためにも、ぜひ参考にしてください。
中卒の求人数は高卒の求人数の0.4%
厚生労働省が取りまとめた令和元年度の「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」(令和2年3月末時点のデータ)では、高校や中学を卒業した生徒がハローワーク求人においてどのような状況にあるかを示しています。
同データによると、高校新卒者(高卒)の就職内定率は99.3%(前年同期比-0.1ポイント)、中学新卒者(中卒)の就職内定率は84.4%(前年同期比+3.2ポイント)でした。このパーセンテージだけを見るとさほど差がないと感じるかもしれません。
しかし、高卒の求人数が約48万4,000あるのに対して、中卒の求人数は1,696にとどまっています。これは、高卒の求人数の約0.4%に過ぎません。令和2年度の同データ(令和2年10月末時点)では、さらに厳しいものになっています。
高卒の求人数は、約37万で前年同期比20.7%の減少。中卒になると、求人数はわずか866人で前年同期比9.2%の減少です。中卒の求人数は、高卒の求人数の約0.2%となっています。
企業が中卒の採用に積極的にならない理由
上記の数値から、企業が中卒の採用に積極的ではないことがよくわかるでしょう。これは、「高校中退者の離職率が高い」といった統計をもとに、中卒者の採用を想定していなかったり、書類選考で落としたりするパターンが多いからです。
企業側としては、高校中退や高校進学を断念した理由を以下のように憶測するしかありません。
・勉強に積極的ではなく、学ぶ姿勢がないのではないか
・学ぶ意欲がないのではないか
・長く勤める根気がないのではないか
もちろん、中卒者の皆がこうした問題を抱えているわけではありません。やむを得ない理由で高校を辞めなければならなかった人も多くいますが、こうした事情は履歴書ではわからない情報です。
では、中卒に対する企業側の懸念を打ち砕き、採用を勝ちとるためにはどうすればよいでしょうか。
中卒が採用を勝ちとるための方法
まず、大事なのが面接の段階で企業が抱く「中卒者のマイナスイメージ」を取り払うこと。しかし、書類選考の段階で落とされるパターンも多いので、高卒認定試験(以下、高認)に合格したり専門的な知識・技術などを身につけたりして、履歴書に記載できるようにすることがおすすめです。
高認は、文部科学省が実施している資格試験。合格すると、「高卒と同程度の学力」を有していると認められることになります。最終学歴が「高卒」になるわけではありませんが、学ぶ意欲があり、継続的な努力ができることをアピールすることが可能です。
また、高認に合格することで大学や短大、専門学校などの受験資格を得ることもできるので、専門職を目指す人のステップアップの方法としても適しているでしょう。高認などで資格を得ることだけでなく、書類の書き方や面接での受け答え、服装などに配慮することも、もちろん大切です。