中学で中退はできる?できない?中学卒業後の進路について解説

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何らかの理由で中学校での中退をお考えの方もいるかもしれませんが、中学校までは義務教育になるため、中退をすることは一般的にできません。

そのため、何らかの形で「中学を卒業」することになります。

しかし、そのまま中学を卒業しても、そのあとどうすればいいのか悩む人もいるかもしれません。

この記事では、中学校を中退できない理由や、中学卒業後の進路について解説します。



中学で中退になると学歴はどうなる?

様々な理由で中学校の中退を考えている人もいるかもしれません。

もし、中学校で中退をするとどうなるのでしょうか?

実は、公立中学校なのか私立の中学校なのかで中退の扱いが少し変わります。

まずはその違いについて解説します。

公立中学校の場合

前提として、日本においては小学校・中学校までは義務教育となっています。

「権利」ではなく「義務」であるため、公立中学校を中退、つまり退学することは一般的には認められていません。

第二十六条 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。

② 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあつては、学長の委任を受けた学部長を含む。)が行う。

③ 前項の退学は、市町村立の小学校、中学校(学校教育法第七十一条の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。)若しくは義務教育学校又は公立の特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。

第二項の停学は、学齢児童又は学齢生徒に対しては、行うことができない。

昭和二十二年文部省令第十一号学校教育法施行規則

そのため、公立中学校においては一度も通学していないとしても、何らかの形で卒業となるのか、転学となるのかさまざまな対応が行われます。

基本的に中学卒業となるため、学歴は「中卒」という扱いになります。

私立中学校の場合

一方、私立中学校においては、公立中学校では行われない「退学勧告」が行われることがあります。

学校の規則を守らない、通学に伴い著しい問題があるなどの場合は、退学勧告がされる可能性があります。

しかし、その場合でも大前提として中学校までは義務教育となるため、「他の公立中学校への転校」「他の私立中学校への転校」が実施されます。

こちらも公立中学校と同様に、学歴は「中卒」という扱いになります。        

中学校の中退を考えていたときの進路はどうすべきか

私立中学校以外は退学になることは一般的にはありませんが、中学校の中退を考えている時点で、学校の授業にも追いつけてないというケースがあるのではないでしょうか。

中学校卒業後の一般的な進路としては以下になります。

・高校に進学する

・定時制高校に進学する

・就職をする

義務教育は中学校までなので、中学卒業後は就職をして働き始めることも可能です。

しかし、中卒で働ける職場は多くなく、また待遇の面でも高卒や大卒と比べると低い傾向にあります。

そのため、一般的にはそのまま他の中学校に転校してまずは高校に進学することがおすすめです。

就職をしながら高認試験を受験する選択肢も!

不登校や学校の授業に追いつけず、高等学校への進学が厳しい場合、そのまま中卒で就職するケースもあります。

しかし、そこで高校卒業への進路をあきらめる必要はありません。

日本には高認(高卒認定試験)と呼ばれる試験があり、この試験に合格をすると「高校を卒業した」扱いになるため、学歴も中卒から高卒に変更されます。

高認試験は16歳から受験可能であり、中学卒業をするのが15歳になるため、中学卒業から1年後を目安に高認試験を受験することが可能です。

高認試験の概要振り返り

認試験とは、高等学校を卒業していない人などに対し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力を認定する学力試験です。正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」といい、略して「高認試験」とも呼ばれます。文部科学省が実施している国家試験です。

試験は、国語、数学、英語、地理歴史、公民の5教科からなり、各教科100点満点で、5教科の合計で500点以上を取得すると合格となります。

受験資格は、受験する年度の3月31日までに満16歳になる人です。高等学校等に在籍している人も受験が可能です。

高認試験に合格すると、大学や専門学校への進学、就職、資格の取得など、高校卒業と同等の学歴に基づくさまざまな進路選択が可能になります。

高認試験は、高校を卒業できなかった人にとって、学歴や就職の選択肢を広げるチャンスとなる試験です。

以下に、高認試験のメリットをまとめます。

・大学や専門学校への進学が可能になる

・就職の選択肢が広がる

・資格の取得が可能になる

・社会人としての基礎学力を身につけることができる

高認試験に興味がある人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 まとめ

一般的に、中学校を中退することはできません。

しかし、何らかの理由で中学に全く通えていない人にとって、中学卒業後の進路をどうするのか迷う人は多くいます。

中卒となると、高卒以上を条件としている職業につけないなど、様々なリスクがあります。

もし、中学卒業後にどのような進路に進むかお悩みの方は、高認試験の受験を検討してはいかがでしょうか?



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