高卒認定試験(高認)の免除制度とは?
高卒認定試験(高認)合格の道のりは遠い、一発合格は難しいといわれていますが、何度受験しても合格できないと悩む方も少なくありません。
ここでは「高認取得の近道」などといわれる「免除制度」について説明します。
科目免除とは
高認の受験申し込みをする際、条件をクリアしていれば全科目を受験する必要がない場合があります。
- ・高校在籍中もしくは高等専門学校で修得した単位がある場合
- ・大検はまたは高認の過去の受験で一部科目に合格している場合
- ・技能審査等に合格している場合
これらの修得を証明できる書類を提出することで、それに対応する科目が免除されます。「免除=合格」と同等とみなされるので、受験する科目を減らすことができます。
受験生の多くは、複数回高認を受験し、少しずつ科目合格を増やし、高認取得を目指すという戦略を取る方もいることでしょう。また高校に在籍していたころの単位が条件を満たしていれば、科目免除となる場合もあります。
科目免除の要件や必要単位に関しては、文部科学省の高等学校卒業程度認定試験の案内コンテンツに掲載されているので、必ずチェックしましょう。
自分が科目免除になっているのかどうやったら調べられる?
過去に大検(旧大学入学資格検定)や高認を受験し科目合格を有している場合は科目合格通知書を準備しましょう。ここで科目免除となる科目をチェックすることができます。
高等学校もしくは高等専門学校に在籍し、年次途中で中退した場合は、文科省のサイトから自分の入学年に見合った「単位修得証明書」をダウンロードし、在籍していた学校から証明を受ける必要があります。ここで単位取得が条件を満たしていれば「科目免除」が認められます。
在籍していた学校が遠方にある場合は、事務室もしくは教務担当者に電話で郵送請求の手順を問い合わせ、書類の発行を依頼することをおすすめします。
単位取得証明書がダウンロードできるコンテンツの中には、発行依頼のための趣意書・手順書も同時にダウンロードできます。こちらも合わせて送付しましょう。
特定の検定に合格していても科目免除になるって本当?
かつての履修内容だけでなく、特定の検定に合格することで科目免除になることがあります。代表的なものは下記の例があります。
- ・「歴史能力検定(世界史2級以上)」→世界史Bの科目免除
- ・「歴史能力検定(日本史2級以上)」→日本史Bの科目免除
- ・「実用数学技能検定(2級以上)」→数学の科目免除
- ・「実用英語技能検定(英検・準2級以上)」→英語の科目免除
- ・「全国商業高等学校協会主催 英語検定試験(2級以上)」→英語の科目免除
- ・「国際連合公用語英語検定試験(国連英検・C級以上)」→英語の科目免除
こちらの検定試験に合格することで、高認の科目免除が得られます。受験申込時に合格証書の原本(コピーは不可)を準備し提出することが求められます。結婚などの理由によって、合格証書に記載の氏名や本籍地が異なる場合は、戸籍抄本を取り寄せ、本籍や氏名の変更の経緯が分かるように示す必要があります。
中でも、数学技能検定2級合格や英検準2級合格は、年に3回受験でき、一番身近な科目免除要件といます。参考書も数多く出ているため、試験の傾向もつかみやすく勉強範囲が絞れることが魅力です。同時進行で勉強していくことをおすすめします。
初めて高認を受験する方はもちろん、何度目かのチャレンジという方でも「1科目でも少ない受験でプレッシャーを軽くしたい」と考えるのが自然です。
また、高校を中退した方は、要件に満たなくとも必ず単位取得証明書をもらい受けましょう。不足単位がある場合、「科目履修生」として通信制高校などで必要な単位を補うことで「科目免除」を受ける道も開けてきます。