中卒で働くか高卒まで頑張るか│各メリット・デメリットを解説
「高校に進学したものの何となく合わない」「そもそも高校に進学するかどうかで悩んでいる」という人もいるかもしれません。実際に、最終学歴が中卒と高卒ではどのような違いが出てくるのでしょうか。本記事では、最終学歴「中卒」「高卒」それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
中卒で働くメリット・デメリット
高校に進学しなかったり、高校を中退したりした場合の最終学歴は「中卒」となります。「中卒」で働くメリットは、いち早く社会に出て独り立ちできることです。「できるだけ早く親の干渉から逃れたい」「経済的に自立したい」という人にとっては大きな魅力に感じるかもしれません。また、とても若い段階で現場に出るため、実践的な技術を身につけなければならない職場では有利に働く可能性があります。
一方で、「高卒」に比べると「求人が圧倒的に少ない」という点はデメリットです。厚生労働省が発表した令和4年度の「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」によると、高校新卒者の求人数約42万5,000人に対して、中学新卒者の求人数は759人に過ぎませんでした。
もちろん、求職者数がそれぞれ約12万9,000人、686人という違いはありますが、選択肢が少ないという意味では大きなハンデです。また、職場で有利な資格取得を目指そうとしても、「中卒者」には受験資格がないケースもあります。
高卒で働くメリット・デメリット
高卒のメリットとして挙げられるのは、就職に際しての支援を受ける環境があり、内定をもらいやすい点です。さらに、求人を出す企業からは社会で必要とされる基本的な知識を身につけていると認識されやすく、中卒よりもハードルが一つ低くなります。職場で有利に働く資格を取得する際にも、「高卒」という受験資格を満たしているため、給与が上がる可能性が高まるでしょう。
一方で、最終学歴「大卒」と比較すると「初任給や生涯賃金が低くなりやすい」という傾向は否めません。さらに、キャリアアップの面でも満足のいく結果が出ない可能性があります。
最終学歴「中卒」でも「高卒」と同じようなメリットを得るためには
「大卒」と比較すると「高卒」でも給与面や待遇面で不満が残る可能性がありますが、「中卒」からすれば恵まれた環境といえるでしょう。中卒者が高卒者と同じようなメリットを得る方法としておすすめなのが、文部科学省が実施する高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)です。
高認を受験して合格すれば「高校卒業者と同程度の学力がある」と公に認めてもらうことができます。高認に合格しても最終学歴が「高卒」に変わるわけではありませんが、高卒程度の学力があることを証明でき、資格試験の受験資格を得ることができる点は大きなメリットです。
企業や自治体のなかには、高認合格者を高卒者と同じ扱いで採用するところも増えています。「中卒」で職に就いたものの、給与面や待遇面での改善を望んでいる場合は、ぜひ高認受験を検討してみてはいかがでしょうか。