高卒認定と通信制高校どっちが良い?両者の違いを徹底比較
「現状を変えたい」「将来のために高校卒業資格が欲しい」と考えたとき、「高卒認定の取得」もしくは「通信制高校に通う」のが有効な選択肢として挙げられます。
どちらも毎日通学する必要がなく、自分のペースで学習を進められる点が共通しています。しかし、学歴の扱いや資格を得るまでの期間、将来の進路への影響が大きく異なります。
そこで本記事では、不登校や高校中退、社会人から再出発を目指す方に向けて、高卒認定と通信制高校の違いを徹底比較します。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
高卒認定と通信制高校のどっちを選ぶか悩む人が多い理由
高卒認定と通信制高校のどちらを選ぶべきか悩む方が多いのは、「高校卒業資格またはそれに相当する資格を得たい」という目標は共通している一方で、個人の目的や置かれている状況によって向き・不向きが大きく異なるためです。
どちらも大学受験の資格を得られる点では共通していますが、「取得できる資格の性質」や「修了までにかかる期間」「卒業後の最終学歴」には明確な違いがあります。一見似ているように見えても、実態は大きく異なる選択肢といえるでしょう。
こうした違いを十分に理解しないまま選択してしまうと、「想定していた進路と合わなかった」「学習を継続できず途中で挫折してしまった」といった結果につながる可能性があります。
自分の目的や生活環境にどちらが適しているのかを見極めるためにも、それぞれの特徴や違いを正しく理解することが大切です。
高卒認定と通信制高校の基本的な違い
高卒認定と通信制高校のどっちを選ぶべきかを判断するために、まずは制度上の根本的な違いを整理して解説します。
高卒認定試験の概要と特徴
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が年2回(8月・11月)実施している国家試験です。合格することで、「高校卒業と同等以上の学力を有している」ことを証明できます。
試験は科目合格制で、合格した科目は次回以降も有効です。全科目に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が得られ、多くの就職や資格試験で高卒相当として扱われます。短期間で進学・就職への道を開ける点が大きな特徴です。
通信制高校の概要と特徴
通信制高校は、文部科学省に認可された高等学校の一形態です。自宅での学習(レポート提出やオンライン授業)と、年数日~数十日程度のスクーリング(対面授業)を組み合わせて単位を修得し、卒業を目指します。
学習ペースを自分で調整しやすいため、不登校を経験した方や社会人でも継続しやすい点が特徴です。一方で、高校卒業資格を取得するには、原則として最低3年以上在籍する必要があります。ただし、転入や編入の場合は、前籍校で修得した単位を引き継げるケースもあります。
最終学歴・履歴書への記載の違い
高卒認定に合格しても、「高等学校を卒業した」とは扱われません。そのため、最終学歴は「中学校卒業(中卒)」のままとなります。履歴書では、学歴欄に中学校卒業を記載し、資格欄に「〇年〇月 高等学校卒業程度認定試験 合格」と記載するのが一般的です。
一方、通信制高校を卒業した場合は、全日制高校と同様に「高等学校卒業(高卒)」となります。履歴書の学歴欄にも「〇〇高等学校 卒業」と記載できるため、最終学歴の扱いが異なります。
この違いは、就職活動において応募条件や選考に影響する場合があるため、進路を検討するうえで重要なポイントといえるでしょう。
高卒認定を選ぶメリット・デメリット
高卒認定は、短期間で進学・就職の選択肢を広げられる一方で、注意すべき点もあります。
ここからは、高卒認定を選ぶメリットとデメリットを整理して解説します。
高卒認定のメリット
高卒認定の最大のメリットは、取得までのスピードです。年2回実施される試験と科目合格制を活用すれば、最短で半年~1年程度で全科目合格を目指せます。通信制高校のように、原則として3年以上在籍する必要がない点は大きな特徴といえるでしょう。
また、通学の必要がなく、自宅で自分のペースに合わせて学習できる点も魅力です。外出が難しい方や社会人でも取り組みやすく、仕事や家事と両立しながら学習計画を立てやすい点が評価されています。
合格後は、大学・短大・専門学校への進学資格を得られるため、進学を目的とした選択肢としても有効です。
高卒認定のデメリットと注意点
高卒認定は「高等学校卒業資格」ではなく、「高卒相当資格」に位置づけられます。そのため、履歴書の学歴欄では中学校卒業の扱いとなり、高卒以上を応募条件とする求人には応募できない場合があります。就職を視野に入れている場合は、応募条件をあらかじめ確認しておくことが重要です。
また、試験科目数は8~10科目と多く、長期間勉強から離れている方にとっては、独学で学習を継続する難易度が高くなりやすい点にも注意が必要です。学習計画を立てられないまま進めてしまい、途中で挫折してしまうケースも見られます。
こうした負担を軽減し、効率的に合格を目指すためには、塾や予備校などの学習サポートを活用する方法も有効な選択肢といえるでしょう。
通信制高校を選ぶメリット・デメリット
通信制高校は「正式な高卒資格」を得られる点が強みですが、時間や通学に関する制約もあります。
次に、通信制高校を選ぶメリット・デメリットを整理して解説します。
通信制高校のメリット
通信制高校を卒業すると、全日制や定時制と同様に「高等学校卒業資格」を取得できます。履歴書の学歴欄にも高卒と記載できるため、高卒を応募条件とする求人に応募可能となり、就職面での選択肢が広がります。進学・就職のいずれにも対応しやすい点は、大きな強みといえるでしょう。
また、登校日数が比較的少なく、自宅学習を中心に進められるため、不登校を経験した方でも高校生活を再スタートしやすい環境が整っています。学習サポートやカウンセリング体制を備えた学校も多く、精神的な負担を抑えながら学習を継続しやすい点も特徴です。
このように、資格面と学習環境の両面で安心感を得やすいことが、通信制高校ならではのメリットといえるでしょう。
通信制高校のデメリットと注意点
通信制高校のデメリットとして挙げられるのは、卒業までに一定の時間がかかる点です。原則として最低3年以上の在籍が必要となるため、短期間で資格を取得することはできません。早期に進学や就職を希望する方にとっては、時間的な制約を感じやすい点といえるでしょう。
また、年数日~数十日程度のスクーリングが必須となるため、外出や対面授業に負担を感じる方もいます。居住地によっては通学距離が長くなったり、交通費が発生したりする場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。
さらに、自宅学習が中心となる分、レポート提出や学習スケジュールの管理など、全日制高校以上に自己管理能力が求められます。自身の生活環境や心身の状態を踏まえ、無理なく継続できるかを検討したうえで選択することが大切です。
高卒認定と通信制高校のどっちが向いている?
最後に、高卒認定と通信制高校の違いを踏まえ、どのような方がどっちに向いているのかを整理します。
自分がどちらに向いているのか、確認してみてください。
高卒認定がおすすめの人
高卒認定は、できるだけ早く次の進路へ進みたい方に向いています。大学・短大・専門学校への進学を最短ルートで目指したい方や、早期に就職や資格取得へ取り組みたい方にとって、有力な選択肢といえるでしょう。年齢や在籍期間の制約を受けずに挑戦できる点も特徴です。
また、長期間のスクーリングが難しい方や、不登校・引きこもりの期間が長い方にとっても、自宅学習を中心に進められる点は大きなメリットです。人との接触を最小限に抑えながら、自分のペースで学び直しを進めたい場合にも適しています。
独学に不安がある場合でも、高卒認定対策に対応した塾や予備校を活用すれば、学習計画の管理や苦手科目の対策など、継続しやすいサポートを受けることが可能です。
通信制高校がおすすめの人
履歴書に「高等学校卒業」と記載したい方や、高卒枠での就職を重視する方には、通信制高校が向いています。正社員採用や公的資格の受験条件で「高卒以上」が明確に求められる場合にも、対応しやすい点が大きな特徴です。
また、スクーリングや学校行事を通じて、少しずつ人とのかかわりを取り戻しながら社会復帰を目指したい方にとっても、通信制高校は安心できる環境といえるでしょう。1人で学習を進めるよりも、教員や同級生とのつながりを感じながら学びたい方に適しています。
担任やサポートスタッフの見守りを受けつつ、生活リズムを整えながら学べるため、卒業後の進学や就職まで含め、長期的な安定を重視したい方にも適した選択肢といえます。
まとめ
高卒認定と通信制高校は、どちらも高卒レベルの資格を目指せる制度ですが、取得までの期間や学歴の扱い、将来への影響は大きく異なります。
短期間で進学・就職を目指すなら高卒認定、正式な高卒資格を重視するなら通信制高校が適しています。
特に高卒認定は、独学では難しい面もあるため、塾や予備校を活用するのがおすすめです。塾や予備校であれば、目標に向けた効率的なカリキュラムで学びを進められます。自分の目的や状況に合った選択を行いましょう。
