中卒で取れる資格はある?通学や実務経験が大きなネックになる中卒者の資格取得

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中卒でも取得可能な資格はあるため、さまざまな資格試験にチャレンジできます。しかし、中卒では受験できない場合や、実務経験が資格取得の大きな壁になる場合もあります。今回は、中卒のまま資格が必要な職業を目指すルートと、そのメリットやデメリットについてご紹介します。

中卒で受験可能な資格は多い

働くうえで、資格がなければ就職できなかったり仕事ができなかったりする場合があります。例えば、医師になるには、大学の医学部を卒業して国家試験に合格しなければいけません。

資格によっては、受験資格が高卒や大卒になっているものもありますが、中卒でも取得可能な資格もあります。

以下の資格は、中卒で取得可能な国家資格の一例です。

保育士

中卒でも、一定の勤務経験があれば、筆記試験と実技試験に合格すると保育士免許が取得できます。国家資格なので、資格さえあれば保育所などで子どもに関わる仕事に携わることが可能です。

調理師免許

国家資格の一種で、飲食業界など幅広く活躍が期待できます。中卒でも、一定の実務経験があれば受験可能です。2016~2020年度の合格率(全国平均)は、以下のように推移しています。

年度

合格率(全国平均)

2016年

64.4%

2017年

61.7%

2018年

61.6%

2019年

66.4%

2020年

70.2%

おおむね60~70%程度の範囲内で推移しており、国家資格のなかでは、目指しやすい資格といえるでしょう。

実務経験が資格取得の大きなハードル

中卒でも受けられる国家資格はありますが、法律や試験団体が定める実務経験をクリアしなければならない場合も少なくありません。高卒以上の学歴は不要かつ、養成学校などへ行かない代わりに、年単位の実務経験を定めている資格もあるのです。

例えば、以下の資格では次のような実務経験の条件が必要です。

保育士

中学卒業後、児童福祉施設(受験資格に該当する保育所やこども園など)で5年以上かつ7,200時間以上従事した勤務経験が必要です。なお、勤務していた施設は、児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設や、受験資格認定基準に該当する施設や事業でなければなりません。

調理師免許

調理師法施行規則第4条に定める飲食店などの施設で2年以上調理業務に従事することが必要です。

このように、中卒で保育士や調理師免許の資格を取得したい場合、養成施設を卒業するより、まとまった年数の実務経験が求められることは、大きなハードルとなります。

中卒と高卒以上の資格取得ルートの違い

中卒と高卒以上では、どのくらい合格までのルートに差があるのでしょうか。例えば、保育士の試験の場合、保育科以外の高校卒業者であれば、2年以上かつ2,880時間以上の児童福祉施設で勤務経験があれば受験できます。つまり、中卒者に比べて、約3年かつ約4,320時間も短縮できるのです。

中卒のままでは、高卒以上の人と違って資格取得まで大幅に時間がかかるケースもあります。その場合は、中卒で資格試験にチャレンジするよりも、高認(高等学校卒業程度認定試験)に合格して受験資格を得たほうが近道でしょう。

まとめ

中卒でも国家資格などを受験できるケースはあります。しかし、一定の業務経験が必要になるものもあるため、高卒以上の人よりまとまった年数がかかるケースが多い傾向です。そのため、受験資格を早く手に入れたい場合は、まず高認合格後、高卒と同等の扱いを受けられる資格試験に挑戦するとよいでしょう。



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