不登校を抜け出せない原因と解消法|高卒認定試験という選択肢

「学校に行きたくない」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
不登校を抜け出す方法は、「学校に戻ること」だけではありません。今は、自分のペースで前に進めるさまざまな選択肢があります。この記事では、不登校で悩んでいる方やそのご家族に向けて、抜け出せない原因と解決のヒントを紹介します。
不登校から抜け出せないと悩んでいませんか?

令和5年度の文部科学省の調査によると、不登校になる高校生が前年よりも増加したと発表されています。
引用:文部科学省|令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
不登校になる理由はそれぞれであり、「学校に行こう」と思っても、思うように動けないことがあります。不登校から抜け出すには、自分に合った方法を選ぶことが大切です。そのためには、不登校を抜け出せない原因と、その解決策をする必要があります。
不登校から抜け出せない原因とは?

以下では、不登校から抜け出せない原因について紹介します。自身の状況と重ね合わせながら、該当するものがないか確認してみてください。
精神的な負担が大きい
学校に戻ることを考えると、不安やプレッシャーを感じてしまうことがあります。いじめや学校での人間関係のトラブルが原因で、学校に行けなくなってしまう人も少なくありません。
このような場合は、以下のような気持ちを抱えているのかもしれません。
・またいじめられるかもしれない
・登校しても前と同じことが起きるかもしれない
・うまくやっていける自信がない
こうした不安な気持ちから、登校を再開しようと思っても気持ちが前に進めず、なかなか一歩を踏み出せない状態になってしまいます。
生活リズムの乱れ
不登校の状態が続くと、生活リズムの乱れが起こりやすくなることがあります。たとえば、夜更かしをして昼過ぎまで寝ているような生活パターンが続くと、外出する気力も湧きにくくなります。
さらに、不規則な食事や運動不足が重なることで、体力が落ちてしまったり、気分が沈みがちになったりします。その結果、ますます何かをしようという気持ちになりにくくなる、という悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。
勉強の遅れが気になる
学校を休む期間が長くなると、授業の内容についていけるか不安になる方も多いでしょう。また、焦りやプレッシャーを感じる人も多いです。
さらに、周りの人と自分を比べて自信をなくしてしまい、学校生活に戻る意欲が薄れてしまう場合もあります。そのような不安な気持ちが積み重なって、「もう学校には戻らない方がいいのかもしれない」と感じてしまうことさえあるかもしれません。
親や周囲の期待が重荷に
親や先生など、周りの人の「早く学校に戻ってきてほしい」という気持ちが、かえって本人のプレッシャーになってしまうことがあります。「もうそろそろ復帰しなさい」「みんな待っている」という言葉も、本人にはプレッシャーとして受け止められてしまう場合があるようです。
真面目な生徒ほど責任感が強いため、「早く学校に戻らなければ」という気持ちに、押しつぶされそうになってしまうこともあるでしょう。焦って学校に戻ろうとした結果、かえってストレスが大きくなってしまい、体調を崩したり、再び不登校になったりする可能性もあります。
不登校から抜け出すための方法

先述した通り、不登校を乗り越える方法は「学校に戻ること」だけではありません。無理をせず、少しずつできることから始め、自分に合ったペースで前に進むのが大切です。ここでは、不登校から抜け出すための具体的な方法を紹介します。
焦らずに小さな一歩を踏み出す
急に「明日から学校に行こう」と決めても、心や体には大きな負担がかかってしまうものです。少しずつ慣らしていくためにも、まずは無理なく「できそうなこと」から試してみませんか。
たとえば、以下のような行動が挙げられます。
・家の近くを散歩する
・好きな本を読む
・短時間だけ勉強する
そうした小さな行動の積み重ねが、少しずつ自信を育てていくことにつながるでしょう。焦らず、自分なりのペースで小さな一歩を重ねていくこと。それが、不登校の状況から抜け出すための、大切なスタートになります。
周囲の協力を得る
不安な気持ちや悩みを、ひとりでずっと抱えているのは、とてもつらいことです。不安や悩みを少しでも和らげるためにも、もし話せる人がいれば、まずはご家族や先生、信頼できる友達などに、今の気持ちを話してみることから始めてみてはどうでしょうか。また、学校以外にもカウンセラーや不登校支援の専門機関など、頼れる場所はたくさんあります。
誰かに話を聞いてもらうことで、自分の状況を少し離れたところから見つめ直す、良いきっかけになるでしょう。助けを求めるのは恥ずかしいことではありません。1人で頑張ろうとせずに、周りの人の力を借りることも、とても大切なことです。
自分に合った学びの方法を見つける
「学校に行かなければ勉強はできない」と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、学ぶ方法はさまざまです。たとえば、通信制高校であれば自分のペースで学べます。また、フリースクールのような場所では、同じような経験を持つ仲間と、お互いに支え合いながら学ぶことができるでしょう。
さらに、オンライン学習や資格取得に挑戦する方法もあります。自分に合った環境で学びを進める中で、「勉強って面白いな」「もっと知りたいな」と感じる機会が増えていけば、学校に対する不安な気持ちやプレッシャーも、少しずつ和らいでいくかもしれません。無理せず、自分らしい学び方を探してみてください。
必ずしも「学校復帰」だけが解決策ではない
不登校になると、「学校に戻らないといけない」と思い込みがちですが、それだけが正しい道ではありません。自分にとって、心地よく過ごせる生き方や進路を見つけることが大切です。
たとえば、以下のような方法が挙げられます。
・高卒認定試験を受けて別の進路を目指す
・通信制高校でマイペースに学ぶ
・資格取得に挑戦する
「学校に行かないと将来が大変だ」といった思い込みにとらわれずに、視野を広げて自分の将来について考えてみることが、今の状況から一歩踏み出すための、良いきっかけになるかもしれません。
無理をしない選択肢として「高卒認定試験」もある

不登校を抜け出す方法の1つに「高卒認定試験」があります。高卒認定試験に合格すれば、高校に通わなくても、将来の進学や就職の可能性を広げられます。
以下では、同制度の概要について紹介します。
高卒認定試験とは?
高卒認定試験は、文部科学省が実施する国家試験です。この試験に合格すると、「高等学校を卒業した人と同等以上の学力がある」と認められます。
満16歳以上になる年度であれば誰でも受験でき、試験内容は必修科目と選択科目に分かれています。各科目は100点満点中40点前後が合格ラインとされており、効率的な学習計画を立てれば短期合格も可能です。
一度の試験で全科目に合格する必要はなく、合格した科目は次回以降の試験で免除されます。
高校卒業と何が違う?
注意点として、高卒認定試験は高校卒業の資格そのものを得るものではなく、「高校卒業と同等の学力がある」ことを証明します。卒業証書が発行されるわけではありませんが、この認定があることで、大学や専門学校を受験するための資格を得ることができます。
ただし、この認定は「高卒」の学歴そのものを得るものではなく、最終学歴は中学卒業のままです。そのため、目的に応じた使い方を考えることが大切です。
試験勉強の進め方
高卒認定試験の勉強方法は、自分に合った学習スタイルを選ぶことがポイントになります。勉強が得意な人であれば、教科書や問題集を使って独学で挑戦するのも可能です。
独学で挑戦することに不安がある場合は、高卒認定試験対策に特化した塾や予備校の活用をおすすめします。塾や予備校を利用すれば、出題傾向の分析や効率的な学習方法についてアドバイスをもらえるため、よりスムーズに試験対策を進めることができるでしょう。
高卒認定を取得した後の進路
高卒認定試験に合格すれば、高校卒業と同等の学力があると認定され、大学、短期大学、専門学校などを受験するための資格を得ることができます。国公立・私立を問わず、すべての大学の入試を受けることが可能です。
たとえば、専門学校に進学して専門知識や技術を身につけたり、医療系の資格や宅建など、様々な資格取得に挑戦したりする道も開けます。さらに、公務員試験の受験資格も得られるため、将来の道が広がるでしょう。
不登校から抜け出せなくても、高卒認定試験に合格することで、さまざまな進路を目指せます。
まとめ

不登校から抜け出す方法は、学校に戻ることだけではありません。通信制高校への編入や高卒認定資格の取得など、さまざまな方法で将来に向けて、あなたらしい道を見つけることができます。
高卒認定資格を取得すると、大学進学を目指したり、公務員試験に挑戦したりと、将来の選択肢が広がるため、不登校で悩んでいる方に特におすすめです。
高卒認定試験の対策に特化した塾や予備校を活用しながら、あなた自身のペースで、これからの道を切り開いていくことを考えてみてはいかがでしょうか。