高校中退(中卒)でも高卒認定(高認)に合格すれば自衛隊になれる?

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中卒、もしくは高校中退後に、安定している公務員を目指す方も多いでしょう。
公務員の中でも異色の存在といえる自衛隊ですが、高卒資格を持たなくても入隊できるのでしょうか?

自衛隊は中卒でも受験できる

結論からいうと、自衛隊は基本的に義務教育を修了していれば、入隊することは可能です。
ただし、同じ中卒でも受験時の年齢によって、入隊できるルートが2つあります。

中学卒業時の15歳の場合

神奈川県横須賀市の武山駐屯地に、中学卒業と同時に入学し自衛官になることができる、「陸上自衛隊高等工科学校(以下工科学校)」があります。

普通高校と同じ一般教養と、自衛隊の専門知識を学ぶ専門課程を3年間で修了すると、高卒資格と防衛大学校などの受験資格が与えられます。

また、工科学校に入学した時点で国家公務員扱いになるため、授業料は無料、かつ給料とボーナスの支給があるのが最大のメリットでしょう。
卒業後の1年間は陸曹教育隊に入隊し、初級陸曹としての教育を受けることが義務になっています。

また、その後の進路は、陸上自衛隊の陸士長に就任するか、防衛大学校や航空学校を受験するかが一般的です。
しかし、当然ながら競争倍率が高い上に、中学卒業前に志願する必要があるため、限られた人しか入学できないのがデメリットといえるでしょう。

18歳以上で入隊する場合

工科学校を受験できる15歳を超えてから自衛隊になる場合、「一般曹候補生」であれば、18歳以上で受験可能です。

一般曹候補生の入試レベルは高校1年生の内容で、国語、数学、英語、作文、適性検査が一次試験として課されます。
さほど難しくないレベルといえど、中卒、または高校を中退してから時間が経過している場合は、中学レベルに戻って勉強し直す必要があるでしょう。

また、二次試験では口述試験と身体検査が行われるため、いかに一次試験のテストで高得点を取るかが重要です。
公務員人気が高いこともあり、平成28年度の陸海空すべての平均倍率で男子が約4倍、女子で約9倍と、競争倍率は高い傾向にあります。

そして、18歳~27歳未満が受験できる、「自衛隊候補生」という制度を利用する方法もあります。
合格すると3か月間の教育を受けたあと、陸上では1年9カ月、海上・航空で2年9カ月を1任期とする、いわゆる期限付きで自衛隊の隊員になる方法です。

任期終了後は民間企業に就職、または自衛隊員としてキャリアアップするかのどちらかを選択します。
一般曹候補生と同じような試験が課されますが、自衛隊員の仕事を経験してみたい方には向いている制度といえるでしょう。

高認に合格すれば防衛大学校を受験できる

将来の幹部自衛官を養成する目的で設立された防衛大学校は、21歳未満の高卒、または高卒認定試験に合格すれば受験することができます。
防衛大学校も工科学校と同じく、国家公務員扱いになり、給料の支給があるのが特徴の1つです。

また、防衛大学校の卒業者は幹部候補生であることから、一般曹候補生と比べると、出世のスピードが格段に速く、待遇面も優遇されます。

入学するのは決して簡単ではありませんが、将来のことを考えたときに、防衛大学校の受験に挑戦する価値はあるはずです。
21歳未満という年齢条件がクリアできる人は、高卒認定試験の勉強に取り組むことをおすすめします。



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