「科学と人間生活はここまで出る」高卒認定試験の試験範囲

「「科学と人間生活はここまで出る」高卒認定試験の試験範囲」サムネイル画像

高卒認定試験の理科は、次の(1)または(2)を選ばなければなりません。
(1)「科学と人間生活」の1科目と「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち1科目(合計2科目)
(2)「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち3科目(合計3科目)

つまり「科学と人間生活」を選択すれば、理科は2科目に合格すればよいわけです。「科学と人間生活」を選択しないと3科目に合格しなければなりません。「科学と人間生活」を選んだほうが「お得感」があります。高卒認定試験における「科学と人間生活」の出題範囲を紹介します。

大体このようなことが問われます

「科学と人間生活」の試験範囲は次のとおりです。

・日常生活と社会と未来と科学のつながり
・植物の生育と光
葉緑体、光合成、光の強さ、ヒトの視覚と光、瞳孔、脳で解析されて初めて見える
・さまざまな微生物
病原体としての細菌とウイルス、発酵、常在菌
・金属
さびる仕組み
・プラスチック
モノマーとポリマー
・資源の再利用
持続可能な循環型社会、スチール缶とアルミニウム缶の再利用
・衣料
繊維の種類、ナイロン
・食品
ご飯の主成分、糖、タンパク質、油脂、食品添加物
・目に見える光の世界
光のスペクトル、光の3原色、光の反射と屈折
・熱とは何か
原子・分子の熱運動、温度計、熱の伝わり方
・天体が刻む「時」
人と宇宙をつなぐ暦、太陽系の構造、風が吹けば気候をつくる
・身のまわりの景観の成り立ち
地球がつくる自然景観、太陽がつくる自然景観、自然災害、火山噴火

これだけ学ぶことがあるので、高卒認定試験の理科で「科学と人間生活」を選択すると、受験科目が減るわけです。「ありとあらゆるものを学ばなければならない」とあせるかもしれません。

ただ、「科学と人間生活」は試験範囲が広いだけで、試験問題ではあまり深くは掘り下げません。したがって試験対策としては、教科書をしっかり読み、問題集1冊仕上げるくらいで済みます。知ってさえいれば解くことは難しくないはずです。

過去問をみてみよう

過去の高卒認定試験から「科学と人間生活」の設問をみてみましょう。

光の反射が関係している現象として誤っているものを、次の1~4のうちから一つ選べ。

1:シャボン玉の表面が見る角度によって色付いて見える。

2:カーブミラーによって見える範囲が広くなる。

3:雨上がりの空に虹が見える。

4:凸レンズを通った光が 1 点に集まる。

答えは4です。この設問は「ひっかけ」です。選択肢の1~4はすべて正しい内容です。しかしこの設問では、光の反射の現象を説明していないものを選ばないとならないのです。
4は光の進行について説明しているので、反射の説明ではありません。その他の1、2、3は光の反射に関わる説明になっています。

次の文は太陽系の惑星に関するものである。文中のA~Cに入る語句の組合せとして適切なものを、下の1~4のうちから一つ選べ。

 

太陽系の惑星は、その特徴の違いから地球型惑星と木星型惑星に分けることができる。【A】型惑星は【B】型惑星に比べ、半径や質量は小さいが平均密度は大きい。

また、【C】型惑星の大気の主な成分は水素やヘリウムである。

 

1:A木星、B地球、C地球

2:A地球、B木星、C木星

3:A地球、B木星、C地球

4:A木星、B地球、C木星

答えは2です。
太陽系の惑星は、地球型惑星と木星型惑星の2種類にわかれます。この問題は、下の2項目について知っていれば迷うことなく解けます。

地球型惑星とは、地球、水星、金星、火星のことで、次の特徴を持ちます。
・固体表面を持つ・質量が地球の数%から80%程度・半径が数千kmと小さい・密度が4~5g/㏄と大きい

木星型惑星とは、木星、土星、天王星、海王星のことで、次の特徴があります。
・固体表面がない(気体でできている)
・質量は地球の十数倍から320倍と大きい
・半径は数万kmと巨大・密度は1g/㏄と小さい

まとめ

高卒認定試験の「科学と人間生活」では、過去問をみたとおり、教科書に書かれてあることが素直にそのまま出題されます。したがって、試験対策としては、あえて1つの項目について掘り下げることはせずに、「広く薄く知識を身につけよう」と考えて勉強に取り組んだほうがよいでしょう。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ