高認の科目合格と高校の単位にはどんな関係がある?Q&Aで解説します
文部科学省が実施している高認(高卒認定試験)は、合格すれば高校卒業者と同程度の学力があることが認められます。主に受験するのは、高校を中退した人や高校に進学していない人です。そのため、「高校在学中の人が受けるものではない」と考えている人が多いかもしれません。
しかし、高認と高校の単位には、ある種のつながりがあるため、高校で落としてしまった単位を高認で認定してもらえたり、高校で修得した単位を高認で免除してもらえたりするケースもあります。本記事では、高認と高校の単位に関する疑問にお答えしていきます。
高校で単位を落としてしまった場合、高認の科目合格で認定してもらえる?
なかなか高校に通えず、卒業に必要な単位を修得できなかった場合、不足単位に該当する科目で高認合格を勝ちとれば、高校の単位として認定してもらえるのでしょうか。高校に在学中、高認の科目合格を卒業に必要な単位として認めてもらえるかどうかは、在籍する高校の学校長の判断に委ねられています。
高認の科目合格を単位として認めてもらえるかだけでなく、何単位で認定してもらえるかについても同様です。そのため、最初から「単位を認めてもらえるもの」と決めてかかるのはやめましょう。高認の受験を検討する場合は、高校の先生に事前相談したうえで学校側がどのように判断するかを確かめてください。
高認ですべての科目に合格すれば、高校を卒業するのと同じこと?
高認にはいくつもの科目がありますが、それらのすべてに合格すれば高校を卒業できるのでしょうか。また、高校を卒業したことと同じと考えてよいのでしょうか。実は、高校を卒業するのには、定められた単位をすべて修得する必要でがあります。そのため、仮に全科目合格となっても、高校を卒業するために必要な単位をすべてカバーすることはできません。
そのため、高認の全科目で合格しても最終学歴は「高卒」とならず、「中卒」のままです。高認に合格することは「高卒」と全く同じではありませんが、「高校卒業者と同程度の学力を有する」ことを認めてもらうことができます。例えば、高認に合格すれば高卒者と同様に大学や短大、専門学校といった高等教育機関を受験することが可能です。
また、これらの高等教育機関に合格し、卒業できれば最終学歴も更新されます。さらに、高認の合格に向けての努力を評価してもらえる可能性もあるでしょう。
高認の「免除制度」と高校の習得単位にはどんな関係がある?
高認には免除制度があるため、該当すれば一部の試験科目を免除できます。高認の免除制度は、「高校で所定の単位以上を修得した科目について高認で合格扱いになる」というものです。そのため、高校在学中にある程度単位を修得して免除制度を使える場合は、受験科目数を減らせるでしょう。
高認の全科目合格を目指す人にとって、高校の修得単位は有利なものといっていいでしょう。また、所定の技能審査(英検など)に合格している場合も、同様の免除を受けることができます。高校に1年以上通っていた人は、自分がどのような単位を修得しているのか、在籍していた高校に問い合わせ、単位修得証明書を発行してもらいましょう。