高卒認定試験(旧大検)の出題範囲や難易度、合格ラインを徹底解説
高校に進学できなかった人、高校を中退してしまった人が進学や就職に際して検討する選択肢の一つが、高卒認定試験(以下、高認)です。高認は、大検制度を改変したもので、合格すれば、「高校を卒業した人と同等以上の学力があるもの」として認定され、大学・短大・専門学校といった高等教育機関や各種資格試験の受験資格を得ることができます。
高認の対象は、さまざまな事情で高校を卒業しなかった人、高校に在籍しながら卒業に必要な単位を修得したい人で、将来の可能性を広げる目的で実施されているのです。ここでは、高認に関心がありつつも「合格するのは難しそう」「どんな試験なのかがわからない」とためらっている人に向けて、出題範囲や難易度、合格ラインをわかりやすく解説していきます。
高卒認定試験は「合格させるための試験」
高認は、競争させて定員以上を振り落とすための試験ではなく、受験する人の将来の可能性を広げるためのものです。そのため、合格者の定員がなく合格基準点に達していれば合格することができます。また、出題形式はマークシート方式で、4~5つ提示された解答の中から正解を選べばよいため、記述方式と比べると点数が採りやすい傾向です。
高認の合格率だけを見ると40%前後になっているので、難易度が高いと思われがちですが、1科目以上の合格者の割合を見ると、毎年80%前後。これは、高認で設けられた6教科の中で8~10科目すべてに合格するのが難しくても、「一部科目の合格率は高い」ということです。高認で一度合格した科目は、その後受ける必要がありません。
高認は、受験者を「合格させるための試験」です。一部合格を着実に積み重ねていけば、すべての科目での合格はさほど遠くない未来といえるでしょう。
実際の出題範囲は中学校から高校1年生程度
高認に合格すれば、「高校を卒業したと同等以上の学力があると認められる」と聞くと、「センター試験に匹敵するような内容なのではないか」と考えがちです。しかし、実際の試験範囲はそう広くありません。科目は、多くても一つ一つの科目の基礎学力を判定することが目的となっているため、出題内容のレベルは中学から高校基礎レベルです。
しばらく勉強から離れていた人にとっては、厳しく感じるかもしれません。しかし、中学と高校1年生の教科書をしっかりと読み込み、過去問を何度も繰り返し解けば追いつくことが期待できるでしょう。先述したように、高認の試験はそれぞれの科目ごとに合否が出ます。すべての科目で合格すれば、見事「高卒認定」の合格者です。
試験は、年2回実施されており、何度でも受験が可能で一度合格した科目は試験が免除されます。そのため、何度かの試験で合格することを目標に掲げれば、さほど構える必要はありません。
各教科合格の最低ラインは40~45点が目安
高認の合格成績は、科目ごとに3段階で評価されています。Aが100~80点で、Bは 79~60点、C で59点~最低点となっており、合格の最低点の目安は40~45点ほどです。ただ、40点取れれば確実に合格だとはいえません。より安全なところを狙うなら、50点を目指しましょう。
高認の出題範囲は広いものの、出題レベルがさほど高くなく、半分でも正解が導き出せれば合格できる試験です。自学でも十分に合格が狙えますが、「より効率よく勉強したい」「無理なく受験対策したい」という人は、高認コースを設けている予備校などを利用してみましょう。