高卒認定試験に合格すれば中卒でも保育士になれるのか?

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中学を卒業して保育士を目指す場合、高卒認定試験で保育士試験を受験できるのでしょうか。保育士になるには、国家試験に合格しなければなりません。

今回は、高卒認定試験でも受験できるかといった受験資格をはじめ、保育士になるルートについてご紹介します。

中学卒業から保育士になるための流れ

中学卒業してもすぐに保育士試験は、受験できません。なぜなら、卒業後児童福祉施設での勤務経験が必要だからです。児童福祉施設の中にも、受験資格の対象になる場合とならない場合があるので、よく確認しておきましょう。

中卒や保育科以外の高卒は勤務経験が必要

中学卒業者や多くの高校卒業者は、福祉関連の実務経験がないと受験資格が得られません。

中学卒業

中学卒業者の場合、児童福祉分野での勤務経験の有無がポイントです。

1.児童福祉関連の勤務経験が5年以上かつ7,200時間以上あること
2.1の勤務先が児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設であること
例)保育所(利用定員20名以上)、保育所型認定こども園、幼保連携型認定こども園、児童館、児童養護施設など

なお、認可外保育施設や幼稚園や幼稚園型認定こども園、学童クラブや放課後デイサービスなど「児童福祉施設」以外の児童福祉関連施設勤務経験の場合は、都道府県知事による受験資格認定(知事認定)が必要です。

高校卒業

高校卒業者の場合は、卒業年月日と卒業科、勤務経験によって受験資格の有無が異なります。

1.卒業年月日
1991年3月31日以前に高校卒業した人は、受験資格があります。
1991年3月31日以降の卒業者は、何科の卒業かで変わります。

2.卒業科
・保育科を1996年3月31日以前に卒業
→受験資格があります。
・保育科以外、または保育科を1996年4月1日以降に卒業
→次の3の条件によって受験資格が変わります。

3.勤務経験
・「児童福祉施設」で2年以上かつ2,880時間以上勤務していた
→受験資格があります。

・「児童福祉施設」以外の児童福祉関連施設で2年以上かつ2,880時間以上勤務していた
→都道府県知事による受験資格認定が必要です。

中卒と高卒で勤務経験の条件が大幅に異なる

ここまで見てきたように、中学卒業者と大半の高校卒業者は、児童福祉法第7条に基づく「児童福祉施設」やその他の関連施設での勤務経験が必要です。高卒が2年以上かつ2,880時間以上が条件なのに対して、中卒は5年以上かつ7,200時間以上と必要な勤続年数や勤務時間数に大幅な違いがあります。

高卒認定試験合格なら高卒で受験できる

ここでのポイントは、「高卒認定試験の合格者も中学卒業者のように5年以上かつ7,200時間以上の勤務経験が必要なのか」ということです。結論からいえば、高卒認定試験に合格すれば保育士国家試験を高卒と同等とみなされ受験できます。

中卒で受験する場合

 

5年以上かつ7,200時間以上

高卒認定試験に合格して受験する場合(高卒同等)

2年以上かつ2,880時間以上

そのため、中学卒業のまま勤務経験の条件をクリアするより半分以下の時間で受験することが可能です。

まとめ

高卒認定試験に合格すれば、保育士国家試験を高卒と同等とみなされ受験できます。ただし、所定の施設で2年以上2,880時間以上の勤務経験が必要になる点は、押さえておきましょう。



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