高卒認定を取得しても中卒扱いになる?就職・進学への影響とは

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高卒認定試験(高認試験)は、高校を中退して不安を抱える方にとって学歴を高める有力な選択肢です。しかし、高認試験に合格したとしても、学歴が「高卒」にはならない点に注意する必要があります。

この記事では、高卒認定の仕組みや就職・進学での扱いを詳しく解説し、合格を目指すための効率的な学び方まで紹介します。

高卒認定を取得しても中卒扱いになる?

学歴

高卒認定を取得しても、最終学歴はあくまで「中卒」のままです。ただし、高卒認定は「高等学校卒業と同程度の学力がある」と公的に認められる試験であるため、進学や就職の場では高卒相当として扱われます。そのため、実際に選考で中卒扱いとなることはほとんどありません。

まずは、高卒認定がどのような制度なのかと、高卒資格との違いについて整理していきます。制度上の位置づけと実際の扱われ方を理解することで、高卒認定の価値をより正しく把握できるようになります。

高卒認定とは?文部科学省による定義

文部科学省によると、高認試験は以下のように定義されています。

「高校を卒業していないなどのため、大学等を受験できない者に対し、高校卒業者と同等以上の学力があることを認定する試験である」

引用:文部科学省|高等学校卒業程度認定試験

同試験に合格した方は、証明書発行手続きが必要です。なお、合格者は大学・短大・専門学校への入学資格を得られます。

ただし、同試験は高卒資格を得られる資格ではありません。つまり、「学歴としては中卒」「学力としては高卒相当」という位置づけになります。

高卒認定と高卒資格の違い

高卒認定と高卒資格の理解について、混同される方も多いですがまったくの別物です。双方の違いは以下になります。

比較項目 高卒認定 高卒資格
取得方法 試験に合格する 高校を卒業する
証明内容 高卒と同等の学力 高校を修了したという学歴
最終学歴 中卒 高卒
就職・進学での扱い 高卒と同等の扱いを受ける 高卒として扱われる
受験・応募資格 大学受験資格、高卒求人への応募資格 大学受験資格、高卒求人への応募資格

就職や進学で高卒資格が必要とされる場合でも、多くの大学・企業は合格証書で代替を認めています。つまり、「中卒扱い」ではなく、「高卒と同等扱い」が現実です。

高卒認定を取得すると就職・進学にどのように影響がある?

面接

高卒認定を取得すると、就職や進学で受けられるチャンスが大きく広がります。これは、自分自身の「学力」が公的に認められることによる明確な変化です。ここからは、実際にどのような変化があるのかを見ていきましょう。

就職の場合

中卒のままでは、応募できる求人が限られ、給与水準も低い傾向があります。しかし、高卒認定を取得していれば、「高卒以上」を応募条件とする求人にも応募できるようになります。

これにより、就職の選択肢が大幅に広がり、安定した雇用やキャリアアップの可能性が高まるでしょう。特に事務職・技術職・公務員など、学歴要件が設けられる職種では大きな差が生まれます。

企業のなかには「最終学歴」を重視し、中卒という点に懸念を持つところもありますが、高卒認定の合格は「向上心」と「自己学習能力」の証でもあります。面接では「高卒認定を取得して努力を続けている」ことを伝えることで、むしろ前向きに評価されるケースもあるでしょう。

また、高卒認定を取得後に専門学校や短大へ進学し卒業すれば、最終学歴を「専門卒」や「短大卒」へ更新できます。これにより、さらに待遇の良い企業への就職にも挑戦しやすくなるでしょう。

進学の場合

高卒認定に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。これは大きなメリットで、高校に在籍しなくても大学受験へ進む道を切り拓くことが可能です。

例えば、国公立大学や大手私立大学も「高等学校卒業程度認定試験合格証書」で出願可能と明記しています。つまり、高卒認定を取れば「学歴の壁」を超えて、進学のチャンスを得られるということです。

また、高卒認定の試験勉強を通して、大学受験に必要な基礎学力も養えます。

高卒認定を取得するメリット・デメリット

メリットデメリット

高卒認定には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。メリット・デメリットを理解すれば、本当に受験すべきか判断できるようになるでしょう。

高卒認定を取得するメリット

高卒認定を取得するメリットとして、まず「自分のペースで挑戦できる」という点が挙げられます。参考書や通信教材を使って学習できるため、社会人や主婦、病気療養中の方など、多忙な状況にある方でも取り組みやすく、生活スタイルに合わせて学習時間を柔軟に調整可能です。

また、「費用対効果の高さ」も大きな魅力です。高等学校に3年間通う場合と比べると、かかる費用は受験料と教材費程度で済み、経済的負担が軽減されます。低コストで高卒と同等の学力を得られる点は、費用面で不安を抱える人にとって大きなメリットといえるでしょう。

さらに「進学・就職の幅が広がる」点も見逃せません。高卒以上を条件とする求人に応募できるようになるうえ、大学進学や国家資格の受験など、将来の選択肢が飛躍的に増えます。

高卒認定を取得するデメリット

高卒認定を取得すること自体に大きなデメリットはありませんが、いくつか注意しておきたい点があります。まず、最終学歴はあくまで「中卒」のままであるという点です。高卒認定は学力を証明するものであって卒業資格ではないため、履歴書には「最終学歴:中学校卒業」と記載し、別途資格欄で高卒認定の合格を示す必要があります。高卒資格者とは法的な扱いが異なることを理解しておきましょう。

また、独学で試験に挑む場合は挫折しやすい点にも注意が必要です。試験範囲は9教科と広く(科目免除制度はあるものの)、内容は高校の基礎レベルに相当します。これらを短期間で網羅することは簡単ではなく、学習計画の立て方やモチベーションの維持が大きな課題となります。

このような場合、予備校・塾に通うことでデメリットを解消できます。

確実に合格したいなら「予備校・塾」の活用がおすすめ

勉強している

独学だと「勉強が続かない」「科目ごとの苦手がある」「効率的な学習法がわからない」といった、悩みを抱えるケースが少なくありません。

広範な試験範囲を確実に突破したい、短期間での合格を目指したいといった場合には、高認試験に特化した予備校・塾のサポートが有効です。

ここからは、高認試験に向けて予備校・塾を活用するメリットについて見ていきましょう。

予備校・塾を活用するメリット

予備校や塾を活用するメリットとして、講師による個別指導が受けられる点が大きなメリットの一つです。理解度に合わせてマンツーマンで教えてもらえるため、数学や理科などつまずきやすい科目でも、疑問点をそのままにせず集中的に対策できます。苦手科目を着実に得点源へと変えられる点は、独学では得にくい強みといえるでしょう。

さらに、合格までの学習計画を立ててもらえることも大きな魅力です。現在の学力や目標とする試験日に合わせて最適なカリキュラムを作成してもらえるため、スケジュール管理に悩むことがなく、「何をいつまでに取り組むべきか」が明確になります。

また、一緒に学ぶ仲間の存在がモチベーションとなるのも予備校・塾ならではのメリットです。同じ目標を持つ生徒たちと切磋琢磨できる環境は、学習意欲を維持するうえで大きな支えになります。加えて、講師やスタッフによる励ましも精神的なあと押しとなるでしょう。

近年では、オンライン授業や通信コースも充実しており、自宅にいながら受講できる環境が整っています。仕事や家事、育児と両立しながら学びたい社会人や主婦の方でも、無理なく継続しやすい点が高く評価されています。

独学では合格は難しい?

独学で合格を目指す場合、自分で教材を選び、学習スケジュールを立て、日々のモチベーションを維持する必要があります。特に出題傾向の把握や過去問の対策は、独学では難易度が高くなりがちです。

一方、塾・予備校では過去問を徹底分析した対策や、合格実績に基づいた効率的なカリキュラムが用意されています。必要な学習を無理なく進められるため最短ルートで合格を目指せるのが大きな強みです。

高卒認定に関するよくある疑問と学歴の扱い

FAQ

高卒認定を取得すると「中卒扱いになるのか」「履歴書はどう書けばよいのか」といった疑問を持つ方もいるでしょう。

ここからは、特に質問が多いポイントをわかりやすく解説します。

高卒認定を取得しても学歴は中卒扱いになる?

結論からいうと、最終学歴は中卒のままです。

高卒認定に合格することで、学力面では「高卒相当」として扱われます。そのため、「就職活動で高卒以上とされる求人に応募できる」「大学・短大・専門学校の受験資格が得られる」といったメリットがあります。

つまり、学歴は中卒のままでも、実質的には高卒同等の扱いを受けられるということです。この「学歴」と「学力証明」の違いが、高卒認定を理解するうえで最も重要なポイントといえます。

高卒認定と中卒は同じ意味?

中卒と高卒認定は、まったく別物です。中卒は最終学歴の名称で、高卒認定は高卒相当の学力を証明する資格です。

中学校を卒業した時点で最終学歴は中卒になりますが、高卒認定を取得すると、学力証明として高卒と同等であることが公式に証明されます。

そのため、求人応募や進学の際には、中卒のみの場合と比べて選択肢が大幅に広がります。

高卒認定を取得した場合、履歴書にはどのように書けばよい?

履歴書を書く際のポイントは、以下のとおりです。

1:最終学歴欄

→「〇〇市立△△中学校 卒業」と記載します。(高卒認定を取得しても、高校卒業と書けません)

2:資格欄・自己PR欄

→「高等学校卒業程度認定試験 合格」と記載します。

企業の採用担当者は、この記述を見ることで「高卒と同等の学力がある」ということを理解します。実際、多くのキャリア支援サイトでも「資格欄に明記することで評価が上がるケースもある」と紹介されています。

履歴書の書き方によって印象が大きく変わるため、「学歴は中卒、学力は高卒相当」を明確に示す書き方が重要です。

まとめ

高卒認定を取得しても、法的な最終学歴は中卒のままですが、学力面では高卒と同等として扱われます。この「高卒相当の学力証明」により、高卒以上の求人への応募や、大学・専門学校への受験が可能となり、就職・進学・資格取得など、将来の選択肢を大きく広げられるでしょう。

広範な試験範囲を自力で網羅し、モチベーションを維持するのは容易ではありません。独学で不安がある方や、短期間での確実な合格を目指したい方は、高卒認定に特化した予備校・塾を活用し、効率良く合格を目指すことをおすすめします。

あなたの未来の可能性を広げるために、ぜひ挑戦をはじめましょう。

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