高校で留年すると就職に影響する?想定されるデメリットとは

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学業不振や病気の療養など、さまざまな理由で高校を留年するのは珍しくありません。しかし、「高校を留年すると就職が不利になるのでは」と不安に感じている方もいるでしょう。

この記事では、高校を留年した場合の就職への影響や想定されるデメリットについて解説します。留年後の進路に関する解決策についても紹介するので、今後の進路選択で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

高校を留年すると就職が不利になる?

履歴書

高校での留年が、必ずしも就職に大きな影響を与えるわけではありません。企業は入社後に活躍してくれる人材を求めており、高校で留年していても企業が求める人材像にマッチしていることをアピールできれば、採用される可能性が高いでしょう。

面接の際には留年した理由を聞かれるケースが多く、そのときの返答によっては不採用になるケースがあります。しかし、留年した理由を聞かれた際に正直に話し、納得してもらえれば問題ありません。そのためには、面接対策をしっかりと行い、何を聞かれても即答できるようにしておくことが大切です。

このように、高校で留年した事実そのものが就職で不利になることはありませんが、採用されるかは面接次第といえるでしょう。

高校を留年した場合の就職活動の対策

就職活動

高校を留年している場合、就職活動では面接対策が重要です。ここでは、高校を留年している場合の履歴書の書き方や面接対策について解説します。

高校を留年した場合の履歴書の書き方

高校で留年していても、履歴書の学歴欄に「留年」と記載する必要はありません。高校の入学年月と卒業年月を正確に記載すれば、企業側は在籍期間から留年しているかを判断できます。

もし高校を留年後に中退した場合、「卒業」と記載すると学歴詐称になるため、「〇〇高等学校中退」または「〇〇高等学校中途退学」と正しく記載しましょう。

留年や中退を隠そうとして履歴書に虚偽の記載をすると、発覚した際に採用取り消しや懲戒処分を受ける可能性があります。そのため、学歴詐称にならないように、履歴書の学歴欄は正確に記載することが大切です。

高校を留年した場合の面接対策

高校を留年した場合の面接対策として、留年した理由を正直かつ前向きに話せるように意識しましょう。面接官は多くの応募者を見てきているため、嘘をついても見抜かれます。仮にその場はしのげたとしても、採用後に嘘が発覚すると、採用取り消しなどの処分を受ける可能性があります。

そのため、面接では留年した理由を正直に話し、面接官に納得してもらえるようにしましょう。

たとえば、病気が原因で留年した場合、今は治って働くことに支障がないことを伝えます。病気で長期間療養すると高校を留年するケースは十分に考えられるため、正当な理由になるでしょう。

学業不振を理由に留年した場合、面接では「その後の努力と成長」をしっかり伝えることが大切です。学業不振が理由の場合、面接官にマイナスの印象を与える可能性がありますが、嘘をつかない誠実な人間性と前向きな気持ちを伝えることが大切です。

高校で留年するとどんなデメリットがある?

学年

高校で留年しても卒業していれば、就職に直接的な影響はありませんがデメリットは存在します。ここでは、高校で留年するとどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

同じ学年の他の生徒と年齢差が生じる

留年したことにより、クラスメイトと年齢差が生じます。人によっては、年齢差を気にするあまり、友達ができにくくなったり、クラス内で孤立しやすくなったりする場合があるでしょう。

また、後輩と同じ学年になるとこれまでの先輩・後輩の関係が変化してしまうため、クラスメイトは、どのように接すればよいのかわからず、戸惑うことも考えられます。

さらに、これまでの同じ学年の友人とも疎遠になってしまう可能性もあるでしょう。学年が違うと話しが合わなくなったり、共通の話題が少なくなったりすることも考えられます。

学費が余計にかかる

高校を留年すると、もう1年分の学費が必要になります。親に金銭的な負担をかけてしまうのは、大きなデメリットの1つといえるでしょう。

また、奨学金や支援金を受けている場合、留年によって支給が停止される可能性があります。たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の「災害支援金」を受け取っているケースでは、留年すると新たに申請できない点に注意が必要です。

さらに、林間学校や修学旅行などの学校行事に再び参加する必要が生じた場合、その分の費用も追加で発生します。

このように、高校を留年すると学費以外にもさまざまな費用が発生し、家計の負担が増えるリスクがある点は、デメリットといえるでしょう。

精神的な負担になることがある

留年による失敗感や自信喪失が、精神的な負担になることが考えられます。こうしたストレスが続くと、無気力になったり、不登校になったりするかもしれません。

また、親や周囲の期待に応えなければならないというプレッシャーを感じる場合もあります。「もう二度と留年できない」という焦りから、精神的に追い込まれてしまうケースもあるでしょう。

このように、留年は精神的負担を伴う可能性が高いため、避けるに越したことはありません。

面接での説明が必要になる

先述した通り、就職の面接時に留年の理由を尋ねられることがあり、うまく伝えられないと面接官の心象が悪くなる可能性があります。面接は採用結果に大きく影響するため、十分な対策が必要です。

面接対策では、応募理由の説明や自己アピールなど、さまざまな準備が求められます。留年すると、留年した理由を的確に伝えるための準備も行う必要があるため、留年していない人と比べて余分な準備をしなければなりません。

だからといって、面接中に「留年したことをどう思われているのだろう」と気にしすぎると、不安な表情が出てしまいます。ネガティブな印象を与えないためにも、事前準備を怠らないようにしましょう。

大学進学のタイミングが遅れる

高校を留年すると卒業が1年遅れる分、大学進学のタイミングも遅れてしまいます。たとえば、同年齢の生徒が大学生になっていても自分はまだ高校生であり、1年の遅れは今後も続きます。

また、留年すると大学進学の計画に影響を及ぼし、予定していた大学進学を再調整しなければならない場合もあるでしょう。

留年により卒業時期が1年遅れるため、大学受験のタイミングも後ろ倒しになります。その結果、志望大学の入試制度や募集要項が変わる可能性があるため、改めて受験計画を立て直さなければなりません。 特に、指定校推薦や公募推薦、AO入試では「3年間での卒業」が前提になっているケースが多く、留年すると推薦資格を失う場合がある点は大きなデメリットです。

高校で留年するデメリットを解消する方法

留年

高校留年のデメリットを解消する方法として、高卒認定試験(高認)に合格する方法があります。高卒認定試験に合格できれば、何らかの理由で高校を卒業していなくても、大学進学や就職の際に求められる資格を得られます。そのため、留年による進学の遅れを回避することが可能です。

高卒認定試験は16歳から受験できます。そのため、高校を中退して高卒認定試験に合格すると、同年齢の生徒と同じ時期に大学を受験できるでしょう。また、公務員試験も同年齢の生徒と同じ時期に受験できるため、年齢差を感じにくくなります。

高卒認定試験は、高校を留年した人だけでなく、不登校などで高校に通えなかった人にも再チャレンジの道を拓く有効な選択肢です。

卒認定試験を受験するメリット

メリット

高卒認定試験を受験するメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。

・留年による学年差や年齢差がなくなる
・大学進学の道が拓ける
・大学受験に専念できる

受験を迷っている方は、以下で紹介する内容を基に検討してみてください。

留年による学年差や年齢差がなくなる

高卒認定試験に合格すると、留年による学年差や年齢差を解消できるのが大きなメリットです。

高卒認定試験は、受験する年度の終わりまでに16歳以上の者であれば受験できます。そのため、早めに合格すれば、留年による学年差や年齢差をなくせるでしょう。

たとえば、高校2年生のときに留年したことで高校を中退し、その年に高卒認定試験に合格すると、その時点で大学受験の資格が得られます。ただし、高卒認定試験に合格しただけだと学歴が「高卒」にはならない点に注意が必要です。

高校を留年することで、同じ学年の他の生徒と年齢差が生じるのが気になる場合には、高卒認定試験は有効な選択肢の1つといえるでしょう。

大学進学の道が拓ける

留年を避けるために高校を中退しても、高卒認定試験に合格すると大学進学の道が拓けます。さまざまな理由で高校を中退したり、高校に進学できなかったりする生徒にとって、高卒認定試験に合格して大学に進学できるのは大きなメリットです。

高卒認定試験に合格しても学歴は「高卒」にはなりませんが、大学に進学して卒業すると、最終学歴は「大卒」となります。大学を卒業と同時に就職すると、同級生に遅れをとらないまま社会人になれるでしょう。

高卒に比べると大卒のほうが就職の選択肢が広がり、採用後の待遇も恵まれています。そのため、就職面では大卒が有利といえるでしょう。

大学受験に専念できる

高卒認定試験に早めに合格すると、大学受験に必要な科目や内容を絞った学習を行えます。大学受験に専念できるのは、高卒認定試験を受験するメリットの1つといえるでしょう。

高卒認定試験や大学受験の勉強は、予備校・塾に通うことで効率的な学習が可能となります。高卒認定試験や大学受験の勉強は、独学では難しいケースも多いため、予備校・塾に通うのがおすすめです。プロの講師による指導を受けるなかで、早期合格の可能性を高められるでしょう。

まとめ

勉強

高校を留年しても、必ずしも就職が不利になるとは限りません。ただし、面接では留年の理由を聞かれるケースが多いため、説明できるように準備を怠らないようにしましょう。

高校留年のデメリットを回避する方法の1つに、高卒認定試験の受験が挙げられます。高卒認定試験に合格すると、大学受験の資格が得られて大学に進学する道が拓けるほか、大学を卒業すると最終学歴を「大卒」にできるというメリットがあります。

予備校や塾のなかには、高卒認定試験の合格に向けたカリキュラムを提供しています。高卒認定試験の受験を検討している方は、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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