【高校中退者必見】「大検」から「高卒認定試験」へ!知っておきたい変化とは?
かつて「大学入学資格検定(以下、大検)」として知られた文部科学省が行っていた試験は、2005年9月の試験から「高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)」に名称が変わりました。本記事では、「高認」がどういったものかをわかりやすく解説しながら、「大検」から「高認」になって変化した3つのポイントを紹介しています。「高認」合格がもたらすメリットとあわせて、ぜひご確認ください。
「高認」は「大検」の名称が変更されたもの
働く青少年の救済を目的に発足した「大検」制度がスタートしたのは、1951年のことです。それ以来、受検資格の拡大や合格に必要な科目数の変更、受検科目免除の拡大、受検機会の拡大などを経て、2004年度末に廃止されました。
翌2005年度から、高校への進学をあきらめたり高校を中退せざるを得なかったりした人を対象に、進学や就職、資格試験での可能性を広げる目的で名称を変更したのが「高認」です。これは、高校卒業資格を与えるものではなく、高校を卒業した人と同じくらいの学力があるかどうか、その学習の成果を適切に評価するためのもので、文部科学省が実施しています。
「高認」になって変化した3つのポイント
試験の名称は、2005年度に「大検」から「高認」へと変更されましたが、その難易度や合格水準、実施方法などは大きく変化していません。変化が見られるのは、以下の3点です。
1.試験科目の減少
2.試験科目の変更
3.受験者枠の変化
「大検」において平成13年度から「9~10科目(選択により変化)」であった科目数が「8~10科目(選択により変化)」へと減少し、保健や簿記(選択科目)・家庭科(必修科目)といった科目がなくなり、英語が必修科目となりました。
受験科目は、英語に加えて国語、数学、社会、理科だけとなり、全日制高校の生徒であっても受けられるようになりました。全日制高校に通っている生徒は受験できなかった「大検」と比べると、受験者枠が広がっています。これらを踏まえると、「高認」は、より幅の広い人たちに自分の目指す将来へ可能性が広がった試験になったといえるでしょう。
「高認」合格で得られるメリット
「高認」に合格するメリットは、国立・公立・私立の大学や短大、さまざまな専門学校の受験資格、各種国家試験の受験資格を得られる点にあります。さらに、海外の大学への留学に際して、基本的な条件を満たす資格として認識されているのも、大きなメリットです。
また、就職活動をする際にも、「高認」合格が受験時の地道な努力などをアピールできるチャンスへとつながるでしょう。何らかの事情で高校進学をあきらめたり中退せざるを得なかったりした人、全日制高校に在籍しつつもなかなか登校できない人などは、自分を正当に評価してもらうための手段の一つとして「高認」を検討してみるのもいいかもしれません。