【中卒・高卒・大卒の違いをデータで解説】学歴でどんな差が出る?
最終学歴が「中卒」「高卒」「大卒」で、どのような違いがあるのでしょうか。本記事では、厚生労働省などのデータを紐解きつつ、学歴が生涯賃金の差につながるのかどうかを検証します。「中卒」でも「高卒」「大卒」に負けないための方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
就職率・初任給の額・正規雇用されるか否かで大きな差がある
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」(令和元年度)によると、高卒の初任給(男女計)は16万7,400円、大卒で21万200円となっています。中卒の初任給は、調査に含まれていませんでしたが、中卒の給料は他の学歴と比較して低く、高卒より数万円単位で違いが出てくる可能性があると考えるのが妥当でしょう。また、差が出るのは、給料だけではありません。
同じく厚生労働省がまとめた令和3年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」によると、中卒者の求人数は1,085人(求職者数304人)に対して、高卒者の求人数は約39万人(求職者数約13万5,000人)となっています。求人倍率としてはさほど高くありませんが、中卒者の求人はほとんどないといっても過言ではありません。
さらに、厚生労働省の「若年者雇用実態調査(平成30年度)」によると、中卒者で正規雇用されるのは35.4%にとどまります。大卒者の80.9%はもちろん、高卒者の56.3%とも大きく引き離された感が否めません。
とはいえ、高学歴が圧倒的に有利というわけでもない
どういった規模の会社に勤めるかによっても生涯賃金には差が出てきます。男性の大卒者が従業員100~999人の企業に勤めた場合の生涯賃金(60歳までに支給される給与)は、約2億6,090万円とされる一方で、高卒者が従業員1,000人以上の企業に勤めた場合の生涯賃金は、約2億8,120万円とされています。以下は、学歴と企業規模ごとの男性における生涯賃金の一覧です。
企業規模 | 大卒 | 高卒 |
従業員1,000人以上 | 約3億1,480万円 | 約2億8,120万円 |
従業員100~999人 | 約2億6,090万円 | 約2億3,890万円 |
従業員99人以下 | 約2億2,540万円 | 約2億1,050万円 |
出典:労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2021』
勤める企業規模によって、大卒と高卒の学歴差が生涯賃金で逆転していることを考えると、奨学金などを借りてまで大学に入ったり、高額の塾代を捻出したりすることなく、高卒で手に職をつけるなどして大企業に就職するほうがよいという考え方もできます。
中卒の場合は高認試験に合格し、なるべく大きな会社に就職するのが有利
高卒の場合は、大卒と逆転できる可能性があるとわかりました。しかし、中卒の場合、なかなかそうはいきません。正規雇用される割合も低いため、まずは高卒者と同じ土俵に上がることからスタートしましょう。まずは、高卒認定試験(以下、高認)に合格することです。高認に合格しても学歴は「中卒」のままですが、「高校卒業者と同程度以上の学力を有すること」を第三者に証明できます。
経験を積み、努力を重ねれば、高卒者と同様に認めてもらえる可能性を広げることができるのです。また、さまざまな資格試験に挑戦できるため、より条件のよい企業への転職も可能になるでしょう。