大検と高卒認定はどう違う?進学や就職に役立つ高認のすすめ
かつて「大検」といわれていた試験は、2005年度から高卒認定試験へと変わりました。大学への入学に焦点が当てられていた試験から、高校卒業程度の学力を測る試験になっています。今回は、大検と高卒認定試験のちがいに触れながら、合格すると将来どういったメリットがあるのかをまとめてご紹介します。
以前の大検と高卒認定はほぼ同じ制度
大検(大学入学資格検定)は、2004年度まで実施されていました。2005年4月、大検から高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)という新試験に移行しています。ただ、2つの試験で合格に必要な科目は異なるため、大検の科目合格をそのまま使えないケースもありました。
どちらの試験も、高校卒業レベルの学力を認定して、大学進学のための資格や就職で履歴書に書けるものです。そのため、大検に合格している人は、高卒認定に合格する必要はありません。
メリット①進路が広がる
高卒認定に合格すれば、大学入学資格が得られるため、進路が広がる点は大きなメリットです。大学を受験するには、高等学校を卒業している必要があります。そのため、中卒の場合は大学受験ができません。しかし、高卒認定試験に合格すれば大学への受験が可能となります。
大学を受験するために、わざわざ高校を卒業しなくてもよいのです。ただし、高卒認定試験に合格しても最終学歴は高卒とはならず中卒のままとなる点は押さえておきましょう。
メリット②就職が有利
高卒認定試験に合格することで「中卒」や「高校中退」よりも就職が有利になる可能性があります。なぜなら、高卒認定試験に合格すれば履歴書の学歴欄へ記入することができるからです。文部科学省が2011年に行った調査によると、高卒認定合格者が採用試験で「高卒と同等である」と回答した企業と自治体の割合は次の通りでした。
・企業:25.9%(前回21.2%)
・自治体:44.9%(前回38.3%)
また、人事考課で「高卒と同等である」と回答した企業と自治体の割合は、以下の通りです。
・企業:21.2%(前回18.1%)
・自治体:29.2%(前回25.2%)
採用試験や人事考課で「高卒と同等」と扱っている企業や自治体は増加しているため、高卒認定試験に合格することで中卒よりも有利になることが期待できます。
メリット③資格試験に受験できる
高卒認定試験に合格することで、国家資格などの受験資格を得られることもメリットの一つです。自治体の採用試験をはじめ、国家試験や公的資格の中には、受験資格が高卒以上となっているものもあります。しかし、中卒や高校中退の場合は、高卒資格がないため、国家資格にチャレンジしたくても受験自体ができません。
そういった場合でも高卒認定に合格すれば、高校を卒業せずに受験資格を得ることが可能です。例えば、国の機関や地方自治体の市区町村の採用試験や保育士、教員試験などの受験資格を得られます。
まとめ
旧大検は、新試験の高卒認定試験になってから、さらに社会で認知度が高くなっています。合格すると進学や就職、資格試験の選択肢が広がるので、社会で活躍できるチャンスを広げることができるでしょう。