中卒で介護職を目指す方法は?学歴や実務経験による資格取得ルートの違い
日本の高齢化社会は、依然として加速し続けているため、高齢者をケアする介護職のニーズが高まっています。介護職になるには、学歴や資格、経験の有無がどのくらい関係するのでしょうか。介護職で取得しておきたい資格と取得の流れを合わせてご紹介します。
中卒で介護職になるには
介護業界では、人材不足に悩む介護施設や事業所が多い傾向です。なかには「求人募集をしてもなかなか人が集まらない」「せっかく採用しても長く続かない」といった声も耳にします。そのため、介護職は学歴よりやる気や資格のほうが大切です。
介護の中には、資格がなければできない業務もありますが、「介護現場で補助的な仕事をする」「介護施設の事務」「設備管理」「送迎車の運転手」などは、介護の専門資格がなくても仕事に就けます。実際に、求人情報をチェックしても、学歴不問の求人案件が少なくありません。
最初は、中卒で無資格のまま採用された方でも、現場で経験を積みながら介護の専門資格の取得を目指してステップアップすることが可能です。
介護職で有利な専門資格
介護業界は、学歴や資格がなくてもチャレンジできます。ただし、高齢者の身体に直接触れて介護をする「身体介助」は介護の資格がなければ担当できません。そのため、次のような介護資格の取得を目指すのがおすすめです。
介護職員初任者研修
介護資格の入門的な資格で、かつて訪問介護員(ホームヘルパー)2級と呼ばれていた資格がリニューアルしたものです。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士になりたい方が、所定の養成施設に通わず実務経験だけで受験資格を得るための講習制度です。
介護福祉士
介護現場で活躍するための中核的な役割を持つ国家資格です。障害のある高齢者に向けて、介護サービスを提供します。施設や利用者の自宅で入浴介助や食事介助などを行ったり、介護の現場でリーダーシップをとって職場をまとめたりするのが仕事です。
資格取得まで学歴でルートが異なることも
中卒のままでも介護の専門資格の取得を目指せますが、実務経験が一定年数以上必要なものが多い傾向です。例えば介護福祉士の場合、高卒から福祉系大学に進学すれば、1年以上の介護福祉士養成施設の通学で国家試験を受験できます。
しかし、中卒の方は、実務経験を3年以上クリアした後に、実務者研修を受講して初めて受験資格が得られます。このように、学歴の違いで同じ資格であっても、取得ルートに大きな違いはありますが、現場で働きながら介護福祉士などの将来に有利な資格にチャレンジできるのが大きなポイントです。
まとめ
慢性的に人材不足となっている介護業界では、中卒でも積極的に採用している施設はたくさんあります。ただ、介護現場で活躍していくためにも、実務経験を積みながら、介護福祉士のような専門資格を取得すると、職場でのキャリアアップを目指せます。