高校中退後に学びたいなら?通信制高校・定時制高校・高認などの選択肢が
高校を中退したものの「大学や専門学校への道をあきらめたくない」「もっと学びたい」「せめて高校卒業という学歴がほしい」という思いを抱えている人もいるのではないでしょうか。また、高校中退後の進路について悩んでいる人も少なくありません。ここでは、高校を中退した人が進学する際の選択肢をいくつか紹介しています。
今回は、通信制高校や定時制高校、高卒認定試験(以下、高認)のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
通信制高校はこんなところ
通信制高校は、「全日制・定時制の高校に通学することができない青少年に対して、通信の方法により高校教育を受ける機会を与える」という目的で創設された制度です。全日制・定時制高校とは異なり、通学する必要がありません。学年という考え方がなく、必要な単位を取得できれば卒業できます。
1年あたりに取得しなければならない単位数が決まっているわけでもありません。自分のペースで単位を取得することができ、留年という制度そのものがないのです。また、全日制高校を中退前に取得した単位についても引き継ぐことができます。
ただし、気をつけておきたいのは、卒業までにかかる年数です。自分のペースで勉強できるものの、通信制高校には最低でも3年在籍しなければなりません。単位を取得するペースが遅い人は、卒業までにそれ以上の年数がかかることになります。
定時制高校はこんなところ
定時制高校は、「中学校を卒業して勤務に従事するなどさまざまな理由で全日制の高校に進めない青少年に対して高校教育を受ける機会を与える」という目的で設立された制度です。夜間や、その他特別な時間帯・時期に授業が行われるため、勤めながらでも通うことができます。勤めている状況に応じて通う時間帯を選ぶことも可能です。
定時制高校は、通信制高校とは異なり高校に通う必要があります。その分、クラスメイトとの交流も生まれ、互いに励まし合ったりクラスとしての一体感が生まれたりするといったメリットもあるでしょう。ただし、定時制高校の場合も卒業までにかかる年数には注意が必要です。
定時制高校は、たいていの場合で4年制をとっています。クラスメイトと励まし合えるとはいえ、4年というのはかなり長いもの。卒業できずに終わるケースも少なくありません。
高卒認定はこんな試験
「大学や専門学校に進学できれば、あえて高校を卒業しなくてもいい」という人の場合は、高認資格を取得することも方法の一つです。高認は、「高校を卒業した人と同等以上の学力がある」ということを国が認定するための資格のため、高認に合格すれば大学や専門学校、各種資格試験の受験資格を得ることができます。
合格するためには、8~10科目で合格することが必要です。しかし、中退した高校で取得した単位があれば、試験を免除される可能性もあります。高認は、すべての科目で合格するまで、何度受けてもかまいません。また、一度合格した科目は、次回から免除されるため、ゆっくりと自分のペースで合格を勝ち取ることができます。
反対に、一度の受験ですべての科目で合格すれば、最短で大学受験資格を得ることも可能です。ただし、高認資格と高校卒業資格は別もののため、高認で合格したからといって最終学歴が「高卒」になるわけではありませんので、ご注意ください。