高認でも奨学金を大学合格後に受けられる?
高認合格者で奨学金を利用したい場合、どのような選択肢があるのでしょうか。奨学金の予約をはじめ、貸与型ではなく給付型の奨学金も利用できるかどうかは、高認合格後に大学進学を考えている人にとって大きな問題です。経済的な不安を少しでもクリアにして受験勉強に臨むためにも、奨学金情報をしっかりと押さえておきましょう。
高認合格者も奨学金が申し込める
高認合格者で大学生になった人も、もちろん大学生対象の各種奨学金が利用できます。奨学金は、大きく分けると、「貸与型給付金」「給付型給付金」の2種類です。
貸与型給付金
JASSO(日本学生支援機構)の奨学金が代表的です。奨学金を借りて学費などに充てるもので、卒業後に返済義務があります。JASSOの場合、第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)があるため、同じ金額を借り入れしても最終的な返済金額が異なるのがポイントです。
給付型給付金
国や自治体、財団法人などによる奨学金のうち、返済義務がないタイプです。貸与型と違って奨学金をもらえるので、返す必要がありません。低所得世帯や児童養護施設に入所している人、または学業や特技で著しい成果がある学生が利用できます。
JASSOの場合
大学進学の奨学金で最も有名なものが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度です。奨学金は大学進学後に大学の事務を通じて申し込むこともできます。在学採用といって進学先で申し込む方法ですが、本当に利用できるかどうか心配が残る人もいるでしょう。
そこで、日本学生支援機構では、奨学金の予約制度を用意しています。予約採用の申し込み資格は、「高認の合格者」または「申し込む年度の合格予定者」です。すでに高認試験に合格している場合の申し込み条件は、以下の2つをすべて満たしている必要があります。
●高認の受験資格を取得した年度(16歳になる年度)の初日から高認合格まで5年未満
●高認に合格した年度の末日(3月31日)から2年未満
給付型奨学金の場合
2020年4月から、文部科学省によって大学や短大などの学生を対象とした新しい就学支援制度が始まりました。高認合格者かつ大学などに進学する人も対象で、家計の経済状況などの要件をクリアすれば、授業料等の減免や給付型奨学金が受けられるようになります。
奨学金や減免される金額は、進学する大学の種類や、自宅か一人暮らしかなどによって異なります。例えば自宅以外から私立大学に進学する学生の場合、給付型奨学金は年間約91万円です。また、入学金の支援額は上限約26万円、授業料の減免は上限約70万円(年間)となっています。(※)
就学支援新制度の利用を考えている受験生は、一度JASSO公式サイトの『給付奨学金シミュレーション』で対象になるか調べてみましょう。
※上記の金額は、いずれも住民税非課税世帯の場合です。
まとめ
奨学金の種類は、大きく分けると「貸与型」「給付型」の2つがあります。JASSO(日本学生支援機構)のような貸与型は、高認合格者でも進学前に予約申し込みが可能です。また、2020年4月からスタートした就学支援新制度では、かつて学業成績や経済状況などの要件が厳しかった給付型給付金がより利用しやすくなりました。
「高認合格をきっかけに大学や短大に進学したいけれど、経済的に心配」といった受験生は、ぜひ奨学金制度の利用を早めに検討しておきましょう。