高卒認定試験とは?中卒で大学・資格取得の受験資格を得るための方法を確認
さまざまな事情から高校を中退した人や進学ができなかった人達、最終学歴は「中卒」です。「中卒」の人のなかには、就職するときや社内での昇進を望む際に最終学歴が障害になっていると感じている人もいるのではないでしょうか。「何らかの手段を講じたい」という人におすすめなのが、高校卒業者と同等程度の学力があることを証明するための「高卒認定試験」です。
本記事では、高卒認定試験の概要や合格によって得られる資格、合格の難易度と費用についてわかりやすく説明します。
高卒認定試験は「高卒と同等の学力がある」ことを証明するための試験
高卒認定試験は、何らかの理由で高校を卒業できなかった人に向けて文部科学省が実施している試験です。合格によって「高校卒業者と同程度の学力がある」と第三者に証明できます。ただし、高卒認定試験に合格したからといって、最終学歴が「高卒」になるわけではありません。あくまで、高校卒業者と同等の学力があることを証明する試験となる点は押さえておきましょう。
高卒認定試験に合格するメリットは、履歴書などの学歴欄に「高等学校卒業程度認定試験合格」と記載できることです。自身のがんばりを証明できるだけでなく、大学や短大、専門学校といった高等教育機関、さまざまな資格試験の受験資格を得ることもできます。
合格すれば大学や短大・各種資格試験の受験資格を得ることができる
高卒認定試験合格後、大学や短大、専門学校などに進学すれば、最終学歴は「短大卒」「大学卒」「専門学校卒」となるため、学歴としては高校を卒業して大学へ進学した人と全く同じ扱いになります。また、資格を取得できれば、就職や社内の昇進などに際しても有利に働くことが期待できるでしょう。高卒認定試験受験に向いている人は、主に以下のような人です。
・何かしらの事情を抱え高校進学をあきらめた人
・高校を中退した人
・高校に通うことなく大学受験資格を得たい人
・働きながら資格試験の受験資格を得たい人
このように、高卒認定試験は自らの進路を切りひらく道の一つといえます。高卒認定試験を受ける資格が得られるのは16歳以上の人ですが、合格の効力が発生するのは18歳になってからです。高等教育機関を受験するのは18歳になった日の翌日からですが、16歳以上であれば、20代であっても60代であっても受験するのに年齢で制限されることはありません。
高卒認定試験の難易度と費用を確認
高卒認定試験は、高校や大学などの試験とは異なり、ふるいにかけるためのものではありません。「合格させるための試験」ともいわれていて、難易度がさほど高くないのも特徴の一つです。文部科学省から正式に合格点などは発表されていませんが、これまでの実績から各科目4割程度とれれば合格できるとされています。
試験は、中学卒業から高校基礎レベルで例年の出題形式が似通っている傾向です。そのため、過去問を繰り返し解き、解説を読み込むことで十分に合格できるといわれています。合格率は、例年30~40%で推移しており、一科目合格率は90%程度です。取得している資格や高校で修得した単位などによって合格すべき科目数は異なり、一度合格した科目は再度受ける必要がありません。
そのため、受験する科目数によって費用は異なります。例えば受験するのが3科目以下の場合は4,500円、4~6科目の場合は6,500円、7科目以上の場合は8,500円です。高卒認定試験の受験料は、高卒資格を得るのと比べるとさほど高いものではありません。