不登校生の高校選び|自分に合った学校を選ぶためのポイント

「不登校生の高校選び|自分に合った学校を選ぶためのポイント」サムネイル画像

何らかの事情で不登校になり、「高校に進学できるのだろうか」と不安を感じていませんか。実は不登校でも入学可能な高校は豊富に存在します。進路を考えるときは、自分に合った高校を選ぶことが何よりも大切です。

また、高校に進学できなくても進学を諦める必要はありません。高卒認定試験に合格することで、短大や大学などに進学する資格を得られます。

この記事では、不登校生が自分に合った高校を選ぶ際のポイントについてわかりやすく解説します。不登校でも安心して通える高校を探している方は、ぜひ参考にしてください。

不登校生の高校選びのポイント

不登校生の高校選びのポイント

不登校で出席日数が不足していても、高校進学は可能です。ここでは、不登校生が高校を選ぶ際のポイントを解説します。

不登校でも進学できる高校をチェックする

不登校生が進学しやすい高校として、「通信制高校」「定時制高校」「チャレンジスクール」が挙げられます。これらの高校は不登校で出席日数が不足していても入学できます。特にチャレンジスクールは、不登校の経験がある生徒へのサポート体制が整っているのが特徴です。

また、内申書の内容をあまり考慮しない私立の全日制高校もあり、受験に合格すれば不登校生でも入学できます。

公立の全日制高校は内申書の内容を考慮するため、「欠席日数」や「内申点」で不登校生は不利になりがちです。しかし、なかには「不登校枠」を設けている公立高校も存在します。

このように、不登校生でも入学できる高校は数多く存在するため、高校進学を諦める必要はありません。

不登校でも進学できる高校については、以下の記事で詳しく解説しています。

>>「高校受験で成功するための対策」をチェックする

自分に合った学習スタイルの高校を選ぶ

高校の学習スタイルは、大きく分けて「通学制と通信制」「全日制と定時制」「学年制と単位制」が挙げられます。高校によって学習スタイルが異なりますので、自分に合っている学校を選ぶことが大切です。

通学制は学校に通って学習をするスタイルの高校で、通信制は自宅での学習が中心となります。全日制は平日に毎日登校して朝から夕方まで授業を受け、定時制は夕方から夜間にかけて授業を受けるのが一般的です。

学年制は学年ごとに履修する科目や、取得すべき単位数が決められており、3年間の合計で卒業に必要な単位数を満たすことで卒業を目指します。一方で、単位制は学年の枠にとらわれず、卒業に必要な単位数を取得すれば原則として3年間で卒業可能です。

学習スタイルが自分に合っていないと、高校生活がうまくいかなくなる可能性があるため、よく考えて選びましょう。

学校見学をして自分に合っているかを確認する

不登校生が高校を選ぶ際は、パンフレットやホームページを見るだけではなく、実際に学校を見学して自分に合っているかを確認することが大切です。

実際に見学することで、パンフレットやホームページからだけでは伝わらない学校の雰囲気を自分の肌で感じられます。不登校を経験している場合、学校の雰囲気が自分に合うかどうかは特に重要といえるでしょう。自分に合っていないと、高校生活で苦労する可能性が高いためです。

「学校説明会」「学校見学会」「合同説明会」「授業公開」「体験入学」「一般公開」などに参加して、学校の雰囲気や教師、生徒の様子を確認し、自分に合っているかを判断しましょう。

不登校のタイプによる高校の選び方

不登校のタイプによる高校の選び方

不登校になる背景には、さまざまな理由が考えられます。ここでは、不登校のタイプによる高校選びのポイントについてまとめました。

学校生活のトラブルによる不登校

いじめや人間関係が原因で不登校になった場合、安心して勉強できる環境の高校を選ぶことが大切です。

通信制高校だと自宅での学習が基本で、決められた回数のスクーリング(面接指導)を受けるという形式で授業が行われます。毎日登校する必要がないため、いじめや人間関係が原因で不登校になった生徒でも、自分のペースで安心して勉強を続けられるでしょう。

通信制ではなく通学制の高校であれば、不登校生をサポートする体制が整った定時制高校や全日制高校がおすすめです。不登校を経験した生徒が在籍している高校も多く、共通の経験を持つ仲間と出会うことで、共感し合える関係を築きやすい傾向にあります。

学業不振による不登校

学業不振が原因で不登校になった場合、通信制高校や定時制高校がおすすめです。双方の学校は入学のハードルが低いため、ほかの学校に比べると比較的入学しやすいといえるでしょう。入学してからも授業についていけなくなることは少なく、自分のペースで学習を続けると卒業できます。

全日制高校への進学を希望する場合、内申書を重視しない私立高校を選ぶことも一つの選択肢です。今の学力で合格できる可能性がある学校を探し、受験科目数が公立高校より少ない私立高校を選べば、受験勉強の負担を軽減できます。

もし今の学力で合格できるか不安であれば、予備校に通うのがおすすめです。予備校では効率的な受験勉強ができ、短期間で志望校に合格するための学力を身につけられます。

自分に合った学校が見つからない場合でも、多くの高校の情報を持つ予備校であれば、不登校生の状況や学力に応じた学校選びのアドバイスをしてくれるでしょう。

体調不良による不登校

体調不良や病気が原因で不登校になった場合、通学の負担が少なく、自宅学習が基本となる通信制高校がおすすめです。全日制高校だと入学できても毎日の通学が困難になり、中退してしまうリスクが高まるでしょう。

通信制高校にはスクーリング(面接指導)がありますが、形式や回数は学校によって異なります。体調不良でも無理なく学習できる環境を提供している学校もあるため、学校説明会に参加して、通いやすい通信制高校を見つけましょう。

朝早く起きられなくて不登校になった場合、起立性調節障害という病気が影響している可能性が考えられます。このようなケースでは、夕方から授業が行われる定時制高校であれば、無理なく通学できる選択肢となるでしょう。

不登校生の高校選びにおける注意点

不登校生の高校選びにおける注意点

次に、不登校生の高校選びの注意点を解説します。これらについて意識しておくことで、自分に合う高校を絞りやすくなるでしょう。

内申書の内容

不登校生の場合、出席日数と定期テストなどの成績(内申点)は、休まず通学している生徒と比べると不利になりがちです。不登校生が全日制の公立高校を目指す場合、学力試験で高得点を獲得し、内申点の不足を補わないといけません。

不登校枠が設けられている公立高校では、不登校の理由を説明することで選考の際に個々の事情が考慮されます。しかし、不登校であることが入学の合否を必ずしも有利にするわけではありません。

公立高校への進学が難しい場合、担任の先生などと相談し、内申書を重視しない私立高校を受験するといった、ほかの選択肢の検討が必要です。

不登校生を積極的に受け入れてくれるチャレンジスクールや定時制高校、通信制高校も選択肢に含まれます。

学習の遅れ

不登校生は授業や定期試験を受けていないため、休まず通学している生徒と比べると学習の遅れは否めません。

全日制の公立高校を目指す場合、内申点の不足を補う程度の学力が必要です。学力試験と内申点の配分は都道府県によって異なりますが、東京都のケースでは、内申点は3~4割程度配分されますので、学力試験で相当な点数を獲得しなければなりません。

難易度の高い公立の進学校を目指すのであれば、不登校生はかなりの苦戦を強いられるでしょう。高校によっては学力不足でも入学できるところはありますが、学力が十分でないと入学できても卒業できなくなる可能性があることは知っておいてください。

学力不足を補うための独学が難しければ、予備校に通うのがおすすめです。

学費や通学の負担

家庭の経済状況によっては、学費や通学費が大きな負担となる場合があります。不登校生が高校を選ぶ際は、学費や通学費なども調べておきましょう。

公立の全日制高校や定時制高校、通信制高校の学費は比較的安価ですが、私立高校の場合、学費が高めになる傾向があります。

「高等学校等就学支援金制度」で、私立高校の授業料は実質的に無償化されていますが、入学金や教材費用、部活動費用などは無料にはなりません。実際にどれくらいの費用がかかるかを調べておくことが大切です。

また、不登校生にとっては、通学時に大きなストレスを抱えやすい傾向にあります。通学のストレスを減らすため、自宅から近距離にある高校や通信制高校といった選択肢も含め、通学が負担にならない高校を選びましょう。

高卒認定合格という道もある

もし不登校生が高校に進学しない場合でも、高卒認定合格という道も選択可能です。ここでは、 高卒認定試験(高認試験)について解説します。

高認試験の概要

高等学校卒業程度認定試験(高認試験)とは、高校を卒業していない人が高卒者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための国家試験です。試験は年に2回実施され、受験年度の終わりまでに満16歳以上であれば受験できます。

この試験に合格できれば国内外の大学への進学や留学が可能になり、幅広い職業選択や資格取得のチャンスも広がります。不登校や中退など何らかの理由で高校を卒業できなかった人にとって、高認試験は新たな一歩を踏み出すための選択肢になるでしょう。

不登校の経験を経て高認試験に合格し、社会で活躍している人は数多く存在します。高校進学が難しい場合でも、高認試験合格という選択肢は、不登校生にとって大きな希望となるでしょう。

高認試験に合格する方法

高等学校卒業程度認定試験(高認試験)の合格率は40~50%前後とされており、試験の難易度はそれほど高くありません。ただし、試験科目は8~9科目と範囲が広く、高認試験の合格に特化した学習が必要です。

不登校生は自宅学習が中心になる場合が多いですが、自宅では集中するのが難しく、学習の習慣が身につきにくいといったデメリットがあります。また、自分自身で学習計画を立てなければならず、効果的な勉強方法がわからないという悩みもあるでしょう。

合格を目指すためには、予備校に通うのが有効な手段の一つです。予備校では、学習に特化した環境が整っており、学習習慣を身につけやすくなります。

また、プロの講師による指導を受けながら効率的に学習できるため、独学よりも合格の可能性が高まるのも大きなメリットです。

まとめ

勉強する女子高生

不登校であっても、通信制高校、定時制高校、チャレンジスクールなどの高校は入学しやすく、内申書の内容をあまり考慮しない私立の全日制高校という選択肢も用意されています。

不登校枠を設けている公立高校も入学できる可能性があり、不登校のタイプに基づいて自分に合った高校を選ぶことが大切です。

また、高校に進学しなくても高卒認定合格という道もあります。効率よく勉強して短期間で合格するには、予備校に通うのがおすすめです。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ