【高認合格ナビ】高校中退でもできる仕事は？将来も考えて知っておきたい選択肢

高校を中退すると「自分にできる仕事はあるか」といった不安を抱える方は多いでしょう。高校を中退しても、できる仕事は豊富に存在します。しかし、さまざまな課題に直面するため、本人の努力が必要といえます。

本記事では、高校中退後にできる仕事の種類や現実的な課題、将来に向けた選択肢まで詳しく解説します。将来の選択肢を広げるのに役立つ「高卒認定試験」についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

高校中退でもできる仕事とは

高校を中退した方のなかには、「中卒だから就職は無理」と将来を悲観している人もいるのではないでしょうか。しかし、日本の労働市場には、学歴よりもやる気や人柄、コミュニケーション能力などを重視する仕事が数多く存在します。

まずは、高校中退後でも採用されやすい仕事について見ていきましょう。

接客・サービス系

飲食店のホールスタッフや、スーパー・コンビニなどの接客業は、高校を中退した方でも採用されやすい仕事の一つです。人と話すことが好きな方や、社交的で明るい性格を活かしたい方に向いています。

魅力として、接客を通じてコミュニケーション能力が身に付く点が挙げられます。また、接客業のなかには、美容サロンの受付やアパレル店員など、おしゃれや美容に関心がある方に合う仕事もあります。

これらの仕事はアルバイトから正社員としてキャリアアップできるケースも多く、努力次第では、道を切り開くことが可能です。

建設・工場系

体力に自信がある方であれば、建設現場や工場での仕事も選択肢の一つです。高校を中退していても建設・工場系の現場で活躍している方が多く存在します。近年の建設業界では、深刻な人手不足が続いており、若い人材が求められているため、年齢次第では採用されやすいでしょう。

力仕事や屋外作業が多く、体力面の負担がありますが、手に職をつけたい方にとって魅力的な業界です。資格取得支援制度がある企業も多く、キャリアを積むことで職長や施工管理といった役職へのキャリアアップも目指せます。

介護系

介護職も、高校を中退した方でも採用されやすい仕事の一つです。高齢化社会が進むなか、介護現場では慢性的な人手不足が課題となっており、未経験者や未資格者でも応募できる求人が多数存在します。

体力が必要とされる仕事ですが、性別に関係なく「人の役に立ちたい」という気持ちがあれば大きなやりがいを感じられます。働きながら介護関連の資格を取得すれば、キャリアアップや給与アップにつなげることが可能です。

IT・クリエイティブ系

IT業界やクリエイティブ業界も、高校を中退した方でもチャンスを得られやすい分野です。プログラミングやデザインなど、特定のスキルさえあれば、学歴に関係なく採用する企業が増えています。

特にIT系は「学歴不問」の求人も多く、自宅で学べる無料・低価格のオンライン講座なども充実しているため、努力次第では就職できる可能性があります。自分の力でキャリアを切り開きたい方におすすめの職種です。

営業系

営業職は、成果主義・実力主義の企業が多いため、学歴よりも「売上を伸ばしてくれそう」といったポテンシャルが重視されます。高校を中退した方であっても、やる気やコミュニケーション力、粘り強さがあれば十分活躍できます。

歩合制やインセンティブ制度を導入している会社も多く、成果を出せば高収入も期待できるのが魅力です。未経験からスタートし、若くして管理職やリーダーになる方も少なくありません。

清掃・メンテナンス系

清掃業務や設備の簡単なメンテナンス業務も、高校を中退した方でも採用されやすい仕事の一つです。オフィスビルや商業施設、ホテルなど、さまざまな場所で求人があり、特別な資格やスキルを必要としないものがほとんどです。

コツコツと作業するのが得意な方、黙々と仕事に取り組みたい方に向いています。安定した需要があるため、長く働ける環境が整っていることも多いです。

物流・配送系

Eコマースやネットショッピングの拡大にともない、物流業界も人手不足に陥っています。倉庫での商品仕分けやピッキング、梱包作業、配送助手などは、高校を中退した方でも採用されやすい仕事であり、求人も豊富です。

体を動かす仕事が好きな方におすすめの職種であり、普通運転免許を持っていれば配送ドライバーとして活躍する道も開けます。安定した収入を得ながら、将来的に運行管理者やリーダー職へのキャリアアップも可能です。

警備員

警備員も、高校を中退した方でも採用されやすい傾向にあります。施設警備やイベント会場での交通誘導など仕事内容は幅広く、学歴不問の求人が多いのが特徴です。充実した研修制度が整っていることが多く、未経験でも安心してはじめられます。

安定した需要があり、夜間勤務や休日勤務が含まれることも多いため、高めの給与が設定されている場合もあります。

高校中退でも働ける仕事には限界がある

高校中退後でも就職できる仕事は数多くありますが、現実的にはいくつかの「壁」に直面することも珍しくありません。

高校を中退した方は、まず「目の前の仕事」を見つけようとしますが、働くうちに給与やキャリアの展望、さらなるステップアップの難しさに直面する可能性があります。

ここからは、高校中退後に働く際に直面しやすい課題について見ていきましょう。

給与水準が比較的低くなりがち

高校中退後に就職できる仕事の多くは、「未経験者」や「特別な資格を持たない」方向けの職種です。そのため、初任給が低めに設定されているケースが多く、昇給のスピードも緩やかである傾向があります。

また、最終学歴が中卒であることが理由で、応募できる企業や職種が限定されてしまう可能性もあります。その結果、専門的なスキルが必要とされない仕事に就くケースが多く、賃金水準が低くなりがちです。

高い収入を得るには、働きながらスキルを身に付けたり、学び直しを検討したりすることが必要となるでしょう。

キャリアアップの機会が少ない

高校中退後に就くことの多い仕事のなかには、専門性や高度なスキルを必要としないものも多く見られます。こうした職種では、経験を積んでも新たな知識や技術を得る機会が限られ、結果として管理職などのポジションを目指しづらくなることがあります。

また、正社員登用や昇進・昇給といった場面でも、高卒以上の学歴を持つ人と比べて不利になりやすいのが現実です。実力があっても、学歴で選考対象から外されてしまうケースも少なくありません。

こうした状況を打開する手段として、「高卒認定試験」に挑戦する方が増えています。努力次第では、学歴のハンデを乗り越え、将来の可能性を大きく広げられます。

学歴が壁になる場面がある

転職やキャリアアップを考えたときに「学歴」がネックになる場面は少なくありません。

特に、より良い待遇や条件の会社に転職したい場合、応募条件に「高卒以上」と記載されていて応募できないケースもあります。また、資格取得を目指す際にも、高卒以上を受験資格としている資格が多く、高校中退（中卒）のままだとチャレンジできない可能性もあります。

こうした壁を乗り越えるために、高卒認定試験を受験するのがおすすめです。同試験に合格すれば、高卒と同等の学力があると認められ、資格試験や進学の道が開けるだけでなく、就職や転職活動でも選択肢が広がります。

将来の選択肢を広げるなら「高卒認定試験」がおすすめ

高校を中退したあと、働きながら将来について考えるなかで、不安に感じている方もいるかもしれません。「就職先の選択肢が限られている」「転職時に学歴で不利になる」「取得したい資格に学歴要件がある」といった壁にぶつかったとき、「高卒認定試験」が役に立ちます。

ここからは、高卒認定試験の概要とメリットについて、詳しく見ていきましょう。

高卒認定試験とは何か？

高卒認定試験の正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」といい、文部科学省が実施する国家試験の一種です。

試験科目は、国語・数学・英語・理科・地理歴史・公民などから8～9科目（履修状況により異なる）を受験する仕様になっており、合格ラインは原則として各科目40点以上とされています。

出題範囲は広めですが、高校の基礎的な学習内容で構成されており、塾や予備校などを活用することで、効率的な対策を行えます。

合格すれば「高卒と同等」とみなされる

この試験に合格すると、「高卒と同等の学力がある」と認められ、大学受験や各種国家資格の受験資格を得られるようになります。

ただし、最終学歴は「中卒」のままである点に注意が必要です。履歴書の学歴欄に「高卒」と記入するには、「実際に高等学校を卒業するか」「高卒認定試験を経て大学・専門学校を卒業する」必要があります。

高卒認定を取得することで、開ける進路や可能性は格段に広がりますが、上述した点に注意しましょう。

大学進学、専門学校、資格試験の受験が可能になる

高卒認定試験に合格すれば、大学や専門学校に出願できるようになります。もちろん、各学校の入学試験に合格する必要はありますが、まずは「受験資格を得る」という点で大きな前進です。

また、「高卒以上」を受験資格とする多くの資格試験にも挑戦できるようになります。例えば、宅地建物取引士（宅建）や介護福祉士、行政書士など、将来のキャリア形成に役立つ資格の取得も目指せます。

就職・転職の幅も広がる

高卒認定試験は、進学だけでなく就職・転職の場面でも大きな武器になります。多くの企業や公務員試験では「高卒以上」が応募条件とされているため、合格しておくことで選べる職種の幅が広がります。

特に公務員を目指す場合、高卒認定試験に合格していれば、高卒程度の区分で各種試験を受けることが可能です。安定した職場を目指したい方には、大きな一歩となるでしょう。

まとめ

高校を中退しても、接客業や建設業、ITなど、さまざまな分野で働くことは可能です。ただし、長期的なキャリア形成を考えると、学歴やスキルの壁に直面する場面があります。

そんなときに役立つのが「高卒認定試験」です。合格すれば進学や資格取得だけでなく、就職・転職などのできる仕事の幅も広がります。近年では、高卒認定試験の合格に特化した塾や予備校もあり、効率的な学習が可能です。将来を切り開く第一歩として、ぜひ活用を検討してみてください。