【高認合格ナビ】高卒認定で行ける大学とは？国立・私立・海外の進学ガイド

「高校を中退してしまった」「不登校で単位が足りない」「高卒認定で行ける大学はあるのか」など、進路に関する悩みを抱え、将来に不安を感じている方は少なくありません。

しかし、高卒認定試験（高卒認定）に合格すれば、国立大学・私立大学・海外大学を含む一般的な大学の受験資格を得られます。

本記事では、高卒認定で進学できる大学の種類や受験方法、16歳からの進学可否などについて詳しく解説します。高卒認定の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

高卒認定を取得すれば大学に行ける？

結論として、高卒認定を取得すれば、高校を卒業していなくても大学の受験資格を得られます。高卒認定試験は、文部科学省が「高校を卒業した人と同等以上の学力があるかどうか」を認定する試験です。同試験に合格すれば、国立大学・私立大学・海外大学も受験できます。

高卒認定を取得しても、高校卒業と同じ「学歴」にはなりません。しかし、大学受験・専門学校受験・就職などの場面では、学力を証明する資格として正式に認められています。これは、高校で学ぶ内容と同等以上の学力があることを公的に示すものです。

こうした背景から、高校中退後に大学進学を目指す方や、不登校による単位不足の方など多くの受験生がこの制度を活用し、新たな進路を切り開いています。

高卒認定で行ける大学の種類

高卒認定で進学できる大学は幅広く、国立大学・私立大学・海外大学など、一般的な大学への進学が可能です。

ここからは、進学先の種類ごとの特徴について詳しく解説します。

国立大学

高卒認定に合格すれば、大学入学共通テストを受験でき、国立大学への出願も可能です。出願時には高校の調査書は不要で、代わりに高卒認定合格証明書を提出します。この証明書は、高校卒業者と同等の学力を有していることを公的に示すものです。

高卒認定試験に合格すれば、多くの国立大学で出願要件を満たし、高校卒業者と同様に受験できる場合があります。

国立大学の合否は、共通テストと個別試験の成績などにもとづいて判断されるため、高卒認定であること自体が不利になるとは限りません。実際に、高卒認定から国公立大学へ現役合格する受験生も見られます。重要なのは、高校の学習内容をしっかり理解し、高得点を取れる学力を身に付けることです。

私立大学

私立大学も、一般選抜・総合型選抜（AO）・自己推薦など、さまざまな入試方式で受験できます。多くの私立大学が多様な選抜方法を設けているため、高卒認定の受験生でも選択肢は豊富です。

ただし、高校の調査書や学校推薦を必要とする指定校推薦や公募推薦は、高卒認定では基本的に利用できません。

それでも、早稲田大学や慶應義塾大学、MARCH（明治・青山学院・立教・中央・法政）、関関同立（関西・関西学院・同志社・立命館）など、難関私立大学へ合格するケースもあります。特に総合型選抜（AO入試）では、中退後の学習努力、将来の目標、自主的な活動経験などを積極的にアピールできます。

こうした要素は評価対象になりやすく、高卒認定の受験生にとってむしろチャンスとなる場合もあります。自分の意欲や適性を明確に伝えることが、合格への大きな一歩につながります。

海外大学

高卒認定でも海外大学への進学は可能です。高卒認定試験の合格により海外大学の出願要件を満たせる場合がありますが、扱いは国・大学によって異なります。

特に、アメリカのコミュニティカレッジや、オーストラリア・カナダの大学準備コース（ファウンデーションコース）は、高卒認定の資格を利用した進学ルートが確立しています。これらのコースでは、海外大学で学ぶために必要な学力や英語力を身に付けられます。

一方、ハーバード大学やスタンフォード大学など世界トップレベルの大学では、高卒認定だけでの出願が難しい場合があります。その場合は、コミュニティカレッジなどで2年間学んだあと、大学へ編入するルートが一般的です。

海外大学を目指す場合は、IELTS・TOEFLといった語学試験の対策も欠かせません。志望国や大学によって求められる基準が異なるため、出願要件は必ず事前に確認しましょう。

高卒認定を取得すれば16歳でも大学に入学できる？

高卒認定試験は、受験する年度の終わりまでに満16歳以上になる方が受験できます。ただし、18歳になる前に全科目に合格した場合は、18歳の誕生日の翌日から合格者となります。

一方で、例外的に17歳で大学に進学できる「飛び入学制度」もあります。これは、学業成績や資質が特に優れていると判断された場合に利用できる制度で、千葉大学（国立）や名城大学（私立）、京都大学（国立）などが実施しています。（令和7年時点）

ただし、飛び入学の条件は大学ごとに大きく異なります。また、高卒認定の合格時期によって出願資格が左右されるケースもあるため、志望大学の募集要項は必ず事前に確認し、早めに準備を進めることが重要です。

高卒認定では大学受験が不利になる？

結論として、高卒認定だからという理由で大学受験が不利になることはありません。ここからは、高卒認定が不利にならない理由や、高校卒業との違いについて解説します。

不利にはならない

大学受験が不利にならない理由は、大学が高卒認定を正式な学力証明として認めているためです。

国公立・私立大学の一般選抜（一般入試）は、試験の得点によって合否が決まります。そのため、高卒認定であることが不利に働くことはありません。

一方で、高校の調査書を必要とする指定校推薦や公募推薦は、高卒認定では利用が難しい制度です。しかし、自己推薦や総合型選抜など、受験生自身の能力・意欲・活動実績を評価する入試方式は利用できます。

特に総合型選抜（AO入試）では、学力だけでなく、活動実績・将来の目標・意欲などが総合的に評価されます。

「高卒認定は意味がない」「高卒認定は不利」という意見が一部で見られますが、その多くは、推薦入試の一部が使えない点に由来します。一般入試や総合型選抜を通じて進学するうえで、不利になる要素はありません。

高校卒業との違い

高校卒業とのおもな違いは、高卒認定で受験する場合は調査書が発行されない点です。調査書を必要とする「公募推薦」や「指定校推薦」は利用が難しくなります。

調査書がないため、高校での活動記録は提出できませんが、「自主的に取り組んだ学習や経験」をアピールできます。面接では中退理由を聞かれるケースもありますが、理由を前向きに説明できれば評価に影響することは少ないでしょう。

高卒認定の取得に向けた勉強法

高卒認定試験は受験科目が多いため、計画的に学習しなければ合格までに時間がかかることがあります。

最後に、高卒認定試験を効率よく合格するための方法を紹介します。

独学で合格を目指す場合

独学には、費用を抑えて受験できるという大きなメリットがあります。成功のポイントは、自分に合った参考書を選び、過去問で出題傾向を把握することです。科目ごとに学習計画を立て、自己管理を徹底することが短期間での合格につながります。

ただし、独学は自由度が高い反面、継続が難しく、途中で挫折してしまうケースが多い点が課題といえるでしょう。

塾や予備校を活用するのがおすすめ

「確実に合格したい」「難関大学を目指したい」という方は、高卒認定に対応した塾や予備校を活用するのがおすすめです。塾や予備校では、高卒認定試験の傾向や対策に精通した講師が学習計画を立ててくれるため、効率的に合格を目指せます。

また、個別指導を提供している場合は、理解度に合わせた授業を受けられる点も大きなメリットです。「中学レベルから学び直したい」「本気で難関大学進学を狙いたい」など、さまざまなニーズに柔軟に対応できます。

さらに、同じ目標を持つ仲間と学ぶことで刺激を受けやすい点も魅力です。講師へ気軽に相談できる環境も整っているため、独学よりもモチベーションを維持しやすくなります。

まとめ

高卒認定を取得すれば、国立大学・私立大学・海外大学まで幅広い進路が開けます。飛び入学制度を利用すれば、17歳で大学に入学できる可能性もあります。

大学受験において高卒認定は、一般選抜や総合型選抜で高校卒業者と同等に扱われる正式な学力証明であり、不利になることはありません。

また、「確実に合格したい」「難関大学を狙いたい」という方には、高卒認定試験や大学受験対策に精通した塾や予備校の活用が有効です。効率的に学習できるだけでなく、モチベーションの維持にもつながるため、活用するようにしましょう。