【不登校の中学生必見!】高校受験で成功するための対策とは
中学生が不登校になると、このままの状態で高校に進学できるのか心配になりますが、不登校であっても高校進学は可能です。最近は不登校生に対して柔軟に対応する高校が増えており、不登校で出席日数が不足していても入学できる可能性は十分あります。
この記事では、不登校の中学生でも入学できる高校や、高校受験に成功するための対策を解説します。高校受験を目指す不登校の中学生は、ぜひ参考にしてみてください。
不登校の中学生でも高校受験を目指せる
不登校生でも入学できる高校は存在します。例えば、通信制高校や定時制高校は不登校でも入学しやすく、不登校の経験がある生徒をサポートするチャレンジスクールという学校もあります。
一部の私立の全日制高校でも、受験に合格すれば不登校生でも入学は可能です。公立の全日制高校への進学の場合、不登校生は「欠席日数」や「内申点」で不利になることがありますが「不登校枠」を設けている公立高校も存在します。
このように、不登校の中学生でも入学できる高校は存在するため、進学をあきらめることはありません。ただし、不登校生は学習の遅れや欠席日数などが高校受験に不利になることがあるため、適切な対策を講じる必要があります。
不登校の中学生が高校受験をする際の注意点
不登校の中学生でも高校受験は可能ですが、以下の点に注意が必要です。
調査書点(内申点)は不利に働く可能性がある
不登校生の高校受験で注意が必要なのは、中学時代の調査書(内申書)の内容です。調査書とは、中学時代の学業成績や出席日数など、学校生活の記録をまとめた書類であり、公立高校の一般入試では、調査書点(内申点)も考慮されます。
学校に通って授業や定期試験を受けていないと、内申点が低い可能性が高く、学力試験の成績がよくても不合格になる可能性があります。合格するには、学力試験で相当な高得点を取り、調査書点の不足を補わなければなりません。
私立高校も調査書点を考慮することがありますが、欠席日数を比較的寛容に受け入れる学校もあり、不登校生でも合格できる可能性があります。受験する高校を選ぶ際は、調査書点が低くても合格できる可能性が高い学校を選ぶことが大切です。
不登校枠は優遇措置ではない
公立高校によっては、不登校枠を設けていることがありますが、不登校枠は不登校の生徒に対して特別に設けられた優遇措置ではないため、優先的に入学できるわけではありません。
不登校枠とは、不登校生に対して欠席日数が多い理由の説明を行う機会を与えたり、面接で個人の状況を詳しく聞いたりするなど、受験に際して一定の配慮がなされるものです。
不登校生を優先的に合格させる制度ではなく、合格するには学力試験で高得点を獲得しなければなりません。不登校生を優先的に合格させると、学校に登校している人との公平性が崩れてしまいます。
なお、全国一律で「不登校枠」という制度があるのではなく、名称や内容は都道府県や学校によって異なります。
不登校枠を利用して高校受験をする際は、地元の自治体の教育委員会などに問い合わせて確認してください。
不登校の中学生でも入学できる高校
不登校の中学生でも入学できる高校として、通信制高校、定時制高校、一部の全日制高校、チャレンジスクールなどがあります。ここでは、これらの学校の特徴や入試の難易度などを解説します。
通信制高校
通信制高校とは、自宅学習が中心で毎日登校する必要はなく、学校が定めた日にだけ登校する学習スタイルの高校です。。3年間在籍して所定の単位を取得すると卒業でき、高卒資格が与えられます。
授業のスタイルは、「レポート」「スクーリング」「試験」を通して所定の単位を取得するというものです。普段は自宅で勉強してレポートを提出し、月に数回程度通学して先生から直接指導を受けます。
授業の内容はやさしくなっているため授業についていけない可能性は低いですが、心配な場合は勉強をサポートしてくれる「サポート校」の併用も検討するとよいでしょう。
入学試験は全日制高校に比べて難易度が低い傾向にあり、不登校経験のある生徒に対しても柔軟に対応する学校が多いです。
定時制高校
定時制高校とは、平日は毎日登校して4時間ほどの授業を受けるスタイルの高校です。夕方から授業が行われる学校が多く、「夜間学校」と呼ばれることもあります。
部活動を楽しめる学校もあり、3~4年で所定の単位を取得すると卒業できます。卒業すると高卒資格が取得できますが、この資格には定時制と全日制の区別はありません。どちらの課程を修了しても、同じ資格が得られます。
また、社会人や全日制高校の中退者、不登校生など、さまざまな事情を抱えている人が通っており、個々の事情に合わせて柔軟に対応してくれる学校が多いです。授業の難易度もやさしく、きちんと勉強をすれば授業についていけないことは少ないでしょう。
入学試験は学力試験と面接試験が行われることが多く、学力に不安があっても合格できる可能性があります。
全日制高校
全日制高校とは、日本では一般的であり、平日は毎日登校して朝から夕方まで授業を受けます。授業時間は6時間程度で、夏休みや冬休みなどの長期休暇もあります。授業が終わってからの部活動が盛んに行われている学校が多いです。
全日制高校は毎日通学して集団生活を送らなければなりません。高校は義務教育ではないため、不登校を続けると出席日数不足や単位不足で卒業できなくなる可能性があります。
先述したように、入学試験では公立高校は調査書点が考慮されるため、不登校生は一般の生徒よりも不利になることがあります。私立高校は欠席日数を寛容に受け入れる学校もあるため、学校の選び方が重要です。
チャレンジスクール
チャレンジスクールとは、不登校の経験がある生徒が安心して通えるように、さまざまなサポート体制を整えている高校です。公立高校でありながら調査書点はあまり重視されないため、不登校生でも入学しやすくなっています。
学習スタイルは定時制で、午前・午後・夜間のなかから通学しやすい時間帯を選び、平日は毎日登校します。4年間で所定の単位を取得すると卒業でき、自分のペースで学習できる単位制であるため、3年で卒業することも可能です。
学習面だけでなく生活面も重視するのが特徴で、福祉活動やボランティア活動などを通じて社会性が身につきます。また、自分と同じ不登校の経験がある生徒が通っているため、友達を作りやすい環境が整っています。
不登校の中学生の高校受験を成功させるための対策
不登校の中学生は調査書点が低いなど、一般の生徒と比べると高校受験では不利になります。ここでは、不登校の中学生が高校受験を成功させるための対策を解説します。
情報収集を徹底する
不登校生の高校受験では、調査書点を重視しない高校を探すなど、受験情報の収集を徹底して行うことが大切です。中学の担任の先生や、不登校生を受け入れてくれる予備校の先生などに相談し、高校受験の情報を収集しましょう。
調査書点を重視しない私立高校も存在し、このような学校だと学力試験で好成績を修めれば合格できる可能性が高いです。公立高校の多くは調査書点を重視するため、公立高校を希望する場合は不登校枠のある高校を探しましょう。
学校を選ぶ際はホームページやパンフレットを確認するだけでなく、学校見学会や学校説明会などにも参加し、どのような学校であるかを実際に確認することも大切です。自分自身で確認することにより、自分に合っている学校であるかがわかります。
早めに準備する
不登校生の場合、学習面や精神面での準備が必要になるため、早めに受験対策を講じることが大切です。中学卒業後の進路を早めに決めることで、受験勉強に専念できるようになります。
通信制高校や定時制高校に進学するのであれば、それほど学力は要求されませんが、全日制高校を目指すのであれば、合格できる学力を養わなければなりません。早めに学習を始めることが合格につながります。
独学で勉強するのが難しい場合、不登校生を受け入れてくれる塾や予備校などを利用するのがおすすめです。すべての塾や予備校が不登校生を受け入れてくれるとは限らないため、自分に合っている塾や予備校を早めに探しておきましょう。
モチベーションを維持する
高校受験に合格するという目標に向かって学習を続けるためには、モチベーションの維持が不可欠です。受験勉強は長期間に及ぶため、モチベーションが低いと途中で挫折する可能性が高くなります。
不規則な生活はモチベーションの低下につながります。決まった時間に起床し、学習時間と休憩時間をきちんと区別して、規則正しい生活を保つことが大切です。不登校生は生活リズムが乱れていることが多いため、規則正しい生活を心がけましょう。
不登校生がモチベーションを維持するには、家族や周囲のサポートが欠かせません。学校の先生やカウンセラーなどの専門家とも相談し、適切なアドバイスを受けることも大切です。
予備校を活用する
予備校に通うという選択肢は、高校受験に挑む不登校生にとって大いに役立ちます。学力が不足している場合、予備校でプロの講師による指導を受けることで、学力不足を補えるでしょう。勉強法も教えてもらえるため、効率的な受験勉強が可能です。
受験する高校を選ぶ際も予備校は役立ちます。予備校にはさまざまな高校の情報が集まっており、不登校生でも入学できる高校などの受験情報が得られます。
同じ境遇の仲間と切磋琢磨することにより、高校受験のモチベーションを高められることも予備校に通うメリットです。不登校生を受け入れてくれる予備校だと、自分と同じ不登校の経験がある生徒が集まっており、友達が作りやすく、励まし合って受験勉強を続けられます。
このように、予備校に通うことは合格するための学力を養えるだけでなく、情報収集やモチベーションの向上にも役立ちます。
まとめ
不登校の中学生でも、通信制高校、定時制高校、チャレンジスクールなどに進学することは可能です。不登校生を受け入れてくれる全日制高校もあるため、高校受験をあきらめる必要はありません。
不登校生が高校受験する際には、合格するための学力を養うだけでなく、情報収集やモチベーションの維持なども重要です。
予備校に通うとプロの講師による指導が受けられ、進学する高校を選ぶ際にも役立ちます。また、高校に進学しなくても大学受験資格を得られる「高卒認定」の勉強ができる予備校もあるので、是非活用をご検討ください。