高卒認定試験は「この対策法」で合格できる
高卒認定試験に合格すると、文部科学省から「高卒者と同等以上の学力がある」と認定され、大学を受験できるようになります。そのため、高卒認定試験は「新たな道への扉」といわれることも少なくありません。
その扉を開くには、8~10科目の筆記試験という大きな壁を乗り越える必要がありますが、8~10科目は何回かにわけて合格すればいいので、「正しい対策」を取れば十分合格できるでしょう。今回は、高卒認定試験の対策法についてご紹介していきます。
どのような問題が出るのか
高卒認定試験の正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」といい、従来「大検」と呼ばれていました。
高卒認定試験は筆記試験だけで、出題方法は選択式です。
合格に必要な科目は選択の仕方によって変わり、最小8科目、最大10科目です。科目は以下のとおりです。
教科 | 科目 | 合格要件 |
国語 | 国語 | 必修 |
数学 | 数学 | 必修 |
外国語 | 英語 | 必修 |
地理歴史 | 世界史A | 2科目のうち1科目選択 |
世界史B | ||
日本史A | 4科目のうち1科目選択 | |
日本史B | ||
地理A | ||
地理B | ||
公民 | 現代社会 | ●現代社会1科目 |
倫理 | ||
政治・経済 | ||
理科 | 科学と人間生活 | ●「科学と人間生活」を選べば「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」から1科目 |
物理基礎 | ||
化学基礎 | ||
生物基礎 | ||
地学基礎 |
国語と数学と英語はそれぞれ1科目で、すべて必修です。
地理歴史は6科目のなかから2科目を選びます。
公民は、現代社会を選択すれば1科目でいいのですが、倫理と政治・経済を選んだら2科目とも受けなければなりません。
理科は、科学と人間生活を選択すれば、あとは物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のなかから1科目受ければいい(計2科目でいい)のですが、科学と人間生活を選択しなければ、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のなかから3科目受けなければなりません。(計3科目)
まずは「国語」を克服しよう
受験勉強は2科目から進めていったほうがいいでしょう。
出題範囲は「高校入学者が使う教科書」ですので、高校1年生が学ぶ内容しか出ません。つまり、中学を卒業した人が学ぶことしか出題されないということです。急がなければ、それほど困難を抱えることなく勉強できます。
しかし、一気に8~10科目すべてにまんべんなく手をつけてしまうと勉強が嫌になってしまうでしょう。
最初の2科目には、国語を入れることをおすすめします。国語は「日本語の勉強」なので、「とっつきやすい」からです。
また、社会も英語も理科も、日本語の深い理解がないと解けないからです。
次いで数学と英語に取りかかろう
最初に取り組むべき2科目のうち、国語以外のもう1科目は、数学か英語をおすすめします。数学も英語も、合格点に必要な基礎学力をつけるのに時間がかかるからです。
数学と英語は、国語と異なり、普段の生活でほとんど使わないので「とっつきにくい」科目です。そのため、勉強を始めてしばらくは「わかった」という実感が得られないかもしれません。しかし、それでも勉強を続けていれば、突然「わかった」と思えるようになるはずです。
それまで、焦らずにじっくり参考書や問題集に取り組んでください。
地理歴史と公民と理科は気分転換で勉強しよう
地理歴史と公民と理科は、「気分転換」のつもりで勉強してみてはいかがでしょうか。歴史や地理や現代社会や科学は、興味があると学習が進みやすいからです。
「NHKの大河ドラマが好き」「動物が好き」「政治が好き」といった自分の興味をベースに科目を選んでみてはいかがでしょうか。
国語、数学、英語は地道な下積みが必要ですが、地理歴史・公民・理科は果敢に応用問題に挑戦していきましょう。
まとめ~高卒認定試験は何年かけてもよい
高卒認定試験は、何回でも何年でも受けることができます。1科目合格すれば、それ以降その科目を受験する必要はありません。
試験は年2回開催されるので、極端な例ですが、1回1科目ずつ合格していけば最短4年で合格できます。
もちろん「早く大学を受けたい」という方は、一発合格を狙ったほうがいいでしょう。
しかし「勉強が苦手」という方は、ゆっくり一歩ずつ進んでいけばいいのです。