不登校生は予備校に通うべき?予備校に通うメリットや選び方とは
不登校になると今後の進路が心配になりますが、予備校に通うことで不登校のさまざまな問題を解決できる可能性があります。万一、高校への登校を再開できなくても、予備校に通うことで大学進学への道も開けますのでご安心ください。
この記事では、予備校に通うメリット・予備校の選び方などを解説します。メリットだけでなく、予備校に通うデメリットも解説しますので、不登校で今後の進路に不安を抱いている方は、ぜひ参考にしてみてください。
不登校生が予備校に通うメリット
不登校生は予備校に通うべきなのでしょうか。ここでは、不登校生が予備校に通うメリットを解説します。
大学進学の可能性が高まる
予備校に通うことで、不登校であっても大学進学の可能性が高まります。不登校になってしまい高校を卒業できなくても、高卒認定試験に合格すると大学の受験資格が得られるため、大学進学への道が開けます。
予備校に通って学力がつくと、不登校でも高卒認定試験に合格することは十分可能です。高卒認定試験に合格後、大学入試に合格というルートで大学に進学できます。この方法であれば、不登校で高校を卒業しなくても、大学進学は可能です。
予備校は、志望大学の入試を突破する際に役に立ちます。予備校に通うことで最新の大学の入試情報を得られ、的を射た受験対策ができるでしょう。
大学入試に合格するには、効率的な学習が不可欠であり、予備校を通して最新の大学受験情報を得ることは極めて有益です。
独学だとどのように勉強すればよいのかがわからず、高卒認定試験や大学入試を諦めてしまうケースもあります。予備校に通って受験のプロから効率的な勉強方法を教えてもらうことは、受験合格に直結します。
共通の目標を持つ友人ができる機会が増える
予備校では自分と同じ境遇の友人と出会える可能性があり、切磋琢磨して勉強に励めます。不登校になると自分の部屋に引きこもりがちになることが多いですが、予備校で友人と出会いコミュニケーションを取ることで孤独になるのを防げます。
不登校という同じ境遇の学生同士、お互いを理解し合える友人になれる可能性が高いです。新たな友人ができれば、その輪が広がり、友人の数も増えていくでしょう。
さらに、予備校には講師や運営スタッフなど、さまざまな人々が在籍しており、他人と関わる貴重な場となります。不登校になると社会から孤立しがちですが、予備校に通うことで社会とのつながりができ、孤立を防ぐことに大いに役立ちます。
復学できる可能性が高まる
予備校に通って学力を身につけることで、復学できるケースもあります。不登校が続き学習の遅れが気になると、復学しても勉強についていけるか不安になりますが、十分な学力があれば復学する選択肢へのハードルも下がります。
復学のためのサポートを行ってくれる予備校もあり、不登校生の復学を全力で後押ししてくれます。予備校に出席すると、学校での出席と同様の扱いになる予備校もあり、出席日数不足の悩みを軽減できます。
保護者も子どもが不登校になると悩みや不安も多くなりますが、サポートをしてくれる存在があると心強いでしょう。
不登校になる原因はさまざまですが、予備校に通って社会と関わっているうちに、抱えている問題が解消でき、再び学校に通えるようになるケースもあります。
不登校生が予備校に通うデメリット
不登校生が予備校に通うメリットは大きいですが、デメリットも存在します。ここでは、不登校生が予備校に通うデメリットと、デメリットを軽減するためのポイントを解説します。
費用がかかる
予備校に通うには授業料がかかり、家計に負担がかかることがあります。不登校の場合、講師からマンツーマンで個別指導が受けられる予備校が望ましいですが、個別指導は集団指導よりも授業料は高めになります。
予備校を検討する際は、学費がどの程度かかるか、奨学金や分割払いなどの支援制度があるかなど、費用面も調べてみることが大切です。家計に負担がかかりすぎないように、無理なく通える予備校を選びましょう。
予備校の授業料を低く抑えるためには、受講数を絞り、いかに自習室を活用するかが重要になります。自習室の利用規定を確認し、自習室の利用時間や、自習中にわからないことがあれば講師に質問できるかどうかもチェックしてみてください。
カリキュラムがすべての人に合うとは限らない
予備校によって教育方針やカリキュラムなどが異なり、すべての人に合うとは限りません。自分に合っていない予備校を選ぶと問題解決が難しくなるため、慎重な選択が大切です。
予備校選びを間違うと、不登校の問題がさらに深刻化する恐れもあります。
不登校生が予備校を選ぶ際は、不登校の生徒の指導に実績がある予備校を選ぶ必要があります。個別指導の場合、特に重要なのは講師との相性であり、体験授業を受けるなどして、講師の指導方法や人間性などを見極めましょう。
さらに、不登校生に対するサポート体制も確認することが大切です。カウンセリングや進路相談のサポート体制が充実しているかどうかを確認し、不登校の問題を解決に導くサポートが受けられるかもチェックしてみてください。
不登校生が予備校や塾を選ぶ際のポイント
不登校生が予備校や塾を選ぶ際は、以下の点に留意して慎重に選ぶことが大切です。
不登校生の受け入れ体制や個別対応の有無を確認する
不登校生が予備校を選ぶ際は、不登校生の受け入れ体制のある予備校を選ぶことが極めて大切です。不登校生の受け入れを専門に行っている予備校は、通常の予備校とは異なる教育方針で運営されています。
不登校生の受け入れを専門に行っている予備校や、不登校生向けに特化したカリキュラムを提供している予備校であれば、学習の指導だけでなく、カウンセリングやメンタルケアなども充実しています。そのため、不登校生のメンタル面でのサポートも受けられるので安心です。
不登校生の場合、集団指導よりも個別指導をしてくれる予備校がおすすめです。不登校生の受け入れを行っている予備校は個別指導や少人数クラスであることが多く、生徒一人ひとりの学習レベルやメンタルの状態に合わせた指導が受けられます。
なお、不登校生の受け入れを行っている予備校だと、同じ境遇の友人と出会える可能性があることも大きなメリットです。
カリキュラムの内容や柔軟性を確認する
カリキュラムの内容が自分の学力や目標に合っているかを確認することが大切です。不登校生は自分に合ったカリキュラムで、個別のペースを保って学習することが重要であり、学力や目標に合わせて柔軟にカリキュラムを作ってくれる予備校だと安心できます。
もし不登校の期間が長い場合、学習のスタート地点を不登校生の学力に応じて、柔軟に対応してもらえるかがポイントです。不登校の期間が長い生徒は学力が相当遅れていることがあり、年齢に関係なく小学生レベルからの学習が必要になる場合もあります。
逆に、不登校であっても自宅で勉強を続けており、相応の学力があり、偏差値の高い有名大学を目指す生徒には、ハイレベルなカリキュラムを作ってもらえる予備校がおすすめです。
通学が負担にならない予備校や塾を選ぶ
不登校生が予備校を選ぶ際には、カリキュラムの内容やサポート体制だけでなく、通学のしやすさも考慮することが大切です。
不登校生は通学自体にストレスや不安を感じることがあり、自宅から遠い場所にある予備校だと、通学そのものが負担になってしまう可能性があります。通学しやすい場所であれば予備校に通うハードルが下がり継続しやすくなるでしょう。
ただし、自宅から近すぎる予備校だと同級生や知り合いが通っていることもあり、学校での人間関係が原因で不登校になった生徒には逆効果です。子どもの立場や気持ちも考慮して、安心して通える予備校を一緒に選びましょう。
それに加えて、出席できなかった場合に振替授業やオンライン授業が受けられるかも確認しておくと、より安心して通えるようになります。
どうしても通学できない場合は、オンライン授業のみで学習できる予備校もあります。オンライン授業のみであれば、自宅で自分のペースで学習を続けることが可能です。まずはオンライン授業から始めてみて、ゆくゆくは通学に切り替えるという方法も選べます。
実際に通っている人の口コミや評判を参考にする
実際に通っている人の口コミや評判は、予備校を選ぶ際に大変参考になります。特に不登校生の場合、自分と同じ境遇の人の口コミは、予備校を選ぶうえで非常に重要です。
口コミや評判から得られる情報には、学習環境やサポート体制、通いやすさなどがあり、実際に通っている生徒の生の声を確認できます。これらの情報は、予備校のパンフレットやホームページだけではわからない、実際の体験に基づいた貴重な情報です。
特に重点的にチェックすべきポイントとして、カリキュラムの内容や柔軟性、講師の指導方法や人間性、自習室の環境や利用のしやすさなどが挙げられます。
ただし、口コミがよいからといって、必ずしも自分に合うとは限りません。多くの予備校では無料体験やオープンスクールを実施しており、実際に体験してみることで、雰囲気や自分に合っているかを確認できます。
不登校生が大学に進学するための要件
不登校生が大学に進学するためには、高校を卒業するか高卒認定試験に合格する必要があります。高校を卒業するには復学しなければならず、不登校を克服しなければなりません。
通っていた高校に復学するのが難しい場合は、通信制高校に編入するという選択肢もあります。定時制高校も選択肢の一つです。別の全日制高校に転校するという方法もあり、いずれの場合も、3年間もしくは3年以上高校に在籍し、卒業に必要な単位を取得することが要件になります。
なお、高校を卒業しなくても、高卒認定試験に合格すると高卒と認定され、大学受験も可能となります。ただし、高卒認定試験に合格するだけでは高卒としては扱われず、最終学歴は中卒になるため注意が必要です。
高卒認定試験に合格後、大学受験に合格し、大学に進学して卒業すると最終学歴は大卒になります。
高卒認定試験の正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」であり、実施する機関は文部科学省です。試験の時期は8月と11月で、16歳以上の方が受験できます。
高卒認定試験の合格率は40%台であり、それほど難関な試験ではありません。高卒認定試験の詳細を知りたい場合は、以下の記事をご参照ください。
不登校生が大学に進学するための要件
不登校生が大学に進学するためには、高校を卒業するか高卒認定試験に合格する必要があります。高校を卒業するには復学しなければならず、不登校を克服しなければなりません。
通っていた高校に復学するのが難しい場合は、通信制高校に編入するという選択肢もあります。定時制高校も選択肢の一つです。別の全日制高校に転校するという方法もあり、いずれの場合も、3年間もしくは3年以上高校に在籍し、卒業に必要な単位を取得することが要件になります。
なお、高校を卒業しなくても、高卒認定試験に合格すると高卒と認定され、大学受験も可能となります。ただし、高卒認定試験に合格するだけでは高卒としては扱われず、最終学歴は中卒になるため注意が必要です。
高卒認定試験に合格後、大学受験に合格し、大学に進学して卒業すると最終学歴は大卒になります。
高卒認定試験の正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」であり、実施する機関は文部科学省です。試験の時期は8月と11月で、16歳以上の方が受験できます。
高卒認定試験の合格率は40%台であり、それほど難関な試験ではありません。高卒認定試験の詳細を知りたい場合は、以下の記事をご参照ください。
まとめ
不登校生が予備校に通うと、復学できる可能性や大学に進学できる可能性が高まります。同じ境遇の仲間との出会いもあり、切磋琢磨して勉強ができるようになります。
予備校を選ぶ際は、カリキュラムの内容や柔軟性、講師の質、サポート体制などを確認することが大切です。
万一、復学できなくても、「高卒認定」を取得すると大学進学が可能になります。予備校に通うと高卒認定を取得するための勉強もできるため、予備校を活用してみてください。