高認取得を目指すことは不登校やひきこもり解決のきっかけにも
不登校で高校中退となった多くの人が高卒認定試験を受験しています
平成26年度の高卒認定試験合格者の内訳を見てみると、高校中退者は全体の61.5%を占めています。高校中退の原因として、今、最も多いのが、学校の雰囲気や人間関係になじめないといったことが理由となる「不登校」からくるものです。
平成26年度の文部科学省の調査によると、中退の理由に「学校生活・学業不適応」をあげる人は全体の35%、この1年で全日制・定時制・通信制高校に通う18,622人もの人がこの理由をもとに中退しています。全日制高校だけを見てみると「学校生活・学業不適応」で中退に陥る人は38.8%と4割近くです。これに比べると昔から高校中退につきまとうイメージである「問題行動」が原因になっている人は全体の4.5%、全日制高校の中でだけ見ても5.9%しかいません。
参考:http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/09/__icsFiles/afieldfile/2015/10/07/1362012_1_1.pdf
高卒認定へのチャレンジは不登校状態の解消になるケースも
高卒認定試験に合格をしている人の6割が高校中退者で、中退原因の4割近くを不登校が占めているということは、多くの人が不登校やひきこもりの状態から抜け出して、高卒認定試験にチャレンジしているということです。
高卒認定という目標ができて、生活に張り合いができたと感じる人は多いようです。高卒認定試験は、まだまだ認知度の低い制度で、書店にもほとんど関連本はなく、インターネットなどで積極的に探さなければ情報が得られません。高卒認定試験を知り、「そんな制度があったのか」と自分の将来に希望を感じることができ、ひきこもりから脱却する人もいます。
家から出ることに不安を感じてしまう状態の人は自学自習や家庭教師といった方法で勉強して、合格を目指すことができます。また、高卒認定試験コースのある予備校や通信制高校には同じような境遇の人が通学しているので、通学に苦痛を感じないという声も多く聞きます。学校自体も全日制高校よりも校則が少なく、自由な雰囲気です。
高卒認定試験のためのカリキュラムのある学習機関は、不登校に対応しているところも多くあります。通学の日数も段階的に増やすことができるところが多く、無理がありません。多くの生徒が数ヶ月で教室に通うことを苦痛に感じなくなるといいます。高卒認定試験の勉強の段階で、人とのコミュニケーションについても慣れておけば、その先の進学先や職場での人間関係への不安もなくなりますね。